【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):タチエス、テンプHD、森永乳
タチエス <日足> 「株探」多機能チャートより
30日、タチエス <7239> が同業のトヨタ紡織 <3116> と自動車用シート事業で業務提携したと発表したことが買い材料視された。現時点では資本提携には踏み込まず、既存部品の相互供給のほか、新規部品の開発検討、生産拠点・設備の相互活用を進め競争力の向上を目指すという。発表を受け、自動車シートの大手との業務提携によるシナジー効果に期待する買いが向かった。
■テンプホールディングス <2181> 2,074円 +12 円 (+0.6%) 本日終値
テンプホールディングス<2181>やテクノプロ・ホールディングス<6028>といった人材関連株は堅調。総務省が31日に発表した2月の完全失業率は2.8%と前月比0.2ポイント低下した。これは1994年6月以来、22年8カ月ぶりの低水準。人手不足感が強まるなか、人材派遣を手掛けるテンプHDなどへの見直し機運が強まっている。
■住友精化 <4008> 4,735円 +20 円 (+0.4%) 本日終値
30日、住友精化 <4008> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の75億円→95億円に26.7%上方修正。増益率が18.5%増→50.1%増に拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。東南アジアや中国向けに主力の高吸水性樹脂の販売が想定より伸びることが寄与。円安による収益押し上げ効果や為替評価損の減少も利益を押し上げる。前日終値ベースの予想PERが13.0倍→11.8倍に低下し、割安感が強まったことも支援材料となった。
■雪印メグミルク <2270> 3,065円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
雪印メグミルク<2270>が3日ぶりに反発。30日の取引終了後、バターやチーズなどの家庭用乳食品12製品を5月出荷分から5~25円値上げすると発表しており、採算改善への期待感から買い入ったようだ。原料となる乳製品向け乳価の値上がりを受けて、企業努力による範囲を超えるものだと判断し価格改定を決めたとしている。
■インベスターズクラウド <1435> 4,690円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
インベスターズクラウド<1435>がしっかり。同社は30日取引終了後、スマリノ事業で開始する買取事業者にも査定依頼ができるマンション買取一括査定サービスの事業者としてスター・マイカ<3230>と戦略的業務提携を締結したと発表し、それが材料視された。スマリノが提供するマンション買取一括査定サービスでは、スマリノコンシェルジュが窓口となり、売却を希望しているユーザーと、購入を希望する会員または買取事業者とのマッチングを行う。今回の業務提携によって、スター・マイカの中古マンション買取に関する豊富なノウハウと、インベスターズクラウドのITを活用したサービスのシナジーで、今後予想される中古マンション市場のさらなる拡大に寄与していく。
■森永乳業 <2264> 826円 -150 円 (-15.4%) ストップ安 本日終値 東証1部 下落率トップ
■森永製菓 <2201> 4,940円 -360 円 (-6.8%) 本日終値 東証1部 下落率2位
森永乳業<2264>と森永製菓<2201>がともに急落。30日の取引終了後、経営統合に向けた現時点での検討を終了し、統合を見送ると発表しており、期待感の剥落から売られたようだ。両社では、経営統合に限らずさまざまな可能性について検討してきたが、それぞれの事業戦略への注力により、経営基盤の強化を図っていくことを最優先すべきという結論に至ったという。なお、協業のさまざまな可能性については、今後も引き続き検討するとしている。
■ストライク <6196> 4,950円 -280 円 (-5.4%) 本日終値
ストライク<6196>は反落。同社は30日取引終了後、17年8月期第2四半期累計(16年9月~17年2月)の単独決算を発表。売上高は14億300万円(前年同期比30.4%増)、営業利益は5億9400万円(同18.6%増)、最終利益は3億8100万円(同16.9%増)と好調だった。中小企業のM&A仲介事業を手掛けるが、後継者難の時流を映し経営者の事業売却ニーズが高く、案件の増加につながっている。ただ、前日まで株価は好業績を先取りするかたちで5日続伸しており、目先利益確定の売りに押された。
■夢の街創造委員会 <2484> 821円 -25 円 (-3.0%) 本日終値
夢の街創造委員会<2484>が反落。30日の取引終了後に発表した第2四半期累計(16年9月~17年2月)連結決算が、売上高25億2500万円(前年同期比25.8%増)、営業利益3億7200万円(同74.0%増)、純利益1億8100万円(同9.4%減)となり、従来予想の営業利益2億6000万円を上回ったが、17年8月期通期営業利益予想を据え置いたことから、失望感から売られたようだ。上期は、2月1日に「出前館」PCサイトを全面リニューアルし、ユーザー利便性向上を図ったほか、配達代行モデルのスタートで、出前館事業のオーダー数が増加した。また、業務のシステム化で人件費の削減および配送効率の向上などを図ったことも寄与し、大幅営業増益を確保したという。ただ、固定資産除却損や減損損失、投資有価証券評価損などを特別損失として計上したことで、純利益は減益を余儀なくされた。なお、17年8月期通期業績予想は、売上高を46億円から50億円(前期比20.3%増)へ上方修正したが、営業利益8億円(同39.7%増)、純利益4億5000万円(同29.4%増)は従来予想を据え置いている。配達代行モデルスタートによる営業人員の増員や広告宣伝費の増加を予定していることが据え置きの要因としている。
■ロングライフ <4355> 422円 +80 円 (+23.4%) ストップ高 本日終値
ロングライフホールディング<4355>がストップ高まで買われ昨年来高値を更新した。30日、中国における合弁会社、山東新華錦長生養老運営が、中国・青島市政府による訪問介護事業を受託したと発表しており、中国事業拡大への期待感が膨らんでいるようだ。同事業は、生活保護を受給している高齢者に対して訪問介護サービスなどを行っているスタッフの業務管理や技術研修などを青島市政府から委託されて実施するもの。同合弁では、これまで有料老人ホームの運営管理やコンサルタント業務を中心に取り組んできたが、中国の高齢化社会へのニーズに対応するため、訪問介護にも注力して事業の拡大を進めるとしている。
株探ニュース