【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ヤフー、トヨタ、石川製
ヤフー <日足> 「株探」多機能チャートより
5日、ヤフー <4689> が子会社アスクル <2678> の物流センターでの火災に伴い、17年3月期に138億円の特別損失を計上する見通しだと発表したことが売り材料視された。アスクルを含む同社のショッピング関連事業ののれんの額は16年3月末時点で567億円。のれんへの影響を含む連結業績への影響は、判明次第速やかに公表するとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 5,810円 -99 円 (-1.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が3日続落、連日の年初来安値更新となった。外国為替市場ではドル売り・円買いの動きが再燃、足もとは1ドル=110円台半ばの推移と円高傾向にある。トランプ米大統領の保護主義的な政策も嫌気され、自動車セクターの来期業績への警戒感が浮上、市場ではここ一部の海外機関投資家が自動車株を外す動きも観測されており、シンボルストックであるトヨタの値動きに注目が集まっている。
■三菱UFJ <8306> 665.4円 -11.4 円 (-1.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>がいずれも年初来安値更新、メガバンクの下値模索が続いている。3銘柄とも揃って7日続落と下げ止まらない状況。トランプ相場の象徴として買われてきた経緯があるが、米国では長期金利の低下を背景にゴールドマン・サックスなど大手金融株が調整局面に入っており、その流れが波及した。米国では前日発表されたFOMC議事要旨のなかで、量的緩和に伴い膨張したFRBのバランスシートを巡り、メンバーの大半が「年後半にも保有有価証券の再投資政策の変更が適切になる」との見方を示したことを受け、米長期金利が低下、これが金融株安の背景となっている。テクニカル的にも三菱UFJをはじめメガバンク3銘柄は、直近26週移動平均線を下回ってきており、下値警戒感が強い。
■セガサミー <6460> 1,481円 -18 円 (-1.2%) 本日終値
セガサミーホールディングス<6460>が反落。この日、グループ会社アトラスのプレイステーション4/3用ソフトウエア「ペルソナ5」が、4月4日の北米/欧州版の発売をもって累計出荷本数150万本を突破したと発表したが、市場の反応は限定的だった。なお、今後の「ペルソナ」シリーズコンテンツの展開としては、8月2日に横浜アリーナで大型ミュージックライブを開催する予定だという。
■インフォマート <2492> 586円 -7 円 (-1.2%) 本日終値
インフォマート<2492>が後場終盤になって下げ幅を縮小。午後2時ごろ、経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業」(以下・IT導入補助金)において、「IT導入支援事業者」として採択され、同社が提供する「BtoBプラットフォーム」が補助金対象のITツールとして認定されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等がITツール(ソフトウエア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、導入企業の中小企業・小規模事業者などの生産性の向上を図ることが目的。サービス導入費(初期費用+初年度システム利用料+導入支援費用など)の合計3分の2以内(上限額は100万円、下限額は20万円)が補助されることから、「BtoBプラットフォーム」を導入する際の費用面でのハードルが下がり、採用企業が増加することが期待されている。
■薬王堂 <3385> 2,640円 -10 円 (-0.4%) 本日終値
薬王堂<3385>が全般安にあって底堅い動きとなった。5日の取引終了後に発表した3月度の月次速報で、既存店売上高が前年同月比4.2%増となり、24カ月連続で前年実績を上回ったことが株価を下支えしている。客数が同1.9%増、客単価が同2.3%増といずれも伸長したことが寄与した。
■石川製作所 <6208> 1,137円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
石川製作所<6208>が買い優勢、一時69円高の1056円と急反発した。6日からの米中首脳会談を控え、北朝鮮問題を背景とした北東アジア情勢の緊迫が高まっており、防衛関連株として値動きの軽い同社株への物色資金流入を誘っている。日本時間6日朝に日米電話首脳会談が行われ、トランプ米大統領が「すべての選択肢がテーブルの上にある」と強調したことが伝わっており、地政学リスクが改めて意識された。
■北日本紡績 <3409> 112円 +13 円 (+13.1%) 本日終値
北日本紡績<3409>が買われ、年初来高値を更新した。朝鮮半島を巡る緊張度合が高まるなか、防衛関連株としてストップ高まで買われている石川製作所<6208>が大株主である同社にも物色人気が波及しているもよう。なお、同社は合繊紡績糸メーカー。2月3日に公表した17年3月期第3四半期決算短信のなかで、「線維事業は、防護衣料および特殊用途向けの商品開発が急務であり、さまざまな素材を組み合わせて独自商品の開発を進めている」と記載されている。
株探ニュース