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【特集】「ジャスダック指数21連騰、中小型株相場の行方は?」あかつき証券・藤井知明投資調査部長に聞く!<直撃Q&A>

藤井知明氏(あかつき証券 投資調査部長)
 中小型株への物色人気が続いている。ジャスダック指数がこの日で21連騰と連日の人気に沸いているほか、東証2部指数は歴史的高値圏に、また東証マザーズ指数も上昇基調にある。この中小型株人気の背景には何があるのか。また人気は続くのか。来週から本格化する3月IPOを含めた中小型株相場の行方について、あかつき証券・藤井知明投資調査部長に聞いた。

Q1 ジャスダック指数や東証2部指数が上昇基調を強めるなど中小型株が人気です。この動きをどう見ていますか?

藤井 今年年初以降、大型株の上値が重くなるなか中小型株に個人投資家の資金が集まった面はあるだろう。ジャスダックは「連騰や連敗がしやすいマーケット」とも言え、一方通行になりやすい面がある。東証マザーズには、そーせいグループ<4565>やミクシィ<2121>など時価総額が大きく全体を牽引する銘柄があるが、ジャスダックには、牽引役になるような銘柄は見つけにくい。それだけに、いまのジャスダック市場はひとつの銘柄が上昇すると飛び火するように他の銘柄も買われるような状態にあるのだろう。

 中小型株にはまだ上昇余地はあるとみている。ただ、東証1部が人気となれば、個人投資家の目先的な資金は、大型株に向かう可能性はある。気になるのは、普段はさほど流動性がないような銘柄が、業績への寄与度が不透明な材料で急伸したりしていることだ。中小型株は、流動性がなくなると売るに売れなくなることも起こり得ることには気をつけておいた方がいいと思う。
 
Q2 いまどんな中小型株に注目していますか?

藤井 医療関連ロボット関連のCYBERDYNE<7779>や人工知能関連のロゼッタ<6182>、デジタル教材関連のチエル<3933>などに注目している。時価総額はできれば100億円を超えている銘柄がいいと思う。

Q3 3月のIPOラッシュが来週から本格化します。今月22銘柄を数えるIPOはどう評価していますか

藤井 3月IPOは東証1部への直接上場が見込める大型企業から、特徴のあるベンチャー企業まで多様性がある。そのうち、24日に東証マザーズに上場する自社開発ERPパッケージソフトなどを手掛けるオロ<3983>、28日にジャスダックへ上場する音楽用電子機器の開発などを手掛けるズーム<6694>、それに30日に東証マザーズへ上場するビッグデータの解析・人工知能による情報提供サービスを行うユーザーローカル<3984>などに注目している。特に、ユーザーローカルは今月のIPOで一番の人気となる可能性があると思う。

 再上場の大型企業であるマクロミル<3978>、オークネット<3964>、スシローグローバルホールディングス<3563>は上値が重い展開となるかもしれない。話題のベンチャー企業では、糸井重里氏が社長で16日にジャスダックに上場するほぼ日<3560>は、手帳への依存度が高い点などは気になる。ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス<3561>が東証マザーズへ21日に上場するが、ラーメンは人気のある食べ物であるほか、市場からの調達金額も大きくないだけに注目を集めると思う。

(聞き手・岡里英幸)

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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