【市況】米国株式市場見通し:利上げ観測の据え置きで、株価は上昇局面
先週のFOMC発表で、年内の利上げ見通しが残り2回と当初の予定から据え置かれたことで、為替相場ではドル安が進行し、株式相場には追い風となった。今週以降は、再び経済指標や政策に関する発表に注目が集まる展開となるが、18日まで開催されるG20財務相・中銀総裁会議で貿易や競争的な通貨切り下げに対する米国の意向がどの程度反映されるかが、週明けの株価動向に影響を与えるだろう。
今週、アップルが新製品を発表するとの観測が広がっている。事前の予想では「iPad Pro」の画面サイズ10.5インチモデルの発表が予想されている。ここ数年、iPadは販売不振が続いているが、iPad Proシリーズの最近の広告では、高速な処理性能、LTE接続、直接書き込みが可能なタッチスクリーンなど、PCやノート型PCを置き換える側面が強調されている。今回の製品発表で消費者の需要喚起が促されるか注目したい。
企業決算では、アパレルのラルフローレン(20日)、住宅建設会社のレナー(21日)、アパレル用品のナイキ(21日)、運送会社のフェデックス(21日)、半導体のマイクロン・テクノロジー(23日)、ビデオゲーム小売のゲームストップ(23日)などの決算発表が予定されている。マイクロンテクノロジーは、メモリー価格の高騰で好決算が予想されるが、競合のサムスン電子がDRAM生産ラインに巨額投資を行ったとの報道を受け、シェア維持のために新たな設備投資に踏み切る可能性がある。また東芝の半導体事業についても入札する意向を示しており注目される。
経済指標では、2月シカゴ連銀全米活動指数(20日)、2月中古住宅販売件数(22日)、2月新築住宅販売件数(23日)、2月耐久財受注(24日)などの発表が予定されている。先日発表された3月NAHB住宅市場指数は2005年6月以来の高水準となり、春季の住宅販売シーズンに向けた明るい兆しと考えられる。春先は季節的に住宅販売が伸びる時期でもあり、新築住宅販売への期待は高い。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ