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【市況】新興市場見通し:中小型株堅調で好業績株やテーマ株に注目、3月はIPOラッシュ

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、日経平均が節目の19500円を前に足踏みとなるなか、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに堅調ぶりが目立った。円安一服などから主力大型株は手掛かり材料に乏しく、中小型株物色の流れが続いた。決算発表を通過して値を崩す銘柄も見られたが、好業績株やテーマ株の一角が買われた。マザーズ売買代金は足元で1000億円を超える日が続いている。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.7%であったのに対して、マザーズ指数は+2.1%、日経ジャスダック平均は+1.2%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で3.1%安となる一方、そーせいグループ<4565>が同6.5%高、サイバーダイン<7779>が同6.5%高となった。そーせいグループは今期営業利益見通しを下方修正していったん売られたが、その後持ち直した。売買代金上位では、空中結像技術に関するリリースを受けてアスカネット<2438>が急伸し、アカツキ<3932>やエルテス<3967>も大きく買われた。また、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>が週間のマザーズ上昇率トップだった。反面、マイネット<3928>やエボラブルアジア<6191>が決算発表後、利益確定売りに押され、リネットジャパングループ<3556>が下落率トップとなった。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同8.2%高とリバウンドを見せ、日本マクドナルドHD<2702>も同4.2%高と堅調だったが、クルーズ<2138>は決算を受けて同8.6%安となった。売買代金上位では、アエリア<3758>が信用規制強化も重しとなって売られる一方、U-NEXT<9418>と経営統合するUSEN<4842>や直近IPO銘柄の安江工務店<1439>などが大きく買われた。また、野村マイクロ・サイエンス<6254>やミズホメディー<4595>が週間のジャスダック上昇率上位だった。IPOでは、2月16日に日宣<6543>が新規上場し、公開価格を9割近く上回る強い初値形成となった。

今週の新興市場では、引き続きマザーズ指数や日経ジャスダック平均は堅調に推移しそうだ。利益確定売りをこなしながら緩やかな上昇を続けており、個人投資家の需給は良好とみられる。値動きの軽い中小型株に対する個人投資家の物色意欲がなお強いことも窺える。

決算発表が一巡し、アカツキなどの好業績株に積極的な買いが向かっている。先週は1月に決算発表したGunosy<6047>で一部証券会社による新規高評価が観測されたが、10-12月期決算が市場予想を上回る良好な内容だった銘柄でも、今後評価引き上げの動きが期待されよう。また、農業総合研究所<3541>が直近で上場来高値を更新するなど、テーマ株にも物色が向かいつつある。

IPO関連では、2月23日にフュージョン<3977>が札証アンビシャスへ、レノバ<9519>とユナイテッド&コレクティブ<3557>がマザーズへ新規上場する。同時上場による資金分散が懸念されるものの、いずれも投資家の関心は高いようだ。なお、先週は10社の新規上場が発表されており、3月はIPOラッシュの様相を呈しつつある。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営するほぼ日<3560>(3月16日、ジャスダック)や、ラーメン店「一風堂」を展開する力の源HD<3561>(3月21日、マザーズ)など、注目度の高い案件も散見される。

《FA》

 提供:フィスコ

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