【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):カカクコム、鹿島、北の達人
カカクコム <日足> 「株探」多機能チャートより
15日、カカクコム <2371> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.61%にあたる350万株(金額で50億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月16日から5月15日まで。
■鹿島 <1812> 761円 +12 円 (+1.6%) 本日終値
15日、鹿島建設 <1812> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の1240億円→1550億円に25.0%上方修正。増益率が9.4%増→36.7%増に拡大し、従来の25期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。手持ち工事が順調に進み、売上が計画を上回ることが寄与。国内建設工事を中心に工事採算が改善することも利益を押し上げる。業績上振れに伴い、今期の年間配当を従来計画の14円→20円(前期は12円)に増額修正したことも支援材料となった。前日終値ベースの予想PERは10.0倍→7.8倍に低下し、割安感が強まった。
■キヤノン <7751> 3,529円 +38 円 (+1.1%) 本日終値
キヤノン<7751>が続伸。東海東京調査センターが15日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」目標株価4400円でカバレッジしており、これが上げ足を助長した。同社の17年12月期営業利益は前年比11%増の2550億円を計画しているが、同調査センターでは、FPD露光装置やOLED蒸着装置(連結子会社キヤノントッキ)など産業機器その他事業が計画以上に収益性が改善することを想定して、同25%増の2850億円と予想している。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,117.5円 +11.5 円 (+1.0%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>などが買われた。米国の石油在庫が事前の見通しに反し減少したことを受け、足もと原油市況が切り返しており、前日のWTI原油先物価格は1ドル14セント高の1バレル=48ドル86セントと8日ぶりに急反発。これを受けて前日の米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連株が買われ、全体相場を牽引した。東京市場にもこの流れが波及、原油市況と株価連動性の高い資源開発関連に買いが向かっている。
■新日鐵住金 <5401> 2,681円 +15 円 (+0.6%) 本日終値
新日鉄住金<5401>が8日ぶりに反発。ここ調整色をみせていたが、13週移動平均線近辺で下げ止まる動きをみせた。信用取組は売り買い拮抗で信用倍率が1.1倍台、株式需給面でも買い戻しが利きやすい場面だ。SMBC日興証券は15日付で同社の目標株価を2400円から2700円に引き上げている(投資評価は「2」継続)。これもポジティブ材料視した買いが優勢となった。SMBC日興証券では新日鉄住金の17年3月期営業利益予想について740億円から949億円に、また18年3月期については2099億円から2333億円に上方修正しており、これが目標株価引き上げの背景。
■FFRI <3692> 5,190円 +20 円 (+0.4%) 本日終値
FFRI<3692>はインターネット上で増える標的型攻撃のセキュリティー対策に特化したシステムを個人・法人向けで展開している。世界的にサイバー攻撃の被害が深刻化するなか、日本でも情報セキュリティーの重要性に対する意識が高まっている。特定の組織や個人を狙って行われる標的型攻撃が大きな脅威となっている。そうした環境下において、同社が手掛ける法人向けセキュリティーサービス「FFRI yarai」、個人向けの「FFRI安心アプリチェッカー」の需要は大きい。17年3月期は、サービスの販売が計画以上に推移していることに加え、人材採用費用などの支出が当初見込みよりも下回っていることから、3月10日に通期営業利益予想を1億円から2億4000万円へ上方修正した。同社は業績が下期偏重のため、一段の上振れ期待も強い。さらに、この市場環境は来期以降も続くとの見方があり、法人向けを中心に着実な成長が見込めそうだ。株価は、昨年11月9日に3000円を瞬間割り込む場面があったが、その後は順調に下値を切り上げている。依然として上値余地は大きくここは買いで対処したい。(藍)
■クスリアオキ <3549> 4,900円 -100 円 (-2.0%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が安い。15日の取引終了後、17年5月期第3四半期累計(16年5月21日~17年2月20日)の連結決算を発表し、売上高は1409億4200万円、営業利益は85億1200万円、最終利益は64億2000万円で着地した。全般相場につれて安く始まったが、営業利益は進捗率94%まで達しており、徐々にそれを見直す動きが出ているようだ。なお、持ち株会社移行後の第3四半期から四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同期との比較はない。激しい出店競争や価格競争に加え、他業種の参入により医薬品販売の先行きが厳しさを増すなか、ドラッグストアを44店舗、ドラッグストア併設調剤薬局を14薬局新設し、ドミナント化を推進している。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高1910億円、営業利益90億5600万円、最終利益65億1000万円を見込んでいる。
■三菱UFJ <8306> 765円 -9.1 円 (-1.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが安い。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>も値を下げた。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米政策金利は0.75~1.00%へ0.25%引き上げられたが、年3回の利上げ見通しは維持された。一部で浮上していた年4回の利上げ期待が後退したことから、前日には2.6%台にあった米長期金利は2.49%前後へ下落。これを受け、長短金利の利ザヤ縮小懸念から米株式市場ではシティグループやバンク・オブ・アメリカといった銀行株が値を下げた。東京市場でもメガバンクへの売りが優勢となっている。
■パイオニア <6773> 243円 -2 円 (-0.8%) 本日終値
パイオニア<6773>が続落。ドイツ証券が15日付のリポートで、レーティングを「ホールド」から「セル」へ、目標株価を250円から170円へ引き下げたことが嫌気された。OEMでは主要顧客向けの販売減少、市販では製品ミックス悪化と一部で市場縮小が起きており、事業構造上、急回復は見込めないと指摘。また、18年3月期以降は固定費が増加するフェーズを見込んで、営業利益予想を従来の122億円から85億円へ、19年3月期は同116億円から70億円へ引き下げた。
■トヨタ自動車 <7203> 6,453円 -22 円 (-0.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、富士重工業<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が総じて売られている。注目された米FOMCでは事前予想通りFRBは政策金利の0.25%引き上げを決めたが、年3回の利上げシナリオについては維持された。これが日米金利差拡大に対する思惑後退を呼び、外国為替市場では1ドル=113円台前半へと急速に円高が進行、自動車セクターは輸出採算の悪化懸念が売りを誘っている。
■北の達人 <2930> 1,107円 +150 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値
15日、北の達人コーポレーション <2930> が3月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。株価は上場来高値を連日更新した。
●ストップ高銘柄
北の達人 <2930> 1,107円 +150 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値
など、1銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース