【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):USS、ストライク、新日鉄住金
USS <日足> 「株探」多機能チャートより
ユー・エス・エス<4732>が反発。大和証券は3日、同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は1750円から2150円に見直した。同証券では「これまで業績悪化の要因であった需給と供給の双方が改善に向かいつつある」と指摘。「17年3月期第4四半期には、取り扱い車両台数減の底打ちと値上げ効果で増益に転じ、来年度以降は継続的な増益基調が視野に入ってきた」とみている。
■ストライク <6196> 5,430円 +80 円 (+1.5%) 本日終値
3日、M&Aの仲介業務を主力とするストライク <6196> [東証M]が東京税理士協同組合と業務提携したと発表したことが買い材料視された。税理士協同組合に加入する組合員と準会員に向け、M&Aの仲介サービスおよびM&A付随業務のサービスを提供することについて相互に協力することで合意した。あわせて1月6日付で中国税理士協同組合と業務提携したと発表。これを受けて、M&A仲介の顧客基盤の拡大による業績への寄与に期待する買いが向かった。
■新日鐵住金 <5401> 2,895円 +34.5 円 (+1.2%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>など鉄鋼株に買いが集まった。市場では「トランプ米大統領の議会演説では、1兆ドルと唯一トランプ氏が金額に言及したインフラ投資拡大政策で、産業資材としての鉄需要喚起につながるとの思惑が出ている。また中国の公共投資拡大政策に対する期待も根強い。新日鉄住金は鋼材価格の引き上げ報道も利益採算改善をもたらすものとして、物色人気を促している」(国内準大手証券)と指摘される。
■シークス <7613> 4,425円 +40 円 (+0.9%) 本日終値
シークス<7613>が連日の昨年来高値更新。岩井コスモ証券が前週末3日付のリポートで、投資判断「A」を継続し、目標株価を4550円から5000円へ引き上げたことが好感されている。牽引役となる車載でADAS(先進運転支援システム)関連が成長期に入り、準ミリ波レーダーや各種カメラなどの需要拡大が期待されると指摘。また、車載に次ぐ柱とすべき産業機器では医療機器やバッテリー、交通インフラなど幅広い分野での需要の取り込みが具体化してきたことから、17年12月期営業利益予想は会社計画105億円を上回る115億円と最高益更新を見込んでいる。
■トーモク <3946> 349円 +3 円 (+0.9%) 本日終値
3日、トーモク <3946> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.33%にあたる370万株(金額で14億円)を上限に、6日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は3日終値の346円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。同時に30億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行すると発表したが、売り材料視されなかった。
■カッパ・クリエイト <7421> 1,300円 +9 円 (+0.7%) 本日終値
カッパ・クリエイト<7421>がしっかり。この日、android・iOSに対応した「かっぱ寿司アプリ」をリリースしたと発表しており、顧客の利便性向上による業績への寄与を期待した買いが入った。同アプリは、事前予約で店舗での待ち時間を短縮できる「店舗検索・予約システム」機能を搭載しているほか、「お持ち帰りWeb予約」「かっぱ寿司からのお知らせ」や、「お得なクーポン」「おすすめフェアメニュー」「アレルゲン情報」などの機能を利用できるアプリだという。
■デジタルアーツ <2326> 3,305円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
デジタルアーツ<2326>、トレンドマイクロ<4704>が買い優勢のほか、セグエグループ<3968>、セキュアヴェイル<3042>が大幅高、自治体向けにネットワークセキュリティーシステム納入が高水準に進捗しているジャパンシステム<9758>は3日連続のストップ高に買われるなど、サイバーセキュリティー関連株の物色人気が際立つ。IoT時代の本格到来で、パソコンだけでなく、一般家庭の電化製品やオフィス機器などもオンライン化されることに伴い、ウイルス感染による被害も鼠算的に拡大していく危険性をはらんでおり、サイバー犯罪への対処が官民を問わず喫緊の課題となっている。また、国家レベルでも昨年11月の米大統領選にロシアがサイバー攻撃を仕掛けたとされる問題が今なお大きく取り沙汰されており、世界的にも注目度が高い。安倍首相が日米首脳会談でトランプ米大統領に提案した経済協力の原案である「日米成長雇用イニシアチブ」でもサイバー攻撃への対処が盛り込まれたことは記憶に新しい。サイバーセキュリティーの世界市場は、昨年時点で9兆円を超える規模と推計される巨大市場であり、今後も年率2ケタに近いペースでの成長が続くとみられている。テーマ性が日増しに高まりをみせるなかで、関連銘柄の総花的な物色も勢いを増してきた。
■UACJ <5741> 288円 -29 円 (-9.2%) 本日終値 東証1部 下落率2位
3日、UACJ <5741> が4783万株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限717万株の第三者割当増資を実施すると発表したことが売り材料。新株発行が最大で発行済み株式数の12.8%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化を懸念する売りが向かった。発行価格は13日から16日までのいずれかの日に決定。最大で約160億円の調達資金については、コマーシャル・ペーパーの償還資金などに充てる。また劣後ローンにより400億円を調達。有利子負債返済などを含む設備資金に充てる。
■くらコーポレーション <2695> 4,510円 -195 円 (-4.1%) 本日終値 東証1部 下落率10位
くらコーポレーション<2695>が反落。前週末3日の取引終了後に発表した第1四半期(16年11月~17年1月)連結決算が、売上高301億9300万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は14億5600万円(同23.1%減)となり、2割を超える減益となったことが嫌気された。「胡麻香る担々麺」など新商品の投入や「妖怪ウォッチ」や「ワンピース」グッズが当たるキャンペーンなどが好評を博したことで売上高は伸長したものの、北陸や山陰地方における大雪の影響で既存店売上高が落ち込んだことに加えて、魚価上昇や人件費増などが利益を圧迫した。なお、純利益は為替差益が膨らんだことで13億1100万円(同1.6%増)と増益に転じた。なお、17年10月期通期業績予想は、売上高1190億500万円(前期比4.7%増)、営業利益65億5000万円(同0.3%増)、純利益45億2800万円(同2.2%増)の従来予想を据え置いている。
株探ニュース