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【市況】米国株式市場見通し:複数のリスク要因に注意


来週は、26日に税制改革案の発表が行われる見通しだが、仏大統領選の第1回投票(23日)、朝鮮人民軍創建記念日(25日)、米暫定予算期限(28日)と複数のリスク要因が重なっており、注意を要する1週間となりそうだ。特に朝鮮半島情勢は相場への影響が大きく、北朝鮮が核実験やミサイル発射実験を実施し米国との武力衝突が発生すれば、リスク回避の動きが広がりそうだ。残りの2つは一時的な影響となる見込みだが、仏大統領選では、極右のルペン候補が支持されればEU離脱に伴う欧州情勢の不透明感が、極左のメランション候補が残れば、財政赤字の拡大に伴う金融市場の混乱が生じるだろう。米暫定予算は民主党の反対で可決できなければ政府機関が閉鎖となり、税制改革案の審議等が遅れることでトランプ政権への期待度が低下する恐れがある。

来週も多数の決算発表が予定されている。金属大手のアルコア(24日)、通信のTモバイルUS(24日)やAT&T(25日)、ファストフードのマクドナルドやチポトレ・メキシカン・グリル(25日)、飲料メーカーのコカコーラ(25日)、建設機械のキャタピラー(25日)、アルミ応用製品のアルコニック(25日)、短文投稿サイトのツイッター(26日)、航空機のボーイング(26日)、航空大手のアメリカン航空やサウスウェスト・エアラインズ(27日)、ケーブルテレビのコムキャスト(27日)、自動車のフォード(27日)やゼネラルモーターズ(28日)、検索大手のアルファベット(27日)、半導体のインテル(27日)、ネット小売のアマゾン(27日)、ソフトウェアのマイクロソフト(27日)、石油のエクソンモービル(28日)などが予定されている。Tモバイルの決算では、ベライゾンが1-3月期決算で料金後払い方式の契約者数が初の純減となり、流出した契約者を取り込めているかに注目したい。また、無線周波数帯域の入札に成功し、今後は通信事業者やケーブルテレビ企業への買収交渉で有利になることから、M&A戦略の強化など事業見通しに関する発表の可能性もある。
経済指標では3月新築住宅販売件数(25日)、4月消費者信頼感指数(25日)、3月耐久財受注(27日)、1-3月期GDP速報値 (28日) などの発表が予定されている。アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」の試算(4月18日時点)によると、1-3月期GDP成長率は+0.5%と市場予想を下回る低調な伸びが予想されている。

米国株式相場には「5月に売って立ち去れ(Sell in May and go away)」という格言があるが、5月に短期的な高値を付ける傾向があるのは4月半ばが米国の個人確定申告の期限となっていることが一因だ。S&P500指数は21日時点で年初来4.9%の上昇となっているが、1-3月期決算はおよそ5年ぶりの高い増益率になる見通しで、格言通りの相場展開となりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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