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【市況】S&P500 月例レポート ― 空前のトランプ政治ショーと続く楽観 (3) ―

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

※(2)から続き。

●投資家が押さえておくべきポイント(1)

【1月の概況】

 2017年1月のS&P500指数は1.79%上昇し(2016年1月は5.07%の下落)、1年間では17.45%上昇しました。1月中にS&P500指数は3度にわたり終値としての史上最高値を更新しました。NYダウも2万ドルの大台を(終値としても)突破しました。

 グローバル市場は大統領選挙後の米国市場のラリーに対する出遅れを取り戻しました。

 交渉か、それともつぶやくか / トランプ大統領のご加護がありますように / トランプ大統領、私をこれまでと全く異なる世界へ連れてって / 結局は「トランプ・ワールド」なのか?

1月の重要ポイント:トランプ大統領、私をこれまでと全く異なる世界へ連れてって

==> 株式市場は上昇

○米国を除くグローバル市場は、大統領選挙後の米国市場のラリーに対する出遅れを取り戻し、2.67%上昇しました。
  *新興国市場は5.10%上昇しましたが、選挙後の上昇は0.77%
  *先進国市場は2.42%上昇しましたが、米国市場を除外すると3.57%の上昇。また、選挙後は5.72%上昇しましたが、米国市場を除外すると3.94%の上昇
  *S&P500指数の1月のリターンは例年を下回る1.79%の上昇となりましたが、選挙後は6.51%の上昇

○S&P500指数は史上最高値を3度更新し、NYダウは2万ドルの大台を(終値としても)突破しました。
  *規制緩和の動きが好感され、VIX指数は10年ぶりの低水準となりました。
  *ただし、インフレ上昇と利上げが予想されます。

○消費者がツケを支払わされる可能性もあります。

==> トランプ大統領:偉大な交渉人か、それとも…

○企業は雇用計画と投資案件を手土産に交渉のテーブルに着いていますが、
  *何らかの見返りを期待しています。

○メキシコ大統領との公開ツイート合戦から交渉のお膳立てが整いました:正式な協議となるか、それとも非公式の話し合いとなるか

==> トランプ大統領、大統領令に次々に署名

○トランプ大統領は矢継ぎ早に一部の選挙公約の実行に着手しています。国家は分断状態のままで、抗議運動も続いています。月末には最高裁判事の任命で政治的対立を招きました。

○大統領令は手始めに経済と安全保障に照準を合わせています。
  *エネルギー関連プロジェクトの認可、規制変更、雇用創出
  *移民の問題、国境の壁建設

==> 最高値更新

○S&P500指数は終値としての史上最高値を3度更新し、2,298.37を記録しました。取引時間中に2,300.99を付ける場面があったものの、その水準を維持することはできませんでした。

NYダウも終値としての史上最高値を更新し、2万ドルの大台を突破しました(しかし、月末終値は大台割れとなりました)。

○VIX指数は10年ぶりの低水準? 恐怖感が全くないことが逆に懸念されます。

==> 2017年1月のパフォーマンス

○S&P500指数は2016年12月の2,238.83から1.79%上昇し2,278.87で取引を終えました。2016年11月8日の終値2,139.56からの上昇率は6.61%でした。NYダウは昨年12月の19,762.60から0.51%上昇し、19,864.09で取引を終えました。また、月中に初めて終値で2万ドル台を超えました。

○原油価格は昨年12月の53.89ドルから2.0%下落し、52.80ドルで取引を終えました(2015年末の37.06ドルから42.5%上昇)

○米国10年国債利回りは昨年12月の2.45%から2.46%に上昇して取引を終えました(2015年末は2.27%)。

○金価格は昨年12月の1,152.00ドルから5.2%上昇して1,212.40ドルとなりましたが、2015年末の1,060.50を14.3%上回っています。

○英ポンドは対ドルで昨年12月の1.2345ドルから1.2576ドルに上昇し(2015年12月は1.4776ドル)、ユーロは対ドルで1.0520から1.0796に上昇し(同1.0861ドル)、円は対ドルで117.00円から112.68円に上昇しました(同120.66円)。

○VIX恐怖指数は昨年12月の14.04から11.99に下落して10年ぶりの低水準で取引を終えました(2015年末は18.21)。

※「空前のトランプ政治ショーと続く楽観 (4)」に続く。

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