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【特集】「日本初の本格的ESG日本株ファンドの内容とは?(1)」CAM・フランクリン クスマン氏に聞く!<直撃Q&A>

フランクリン クスマン氏(キャピタル アセットマネジメント)
 企業が持続的に成長し、企業価値を高めるための重要な要素としてESGへの積極的な取り組みが不可欠となってきた。企業価値の評価が従来の財務情報だけでは不十分となるなかで、ESGに代表される非財務情報を加えて総合的に判断する運用姿勢に関心が急速に高まっている。そこで、キャピタル アセットマネジメント(CAM)が設定・運用する日本初の本格的ESG日本株ファンド「CAM ESG 日本株ファンド」の運用プロセス・ポートフォリオ管理担当者のフランクリン クスマン氏にその内容などを聞いた。

Q1 「ESG」投資の概要について教えてください?

クスマン ESG投資は、将来の企業価値と関連性の高い「環境対応(E)」、「社会責任(S)」、「企業統治(G)」に対する経営的取り組みを評価・分析することで銘柄選択し投資するものです。具体的には、環境対応として、製品や生産プロセスの環境への負荷度合、水資源保護など。社会責任としては、地域社会貢献、女性活躍推進、労働環境改善、サプライチェーンのリスク管理など。企業統治では、取締役会の構成、取引の透明性、汚職防止、株主権利の確保などを評価項目としています。

Q2 GPIFがESG指数を選定し、投資をスタートするそうですが?

クスマン 2005年に世界で主要な21の機関投資家が、当時のアナン国連事務総長の呼びかけに対して、世界の持続可能な発展のために、投資判断に環境・社会・ガバナンスを視点とする原則を公表しました。翌06年に国連責任投資原則(UN-PRI)が発足し、長期的な投資収益リスク低減のためにESGが投資プロセスに反映されました。その後、欧州の機関投資家を中心にESG投資が急速に普及し、14年には1251機関がPRIに署名しました。そして、15年には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名し、昨年7月からESGに関するプロジェクトを立ち上げ、今年3月をメドにESGを取り入れた日本株指数を選定、夏ごろまでにはこれを反映したESG銘柄投資をスタートすることになりそうです。

Q3 ESG投資に対する海外の動向はいかがですか?

クスマン 海外では欧州が最も進んでいます。既に、欧州では広い意味でのESGに関連した運用額は総資産額の内50%以上に達しています。欧州では環境改善などへの意識も高いことから、短期の企業収益にフォーカスする財務分析だけでなく、社会の持続成長のためにESG的な要素を取り入れた運用対象でないと採用されないという現実があります。日本では、1999年に環境対応企業に投資するエコファンドがスタートし、さらに05年ころからSRI(社会的責任投資)ファンドが加わったものの、そこから広がりはみせていません。G(企業統治)を加味して日本株を100%投資対象とした本格的なESG投資信託は、今回当社が運用をスタートする「CAM ESG 日本株ファンド」が日本初で、公募投信の第1号となります。

※(2)に続く。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

最終更新日:2017年01月19日 18時07分

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