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【特集】清水洋介氏【2万円目前、年末「東京株式市場」の行方は】(2) <相場観特集>

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

―強調地合い変化なし、見えてきた2017年相場の形―

 週明け19日の東京株式市場は利益確定売りに押されたものの、下げ幅はわずかにとどまった。前週末まで9日続伸し騰落レシオも160%近辺と記録的な過熱領域にあるが、強調地合いに大きな変化はみられない。押し目らしい押し目を形成することなく上げ続ける“売り方泣かせ”のトランプ相場は、2017年も継続するのだろうか。第一線で活躍する市場関係者に意見を聞いた。

●「2万円届かず当面、調整局面入りも」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 日経平均株価は急ピッチの上昇を演じてきたが、当面のところは、だいぶいい水準まで買われた気がする。ここから一段の円安が進めば輸出関連株が買えるし、さらに原油高が進めばエネルギー関連株などが買えるだろう。しかし、当面は一段の為替の円安や原油価格の上昇は、さほど見込めないと思う。騰落レシオも依然高水準にとどまったままだ。

 こうしたなか、年末年始を挟んだ今後1ヵ月程度の日経平均は1万8500~1万9500円を想定している。しばらくは、調整局面入りで、日経平均も2万円に到達しない可能性をみている。次のポイントは、新年1月20日に就任する米トランプ次期大統領の政策などに左右されることになるだろう。

 ただし、上値追いは厳しいが、下値も限定的だとみている。足もとで株不足銘柄は1000銘柄を超えてきており、空売りは膨らんでいるだけに一定水準まで下落すれば売り方の買い戻しも流入するだろう。

 為替は1ドル=115円00~118円50銭を予想する。当面は、急激な円安の調整局面となりそうだ。

 個別銘柄やセクターに関しては、だいぶ買い進まれてしまい、買える銘柄が見当たらなくなっているというのが正直な感想だ。こうしたなか、出遅れ感がある銘柄としてアサヒグループホールディングス <2502> や山崎製パン <2212> といった食品株などに注目している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や・雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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