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【市況】新興市場見通し:仮想通貨関連などの活況続きマザーズ堅調、出遅れテーマ株にも注目


先週の新興市場では、週半ばまで日経平均がこう着感の強い展開だったことから、中小型株物色の流れが続いた。値動きの軽い材料株やテーマ株への物色が活発となった。マザーズ指数は6月1日まで10日続伸し、連日で年初来高値を更新した。ただ、日経平均は週末にかけて約1年半ぶりに節目の2万円台を回復したが、マザーズでは利益確定売りが優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.5%であったのに対して、マザーズ指数は+1.4%、日経ジャスダック平均は+1.8%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.2%高、そーせいグループ<4565>が同0.7%高となる一方、サイバーダイン<7779>は同1.1%安となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。また、仮想通貨関連として活況が続くリミックスポイント<3825>や急動意を見せたインフォテリア<3853>、大手医療機関の「医療データ分析ツール」導入が材料視されたAWS HD<3937>などが週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。反面、ソレイジア・ファーマ<4597>やアカツキ<3932>が軟調で、直近で急伸していたASJ<2351>も利益確定売りに押された。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同3.3%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.3%高と堅調だった。ただ、本則市場への変更を発表した平田機工<6258>は株式売出し等による需給懸念が先行した。これまで堅調だったエン・ジャパン<4849>など人材関連銘柄の一角もやや利益確定売り優勢だった。売買代金上位ではベクター<2656>がゲームのライセンス獲得を受けて急伸したほか、映像技術に強みを持つP2P BANKの子会社化を発表したルーデン・HD<1400>や株式分割の実施を発表したノムラシステムコーポレーション<3940>が週間のジャスダック上昇率上位となった。

今週の新興市場では、引き続き中小型株物色が活発となりそうだ。日経平均の2万円台回復で市場のムードは大きく好転し、追随する動きが見られるものの、目先は不透明な外部環境や為替の円高推移、原油価格の下落などが重しになるとの見方も聞かれる。日経平均が高値もち合いとなれば、引き続き新興市場の中小型株に資金が向かいやすい。足元で活況となっている銘柄に加え、出遅れ感のあるテーマ株などにも徐々に関心が向かいそうだ。

今週は6月7日にアルトナー<2163>、8日にアセンテック<3565>、鎌倉新書<6184>、9日にベステラ<1433>、フルスピード<2159>、アスカネット<2438>、モルフォ<3653>、アイリッジ<3917>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。アセンテックは上場後初の決算発表となる。鎌倉新書、フルスピード、アイリッジ、イトクロなどは前四半期までの進捗から期待が高いようだ。また、アスカネットは直近で一部証券会社が投資評価を引き上げており、アイリッジはフィンテック関連のテーマ性でも注目される。

IPO関連では、ディーエムソリューションズ<6549>が6月7日まで、エコモット<3987>が8日までブックビルディング(BB)期間となるほか、新たに8日からFringe81<6550>のBB期間となる。2日までBB期間だったビーブレイクシステム<3986>はIPO空白期間明け最初の案件ということもあり人気を集めていたようだ。なお、先週はGameWith<6552>(6月30日、マザーズ)の新規上場が発表されている。6月のIPO件数は計7社となった。

《FA》

 提供:フィスコ

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