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【市況】米国株式市場見通し:多数の小売決算が発表予定


来週の米国市場は20日(月)がプレジデンツ・デーの祝日で米国株式相場は休場となる。先週はイエレンFRB議長の議会証言を受けて、年内の追加利上げペースが早まるとの見方が広がり、FF金利の先物取引から算出される年内の利上げ確率は、3月まで34%、5月は56%、6月は73%(17日時点)に上昇した。イエレン議長は利上げを先送りするのは賢明でないとの認識を示しながら、利上げ時期について明言を避けたが、新政権下での金融政策の内容や法案審議のスケジュールが明らかになるかが今後の焦点となる。今週もトランプ大統領が数週間以内に発表するとした減税策に対する期待から、株式相場は堅調に推移することが予想される。

来週は小売各社の11-1月期決算が多数予定されている。主な決算には、ホームセンターのホーム・デポ(21日)、小売最大手のウォルマート(21日)、百貨店のメーシーズ(21日)、ノードストローム(23日)、コールズ(23日)、JCペニー(24日)、アパレルのギャップ(23日)などが予定されている。年末商戦での売上不振に加えて、複数のアナリストが業績見通しや投資判断を引き下げており、小売決算には警戒感が広がっている。また、バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイはウォルマートの持ち株を昨年10-12月期に全て売却していたことが明らかとなった。アマゾンなどオンライン小売業者の台頭を受けて、従来の店舗型小売店の苦戦が続くとの見方が多い。一方で、メーシーズ(M)はカナダの小売会社ハドソンズ・ベイとの買収協議が報じられており、追加情報に注目が集まる。

その他では、鉱山会社のニューモント・マイニング(21日)、衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(22日)、PCメーカーのHPインク(22日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(22日)、フィットネス関連機器のフィットビット(22日)、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(23日)などの決算発表が予定されている。テスラ・モーターズは、普及価格帯の新型車「モデル3」の生産開始や追加情報への期待感に加え、イーロン・マスクCEOがトランプ政権のアドバイザーを務めていることもあり、株価が大きく上昇している。しかしながら、太陽光パネルのソーラーシティ買収後初めての決算となる為、キャッシュフローの観点から「モデル3」の量産体制整備に向け資金調達が必要かどうかが注目されるだろう。

経済指標では2月マークイット米国製造業景況指数(21日)、1月中古住宅販売件数(22日)、12月FHFA住宅価格指数(23日)、1月新築住宅販売件数(24日)などの発表が予定されている。また、22日には1月31-2月1日開催分のFOMC (連邦公開市場委員会) 議事録が公開される。米経済の拡大が示されたほか、消費者や企業の景況感の改善が指摘されたが、金利引き上げ見通しについて言及されなかったが、年内の利上げペースについてどのような議論が行われたのか注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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