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【特集】神戸物産 Research Memo(5):今後も自己資本比率の改善を進める

神戸物産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■財務状況と経営指標

神戸物産<3038>の2016年10月末の総資産は前期末比842百万円減少の133,199百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産は主に現預金で5,380百万円増加し、売上債権が497百万円減少した。また、固定資産は福岡県のメガソーラー発電所の売却を主因として有形固定資産が3,987百万円減少したほか、投資その他の資産で1,100百万円の減少となった。

一方、負債は前期末比3,115百万円減少の110,569百万円となった。有利子負債が2,969百万円減少したことが主因となっている。また、純資産は前期末比2,273百万円増加の22,630百万円となった。期末に円高に進んだことで為替換算調整勘定で1,604百万円の減少要因となったが、当期純利益の計上により利益剰余金が3,514百万円増加した。

経営指標を見ると、有利子負債の削減が進んだことにより自己資本比率が前期の11.0%から12.4%に、有利子負債比率が61.7%から59.8%へそれぞれ改善した。同社では今後も自己資本比率を高め、財務体質の改善を進めていく方針となっている。資金需要としては、設備投資として生産子会社の設備機器の更新や工場の移転・改修費用などが増加するものの、メガソーラー発電の計画縮小により、同社計画ほどの大きな資金需要は発生しない。

収益性については、ROAが前期の7.0%から6.5%へと低下したものの、ROEは24.8%から29.1%に、売上高営業利益率も3.0%から4.9%にそれぞれ大きく上昇し、いずれも過去最高水準を更新している。製販一体の六次産業化を目指してきた成果が顕在化しているものと考えられる。今後も高い収益性を維持向上していくためには、魅力的な自社商品を継続的に開発し、同業他社との差別化を進めていくことがカギとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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