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【特集】高橋春樹氏【視界不良の東京市場“勝利の戦略”を聞く】(3) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

―好対照の日米株式相場、3月期末接近でどう動く?―

 米国株市場では、前週末にNYダウが約30年ぶりとなる11日連続最高値更新と上昇基調を強めているが、週明けの東京株式市場はこの流れに乗り切れない。日経平均株価が一時1万9000円台を割り込むなど下値模索の展開にあり、視界不良の相場が続いている。3月期末を目前に地合いは改善するのか。全体相場の見通しと投資戦略について、先読みに定評のある市場関係者3人に意見を聞いた。

●「ドル建て日経平均株価の堅調さ注目」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 一本調子の上昇を続けているNYダウ平均株価や、頑強推移の欧州市場、アジアの新興国市場などと比較すると、日経平均株価はやや出遅れが目立ってきた。東京株式市場のなかでも2部指数、ジャスダック平均株価などは極めて力強い上昇軌道を描いている。東証1部銘柄については、3月期末を控えて機関投資家による利益確定の売りが出やすい時期に当たっている。3月に入るとこうした季節要因による売りは一巡する可能性がある。

 日経平均株価は年明け以降、ほぼ1万8800~1万9500円のボックス圏での推移となっている。一方、ドル建て日経平均株価は、着実に下値を切り上げるパターンで上昇を持続し、170ドル台に乗せてきている。ドル建て日経平均株価が堅調な推移をみせていることから、今後比較的近いタイミングで、海外投資家による日本株への積極買いが復活する可能性が高まっている。

 円安進行やさまざまなコスト削減努力などによる企業業績の向上に伴い、3月期末の日経平均株価の1株利益は1200円水準と見込まれる。来期は、少なくとも10%程度の増益が見込めると想定し、PER16倍まで買われると仮定すれば、日経平均株価は2万1000円台に上昇する可能性がある。

 現地28日のトランプ米大統領による上下両院合同本会議での演説というイベントが通過することで、相対的に出遅れ感のある日本株にとっては上値圧迫要因が取り払われて、買いが先行する流れとなりそうだ。3月入りと同時に期末の配当取りの動きも本格化してくることから、日経平均株価は1万9500円台回復から、さらに上を目指す展開が予想される。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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