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【特集】「なぜ今、注目すべきはマザーズ市場なのか?」国際金融コンサルタント・菅下清廣氏に聞く!<直撃Q&A>

菅下清廣氏(国際金融コンサルタント)
 最高値圏を走る米国株市場を横目に日本株は今一つ上値の重い展開にある。ひと頃のような外国人買いを原動力とした鮮烈な上昇トレンドは鳴りを潜め、昨年12月中旬以降、日経平均株価は1万9000円台半ばをボックス上限とするもみ合い局面に移行している。しかし、見逃してならないのは中小型株の物色人気は失われていないことだ。ここ一貫した上昇トレンドにあるマザーズ市場に注目すべき、と主張するのは国際金融コンサルタントで新興市場の銘柄にも詳しい菅下清廣氏。その根拠と投資のポイントを聞いた。

Q1 マザーズ市場に注目されている理由と今後の見通しについてお聞かせください

菅下 マザーズ市場は昨年11月9日に800ポイントを瞬間割り込んだが、そこを大底としてその後は一貫した戻り足に転じている。しかし、昨年来高値圏を走る東証2部指数や日経ジャスダック平均と比較してもらえれば一目瞭然、マザーズ指数はまだ昨年4月21日につけた1230.82ポイントを更新していない。つまり、昨年11月以降のトランプ相場に乗り切れていない市場ということがいえる。だが、昨年11月以降のIPO銘柄はその多くが大幅に水準を切り上げており、今年に入ってもIPO人気は継続しているといってよい。マザーズ上場のIPO銘柄が多いことを考えると、これはマザーズ市場の今後の水準訂正余地を暗示している。個人を中心とした投資マネーが、出遅れているマザーズ市場に大挙して押し寄せてくる公算が大きいとみている。この1230ポイントラインを上回ってくる日はそう遠くないだろう。

Q2 特に、菅下さんは直近IPO銘柄に対する独特の視点をお持ちです。直近IPO銘柄は個人投資家の土俵という感じもしますが、値動きが激しく躊躇する投資家も多いと思われます。アドバイスがあれば是非お願いします

菅下 今年はトランプ大統領の経済政策によって、世界的にインフレマインドが高まってくると予想している。個人投資家もデフレマインドから脱却して株式投資に一段と注力する動きが強まるだろう。そのなかで、オールドカンパニーを追うのではなくIPO銘柄の研究に力を入れていくことはとても大事なことだ。なぜなら、新しいサービスや技術、新しい発想、そしてニッチなマーケットを掘り起こし新たな需要を取り込んでいく企業は、株価もオールドカンパニーにはない大きな可能性を秘めているからだ。中期的にみても、IPO銘柄に対するマーケットの視線はさらに熱を帯び、2003年のマザーズ指数導入後に訪れたようなIPOブームが再来する可能性が高いと考えている。

 セカンダリー市場においては、投資する側も相応のノウハウを学ぶ必要がある。直近IPO銘柄の株価の値動きにはスピード感がある。したがって、IPO銘柄のファンダメンタルズやビジネスモデルだけでなく、上場後の株価の値動きも研究するとよい。一定のサイクルやパターンがあるので、努力すれば誰でもチャンスをつかむことができる。例えば公開価格を大きく上回って初値をつけるような銘柄は基本的に成長期待が強い。したがって上場直後に株価が人気先行で上昇しているときに、やみくもに高値を追わず、いったん沈静化して調整後に再浮上した時を狙うというような工夫が求められる。

Q3 マザーズに上場した直近IPO銘柄で、菅下さんが具体的に注目しているのはどういった企業でしょうか?

菅下 昨年11~12月に上場した銘柄に強いものが目立つ。業態も非常にユニークで魅力があり、将来的に高い成長期待を背負っている銘柄群である。まず、フィル・カンパニー<3267>は駐車場の上部空間を開発、いわゆる空中店舗の企画・設計・構築を行う企業で、投資マネーの琴線に触れ、株価の居どころを変えている。また、エルテス<3967>はSNS上でのネット炎上や風評被害の対策を行うという時流に乗った企業で、人気化した。

 WASHハウス<6537>は九州を地盤にコインランドリーをチェーン展開し、飛ぶ鳥を落とす勢いで店舗を増やしている。大都市への出店加速でここからの成長スピードが見ものだ。リネットジャパングループ<3556>はネットを活用した中古品買い取り・販売や家電リサイクルを展開、希少金属の回収も手掛け、面白いのは同社が2020年の東京五輪のメダルを都市鉱山から作るプロジェクトの協力会社3社の1社であること。最後にグレイステクノロジー<6541>も注目している。産業機械などのマニュアル作成や電子化支援ビジネスを展開しているが、初値形成後はいったん下押したものの、その後は言うに及ばず鋭く切り返している。

 以上の5銘柄は高値圏を走っている銘柄も多く、押し目を待つか、モメンタム投資ならば機動的な売り買いを心掛ける必要があるが、いずれも中長期的視野に立った場合には、株価はさらに大きく変貌する可能性があると考えている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(すがした・きよひろ)
国際金融コンサルタント、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役社長、立命館アジア太平洋大学学長顧問。経験と人脈を知識に裏打ちされた首尾一貫とした主張にファンも多く、政財界はじめ多くの信奉者を持っている。著書に、ベストセラーとなっている「今こそ『お金』の教養を身につけなさい」(PHP研究所)、「資産はこの黄金株で殖やしなさい!」シリーズ、「株とチャートでお金持ちになる!」近著に「おとぎ話でわかる戦後日本経済史」(キノブックス)など多数。最新刊「第4次産業革命で一人勝ちする日本株」(実務教育出版)を昨年12月から全国で発売中。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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