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2017年03月30日20時00分

【特集】快走アスレジャー関連、東京五輪へ「運動+余暇」の方程式起動 <株探トップ特集>

ゴルドウイン <日足> 「株探」多機能チャートより

―拡大スポーツアパレル市場、“アスレチック+レジャー”関連株に脚光―

 スポーツとファッションを組み合わせた「アスレジャー」が近年、急速な広がりを見せている。アスレジャーとは、「運動(アスレチック)」と「余暇(レジャー)」を組み合わせた造語で、動きやすいヨガパンツやジョガーパンツ、スニーカーなどを日常使うファッションとして取り入れたスタイルのこと。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、日本でもさらなる市場拡大が期待できるだけに関連銘柄に注目しておきたい。

●拡大を続けるスポーツアパレル市場

 矢野経済研究所(東京都中野区)によると、16年の国内スポーツアパレル出荷市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比1.0%増の5255億5000万円の見込みという。市民ランナーの増加などでランニングウエア需要が増加しているのに加えて、ヨガへの参加人口増加で関連するフィットネスウエアの店頭販売も好調に推移していることなどが牽引。また、カジュアルシーンで街着として着用されるライフスタイル向け商品の提案を強化する上位ブランドの出荷増で、アウトドアウエアも伸長しているという。

 スポーツアパレルなどアスレジャー商品が広がりを見せているのは、カナダ発のヨガブランド「ルルレモン」の貢献が大きい。普段着としても使用可能なデザイン性の高いヨガウエアを展開したところ、SNSで情報が広がり若年層を中心に人気が爆発。その後「アディダス」「ナイキ」「アンダーアーマー」など大手のスポーツブランドがアスレジャー市場に参入したことで、市場規模が一気に拡大した。

 日本国内でも徐々に浸透し、日経MJの16年のヒット商品番付にも「アスレジャー」が顔を出している。スポーツ用としての着心地の良さはもちろん、色やデザイン性を重視して購入する人が増加していることが、この背景にあるようだ。

●「UNIQLO MOVE」オープンで市場の広がり加速

 アスレジャーの広がりに拍車をかけそうなのが、ファーストリテイリング <9983> だ。傘下のジーユーでは、既に展開している男性向けのアスレジャー商品の展開に続いて、女性向けについても大型店限定から約360の国内全店に広げる。

 また、ユニクロブランドでは3月15日に「日常をより快適に、アクティブに」をテーマとする新業態「UNIQLO MOVE(ユニクロ ムーブ)」を新宿高島屋8階にオープンさせた。速乾性やストレッチ性など機能性の高い「ユニクロスポーツ」を中心に、より動きに焦点を当てた商品と機能性を併せ持ったカジュアルウエアなど、既存の店舗とは異なる商品ラインアップで新規顧客の取り込みを図る。店舗の最奥にある大画面では、コンセプトを強調する躍動感のある映像が流れており、購買意欲を高めている。

 一方、ファーストリテイリングと競合するしまむら <8227> では、プライベートブランド(PB)でアスレジャー商品の強化を図っている。PB「クロッシースポーツ」では、紫外線(UV)対策を施したパーカーや伸びやすい素材を使ったパンツなどファッション性と機能性を兼ね備えた商品群を昨年夏以降本格展開しており、今後も品ぞろえを強化する方針だ。

●シューズもアスレジャーが人気

 シューズの分野でもアスレジャーが人気だ。「ナイキ」や「アディダス」といった海外有名ブランドで強みを持つエービーシー・マート <2670> では、店舗の改装に伴い、ランニングシューズなどスポーツ用品売り場を入口近くに設け、アスリートの映像を流す電子看板を設置している。また、改装店舗の一部ではトレーニングウエアなども販売しており、品ぞろえ強化を図っている。

 また、チヨダ <8185> では伊フィラ(FILA)と共同で、同社店舗だけで扱う別注モデルを展開する。この展開に合わせて、家族向け業態の「シュープラザ」の郊外店を中心に、6月までに約200店で「アスレジャー」向け売り場を設置。マネキンにスポーツウエアを着せたり、ヨガマットを並べたりしてアピールする。

●スポーツ用品業界でアスレジャーの取り込み際立つゴールドウイン

 こうしたファッション・シューズ業界の動きとは逆にスポーツ業界ではアスレジャーの動きが目立たない。「スポーツ用品店にはファッショントレンド品を売るノウハウや見せるノウハウがない」(業界関係者)ためだが、そうしたなかで、目立つのがゴールドウイン <8111> だろう。「ザ・ノース・フェイス」「カンタベリー」など、スポーツウエアの機能性を備えながら、ファッション性を取り入れた商品を展開しており、ライフスタイル型スポーツウエアの販売が好調。アスレジャー市場の成長を取り込み、さらなる収益拡大を図るようだ。

 このほか、カシオ計算機 <6952> では女性向け腕時計ブランド「BABY―G」からランニング用時計を販売している。さらに、コーセー <4922> が14年に買収した米タルト社はアスレジャー用のメイクアップラインを立ち上げており、関連銘柄として注目される。国内のアスレジャーは、まだ米国のように浸透しているとは言いがたく、関連企業の成長余地も大きそうだ。

株探ニュース

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