市場ニュース

戻る

【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 相場の神様の裁量次第

株式評論家 植木靖男

「相場の神様の裁量次第」

●日銀が絶妙の買い、株価上昇の功労者に

 日本列島を寒波が覆う。寒い。一方、株式市場は暖かい。だが熱くはない。

 確かに、ここ9連騰と、15年5月から6月にかけて12連騰したとき以来だ。しかし、売りを吸収しながらの上昇であり、過熱感は感じられない。ときに崩れかかるくらいだ。もっとも、その度に新規の売りを誘う。

 そこで日銀が買う。12月に入って2日、5日と下落した時点で買い、株価は首の皮一枚で残り、立ち直っている。その後は日銀は鳴りをひそめていたが、ここ13日、14日と再び買いを入れている。下支えというより株価を騰げようとしているフシさえうかがわれる。

 それにしても危ないと感じたときに絶妙なタイミングで買ってくる。いつから日銀はこんなに相場上手になったのか。今日の株価上昇の功労者は日銀といっても過言ではないようだ。

 ところで、注目すべきは信用売り残だ。目下、9700億円強と7年半ぶりの高水準という。

 当初、米大統領選でトランプ氏勝利と伝えられたとき日経平均株価は1000円安をみせた。どうもこの下落がその後の信用売り残増加の根源となっているようだ。

 熱い、つまり値幅の大きい騰げをみせれば、売り方は思い切って踏んでくる。だが、まさに生暖かい上昇では踏むきっかけがつかめず、ずるずると売り玉を建てたまま放置する傾向がある。

 ときには、売り建玉が利食いにならず、意地になって、いわゆる悋気(りんき)売りさえしてしまう。売り方が地獄を見る構図である。

●2万円処の壁が立ちふさがるか?

 さて、こうしたジリジリと上値を追う相場はいつまで続くのであろうか。

 過去のケースでは、上昇を始めて6ヵ月~8ヵ月が多い。今回は6月1万5000円割れが起点となっているところから、この12月ないし明年2月ということか。市場では、この観点から明年2月に2万円という見通しがあるようだ。

 もっとも、経験則からすれば確率はこの12月でいったん止まるとみている。

 きっかけは明年以降、上昇ピッチが早まるとの金利見通し、新興国の通貨安と資金流出、あるいは欧州の金融危機再燃などいくらもある。要は米国株価の上昇が自律的に反落することであろう。

 むしろ、天井圏ではあまり材料など考えない方がよさそうだ。相場の神様の裁量次第だ。

 たぶん、このときは円安に大きくフレても株価は大した反応をみせないはず。

 ともあれ、時間軸では、いつ高値をつけてもおかしくないが、水準として1万9500~2万円の壁が立ちふさがるか。

2016年12月16日 記

株探ニュース

日経平均