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【特集】RIZAPーG Research Memo(1):RIZAPの質的進化が順調に進捗中。先行投資を拡大へ


RIZAPグループ<2928>(旧社名・健康コーポレーション)は通販事業からスタートし、「健康」を切り口にM&Aを積極的に活用しながら事業領域と業容を拡大させてきた。グループの事業ドメインを『自己投資産業』とし、美容・健康関連、アパレル関連、住関連ライフスタイル、エンターテイメントの4事業を展開している。

2017年3月期第2四半期決算は売上収益41,507百万円(前年同期比61.6%増)、営業利益6,393百万円(同325.5%増)と大幅増収増益で着地した。RIZAP事業を中核とする美容・健康関連セグメントをはじめ、全事業セグメントで前年同期比営業増益を達成した。

主力のRIZAP事業では、かねてより同社が進めているビジネスモデルの変革が着実に進捗している。ビジネスモデルの変革のポイントは、集客における広告依存度の低下と、収入構成におけるストック型収入の増大だ。この2つは密接につながっており、両者に共通する重要な尺度が顧客満足度(CS)だ。2017年3月期第2四半期においては、NPSスコアが 半年前から大きく上昇し、ビジネスモデルの変革を後押しした。

今第2四半期のもう1つの進捗は、シニア層の取り込みだ。今第2四半期はシニア層に向けたテスト・マーケティングを本格化させ、広告の費用対効果の検証を重ねた。その効果は早くも表れており、今第2四半期の新規入会者における50代以上の割合が19%に上昇した。前年同期は14%だった。今下期以降は、シニア層の取り込みに向けてマーケティング活動を加速させる計画だ。

新規事業においてはRIZAP GOLFとRIZAP ENGLISHで強い手応えを得ており、2017年3月期下期に事業モデルをブラッシュアップし、2018年3月期から出店を本格化させる計画だ。またオンラインサービスやRIZAP関連本の出版、高機能ウェアなどにも注力する意向で、これらは商品・サービスそれ自体が収益事業であることに加え、その購入をきっかけに入会へとつなげる、新たな集客ルートとしての役割も期待されている。

2017年3月期第2四半期の順調な進捗により、2017年3月期の通期業績にはほぼ目途が立ったといえる。今下期は来期以降を見据えた投資と体質強化の時期とするというのが基本方針のようだ。具体的には、新規事業などに対する広告宣伝費の積極投下や、各グループ会社の商品・サービスの競争力の向上、さらには一段のサービス向上を実現するためのIT投資の拡充などだ。地道な努力の進捗を見守りたい。

■Check Point
・第2四半期は大幅増収増益で着地、各利益は修正予想を大幅に上回る
・ストック型収入の増大や広告に頼らない集客への構造転換が順調に進展
・RIZAPブランドを活用した事業提携による新商品・新サービスが拡大

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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