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【特集】檜和田浩昭氏【2万円目前、年末「東京株式市場」の行方は】(3) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

―強調地合い変化なし、見えてきた2017年相場の形―

 週明け19日の東京株式市場は利益確定売りに押されたものの、下げ幅はわずかにとどまった。前週末まで9日続伸し騰落レシオも160%近辺と記録的な過熱領域にあるが、強調地合いに大きな変化はみられない。押し目らしい押し目を形成することなく上げ続ける“売り方泣かせ”のトランプ相場は、2017年も継続するのだろうか。第一線で活躍する市場関係者に意見を聞いた。

●「大幅な円安進行が第3四半期累計(4-12月)決算で顕在化」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 週明けのきょうは、日経平均株価が10営業日ぶりに反落したものの、その下落幅は極めて小幅にとどまっており、逆に地合いの底堅さを感じさせる推移となった。今後年末に掛けては、海外投資家のクリスマス休暇入りなどで市場参加者の減少が予想されるものの、国内個人投資家の頑張りもあって堅調な推移となりそうだ。年内での日経平均2万円大台乗せの可能性も十分あり、少なくとも年明けの早い時期にはクリアできそうだ。

 日銀が14日に発表した12月調査分の企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、大企業・製造業の16年度為替前提は1ドル=104円90銭(上期106円52銭、下期103円36銭)で、9月調査から円高方向に約3円シフトした。一方、足もとの円相場は1ドル=117円台へと、急速に大幅な円安・ドル高が進行している。

 来年になると、株式市場では来期の18年3月期の企業業績の織り込みが本格化してくる。企業の想定に比べて10円以上の円安・ドル高状態が持続すれば、輸出企業にとっての採算改善の追い風は顕著なものとなる。1月半ばを過ぎると、3月期決算企業の第3四半期累計(4-12月)の決算発表がスタートし、自動車、電機、機械といった輸出関連業種の主力企業にプラス面の材料が顕在化することになりそうだ。

 外国人投資家は、今年1月から9月に掛けて大幅に売り越して日本株の保有比率を極端に低下させていただけに、11月以降買い越しに転じたと言っても、まだ初動段階で今後も継続買いの可能性が濃厚だ。国内投資家も、機関投資家、個人投資家共に本格的に買い参加している状況にはない。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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