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【特集】「iPhone8、劇的進化でアップルの“魔法”再び?」ケータイWatch・湯野編集長に聞く!<直撃Q&A>

湯野康隆氏(ケータイWatch編集長)
 米アップルのiPhoneが登場して今年で10年。世界の携帯電話市場を一変させたiPhoneの人気は続き、1月31日に発表された米アップルの10~12月期決算も好調だった。今年はiPhoneの新機種「8」が登場するとも予想されている。この新機種のディスプレーには有機ELが採用されるとの見方に加え、顔認証の採用やホームボタンの廃止、ワイヤレス充電など従来モデルから大幅なモデルチェンジが実施されるとの観測が飛び交っている。iPhone次期モデルについて、インプレスホールディングス<9479>傘下で携帯電話業界専門ニュースサイトを運営する「ケータイWatch」の湯野康隆編集長に聞いた。

Q1 31日に発表された米アップルの決算をどうみますか?

湯野 四半期ベースでは過去最高の売上高となり好調だった。地域的には日本が前年比20%増と伸びが大きかったほか、米国や欧州も堅調で中国を除き売り上げを伸ばした。高価格機種であるiPhone7プラスの販売が日本で好調だったことなどが寄与したようだ。ただ、この期は韓国サムスンのスマホが「ギャラクシーノート7」の発火問題で不振だった。それだけに、これからライバルのサムスンの販売が戻ってきた時にアップルが好調を維持できるかが焦点になると思う。

Q2 次機種「iPhone8」は有機EL搭載を含め大幅刷新されるとの観測も出ているようですね

湯野 iPhone6以降、外観面などでは大きく代わり映えがしない状態が続いた。それだけに、このままではさすがに消費者に飽きられてしまうという懸念はあるだろう。そのなか、例年通りなら今年の9月に発表されるiPhone8は大きくモデルチェンジされるとの観測が飛び交っている。セキュリティー面では「顔認証」を取り入れたり、「ワイヤレス充電」を採用したりするとの見方や、有機ELを採用し全面ディスプレー化し、いまは画面の下にあるホームボタンをなくすとの噂もある。ホームボタンはディスプレーのなかで再現するともみられている。

Q3 予想通り大幅刷新されたiPhone8が登場した場合、大ヒットは期待できますか?

湯野 有機ELが採用された場合、省電力化への寄与が見込めるが、液晶に比べて劇的に画面がきれいになるわけではない。顔認証を採用した場合、指紋などに比べてスムーズな認証が見込め快適性での優位性はあるが、本当にセキュリティー面を考慮するなら瞳を活用した虹彩認証なども取り入れた方が良いかもしれない。ホームボタンを無くした場合、外観は変わるが、それがスマホユーザーの買い替えを本当に促すかは分からない。高機能化はいいが、そのiPhone8の値段がいくらになるかが重要だと思う。いずれにせよ、今後iPhone8に絡んでどんな情報が出てくるかは注目されるだろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ゆの・やすたか)
1974年富山県生まれ。95年インプレスに学生アルバイトとして入社。日本初のメール新聞「INTERNET Watch」の創刊に立ち会い、そのまま編集部員となる。2000年に「ケータイWatch」創刊。08年より同編集長。新端末や新サービスなど携帯電話市場の最新動向を日々紹介している。趣味はレーシングカート。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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