【特集】「日本初の本格的ESG日本株ファンドの内容とは?(2)」CAM・フランクリン クスマン氏に聞く!<直撃Q&A>
フランクリン クスマン氏(キャピタル アセットマネジメント)
Q4 「E」、「S」、「G」の3要素が揃った総合評価の特長をお願いします
クスマン ESGに優れた企業は、さまざまなステークホルダー(顧客・従業員・地域社会・株主)を意識した企業価値増大に向けた多面的・総合的な取り組みを行うため、中・長期的な投資リターンが期待できます。1999年以降、環境保護・リサイクルなどエコロジー環境対応(E)への関心が高まり、05年ころからは地域社会への貢献や、女性活躍推進などの企業の社会的責任(S)の重要性が認識されはじめ、15年からは、株主やステークホルダーのために企業価値向上が求められるコーポレート・ガバナンス・コード(G)がスタートしたことで、3つの要素が揃いました。
それまでにも、例えば環境対応の視点から判断して、大気汚染対策が不十分な企業を“ネガティブスクリーニング”で投資対象から外すチェックポイントはありました。また、逆に大気汚染対策、水資源保護、再生可能エネルギー推進など環境配慮に積極的な企業をポジティブに評価する“エコファンド”も数多く設定されました。また、10年ほど前に社会的責任が注目され、何らかの不祥事が起きてネガティブに投資対象から除外するケースや、積極的に推進している企業に投資する“社会的責任ファンド”も誕生しました。しかし、これらは結局偏った評価になりがちで、そうしたファンドの株価面でのパフォーマンスが必ずしも満足のいく結果とはならず、伸び悩み状態が続きました。そこに、アベノミクス第三の矢である日本企業の「稼ぐ力」における改革を契機に、株主やステークホルダーを意識した企業価値の向上が求められる“企業統治”に関心が高まり、3つの観点がそろって総合的な評価が可能になったわけです。
Q5 なぜ、ESG投資が画期的なのか、そのポイントはなんですか?
クスマン 例えば財務面でROE(株主資本利益率)や、売上高、利益が高いから良いなど、アナリストは財務分析の結果で銘柄推奨をしますが、そうしたものと株価推移の相関性が低下し、説得力が薄れてきました。そこで、非財務的要素の重要性が注目されてきたわけです。従来はバランスシートとか、企業の収益性、成長性を評価する財務情報に基づくオーソドックスな銘柄投資が主流でした。その財務情報と非財務情報の両方を合わせて投資しましょうということで育ってきたのが“インテグレーション(統合)”というアプローチです。従来は、ネガティブスクリーニングで投資対象を除外し、第2段階としてポジティブなものだけを集めて投資していたものが、今回初めて従来の財務情報を加味しながら非財務情報のESGも合わせ総合的に判断し、企業に投資するのがポイントです。こうした、総合評価で分析・評価した銘柄選択に基づいて、他社に先駆けて運用を開始するのが当社の「CAM ESG 日本株ファンド」です。
※(3)に続く。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
最終更新日:2017年01月19日 18時11分