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2017年04月05日20時00分

【特集】もやもや「東京市場」でスポットライト、中期“大成長”候補株 <株探トップ特集>

アイカ <日足> 「株探」多機能チャートより

―積極「中期経営計画」推進企業で“未来”を買う―

 5日の東京株式市場は、外国為替市場で円高・ドル安進行が一服状態となったことから買いが先行した。後場寄り付き直後には日経平均株価が前日比でマイナス圏に沈む場面があったものの、その後は小幅高水準での小動きとなった。今回は、新年度がスタートしたばかりというタイミングもあり、積極的な中期経営計画を推進中の企業に注目した。

●富士紡HDは、利益重視で重点3事業の成長加速狙う

 富士紡ホールディングス <3104> は、2020年度を最終年度とする中期経営計画「加速17-20」を策定した。利益を重視した重点3事業(研磨材、化学工業品、繊維)の成長加速を基本方針とし、(1)収益性の高い研磨材・化学工業品事業の積極的な拡大、(2)繊維事業の構造改革による収益力向上と反転攻勢、(3)成長加速に向けてのホールディングス機能の強化――を推進する。

 最終年度の連結業績目標は、売上高700億円(16年3月期は381億1700万円)、営業利益100億円(同36億2400万円)を目指す。さらに、26年度の長期ビジョンでは、「有機材料技術で未来を拓く、高付加価値創造企業」を基本戦略として、売上高1000億円、営業利益150億円を掲げている。

●不二越は20年11月期に営業利益600億円を想定

 不二越 <6474> の中期経営計画は、20年11月期を最終年度としている。売上高の拡大に向けては、(1)自動車用軸受、(2)カーコントロールバルブ、(3)建機用油圧機器、(4)ロボット、(5)産機用油圧機器、(6)ラウンドツール(切削工具など)――の重点6商品の拡販を狙う。利益面の確保では、生産の合理化や内製化の拡大を図る。さらに、海外拡販体制の強化では、需要地での現地営業・現地生産による“地産地消”を目指すとしている。最終年度の連結業績目標は、売上高4000億円(16年11月期は2114億4900万円)、営業利益600億円(同111億3900万円)を想定している。

 同社は4日取引終了後、17年11月期の第1四半期(16年12月-17年2月)連結決算を発表。売上高は546億6500万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は37億3600万円(同10.4%増)と、営業利益は2ケタ増で着地し順調な滑り出しとなった。自動車・建設機械向けの需要が回復・拡大傾向にあり、部品事業ではベアリングなどを中心に業績を牽引した。また、産業機械向けを中心にロボットが大きく伸長したことで機械工具事業も好調に推移した。

●モリタホールディングスは消防車輌で海外事業拡大へ

 モリタホールディングス <6455> は、19年3月期を最終年度とする中期経営計画「モリタ アドバンス プラン 1000」を策定した。基本方針として(1)新規市場の開拓、(2)既存事業の収益力強化、(3)商品開発力の強化、(4)持続的投資に向けた投資の推進――を挙げている。

 セグメント別の基本戦略としては、(1)消防車両事業では、商品開発力と営業力の強化による既存事業の国内シェアアップや、統合シナジーの創出による海外事業の拡大、(2)防災事業では、生産合理化とコストダウンによるシェアの拡大や、商品ラインアップ強化による新規市場創出、(3)産業機械事業では、省エネ・リサイクル分野での新開発商品による売上拡大や、生産性の向上とコスト競争力の強化、(4)環境車両事業では、新工場での生産改革による増産並びにコストダウンや新型塵芥車の市場投入・拡販によるシェアアップ――を打ち出している。最終年度の連結業績目標数値は、売上高1000億円(16年3月期は685億7400万円)、営業利益100億円(同75億1700万円)と設定している。

●カネカは研究開発とグローバル化推進を成長ドライブに

 カネカ <4118> は、20年度を最終年度とする長期ビジョンの業績目標を、売上高1兆円(16年3月期は5552億2700万円)、営業利益1200億円(同382億2000万円)としている。研究開発とグローバル化の推進を成長ドライブとして、事業ポートフォリオの変革を加速するとしている。

 具体的には(1)オープンイノベーションの推進による機能性樹脂、エレクトロニクス、ライフサイエンスでの事業拡大、(2)有機EL照明、バイオポリマー、オプトエレクトロケミカルズ、再生・細胞医療、バイオ医薬などの大型新規事業の立ち上げに注力、(3)米州、欧州、アジアの地域本社機能強化により現地視点に立った地域戦略を遂行し、新たな海外市場の開拓や社外資源の活用などを迅速に推進する――という経営施策を掲げている

●アイカ工業は建設分野向け樹脂でアジアのトップメーカー目指す

 アイカ工業 <4206> は、創立90周年(27年3月期)に目指すべき姿「アイカ10年ビジョン」を描き、その実現へのロードマップ最初の4年間に達成すべき財務目標と基本方針を、新中期経営計画 「C&C2000」 として策定した。具体的には最終年度の21年3月期の連結業績で、売上高2000億円(16年3月期は1500億6100万円)、経常利益220億円(同163億5200万円)を目標としている。

 同社は「化成品」と「建装建材」という2つの事業を柱に成長している。化成品は、社会インフラを支える建設分野向け樹脂で、アジアのトップメーカーとしての地位を目指しつつ、自動車・日用品・電子材料など非建設分野で成長を目指す。建装建材は、これまでの家具・什器・水廻りの内壁市場向け主体から、外壁も含めた壁面市場などの建材未開拓分野に事業領域を拡大し、住宅・非住宅を含めた生活空間全体に快適・安全を提供できる空間デザインメーカーとしての成長を目標としている。


◆主な積極的中期経営計画を推進中の企業◆

銘柄     実績   目標  
営業利益  決算期  営業利益  決算期 株価  PER
積水ハウス <1928>  184164   17.1   230000   20.1  1791.5 9.7
朝日工業社 <1975>  2842    16.3   3600    20.3  3050  8.1
夢真HD <2362>   2433    16.9   6500~8000 19.9  778   27.6
富士紡HD <3104>  3624    16.3   10000    21.3  2986  8.3
カネカ <4118>   38220   16.3   120000   21.3  829   13.0
アイカ工 <4206>  ※16352   16.3  ※22000    21.3  3015  18.2
モリタHD <6455>  7517    16.3   10000    19.3  1630  13.7
不二越 <6474>   11139   16.11   60000    20.11  588   16.2
ニチユ三菱 <7105>  10086   16.3   32200    21.3  632   16.1
タカノ <7885>   979    16.3   3000    21.3  970   18.2
ニフコ <7988>   27574   16.3   38000    21.3  5500  15.3
昭光通商 <8090>   1070    15.12   2530    20.12  82   6.4
上組 <9364>   ※23850   16.3  ※30000    20.3  986   14.9
クレオ <9698>   348    16.3   1000    20.3  423   13.7

※アイカ工、上組の数値は経常利益
 株価は5日終値、単位:100万円、年・月、円、倍

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