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【市況】新興市場見通し:IPOラッシュが本格スタート、ファイズやほぼ日など話題の案件も

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、マザーズ指数は連騰がストップするなど足踏みする場面もあったものの、緩やかな上昇基調が続いた。信用規制の広がりやIPOの再開で需給環境は徐々に厳しくなっているが、個人投資家の中小型株に対する物色意欲は依然強い。日経ジャスダック平均にいたっては前週末まで21日続伸となり、過去最長の22連騰(1989年)が視野に入ってきた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.7%であったのに対して、マザーズ指数は+1.2%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で3.2%安、サイバーダイン<7779>が同1.2%安と引き続き軟調だったが、ミクシィ<2121>は同2.4%高となった。売買代金上位では、ジーエヌアイグループ<2160>の強い値動きが続き、ITbook<3742>やチェンジ<3962>といったテーマ株の一角も物色を集め大きく上昇した。一方、モブキャスト<3664>は新規ゲーム発表による材料出尽くし感から値を崩し、決算発表したアスカネット<2438>も売られた。ジャスダック主力では、平田機工<6258>が同7.2%高、夢真HD<2362>が同6.2%高と堅調だった。売買代金上位では、アエリア<3758>、トレイダーズHD<8704>、ブロッコリー<2706>などが大きく買われ、テキスタイルFPCの開発進捗が材料視された太洋工業<6663>は連日のストップ高となった。反面、ウェッジHD<2388>はタイ子会社を巡る一部海外報道を受けて急落し、海外募集による自己株式の処分を発表したユニバーサルエンターテインメント<6425>も売り優勢となった。IPOでは、3月7日上場のロコンド<3558>が公開価格比+41.9%、9日上場のピーバンドットコム<3559>が同+113.9%という初値を付け、IPO人気の高さを見せた。

今週の新興市場では、本格的なIPOラッシュに入り、これら新規上場銘柄に投資家の関心が向かいそうだ。最近のIPO銘柄がセカンダリーで好パフォーマンスを見せたこともあり、個人投資家のIPOに対する関心は非常に高い。ただ、件数が多いだけに銘柄選別色が強まりそうだ。短期資金主導で上昇してきた既上場銘柄では換金売りが広がる可能性もあるだろう。

今週は3月15日にジェネレーションパス<3195>、エニグモ<3665>、トリケミカル研究所<4369>、ACCESS<4813>、MICS化学<7899>、17日にベステラ<1433>などが決算発表を予定している。エニグモは前週、今期業績観測が報じられた。トリケミカル研究所は新規半導体向け材料の需要拡大を背景に市場評価が高い。MICS化学は発表を前に動意を見せている。なお、15日から介護業界の展示会「第3回 CareTEX2017」が開催され、カナミックネットワーク<3939>などが出展を予定している。

IPO関連では、3月15日にファイズ<9325>がマザーズへ、16日にほぼ日<3560>がジャスダック、うるる<3979>がマザーズへ、17日にジャパンエレベーターサービスHD<6544>及びビーグリー<3981>がマザーズへそれぞれ新規上場する。ファイズやほぼ日が公開規模の軽量感や話題性から人気を集めているようだ。なお、先週はウェーブロックHD<7940>(4月10日、東証2部)、LIXILビバ<3564>(4月12日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。また、3月22日に上場予定だったエスキュービズム<3982>は上場を取り止めた。

《FA》

 提供:フィスコ

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