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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ トランプ版「ニューディール政策」が始動へ!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「トランプ版「ニューディール政策」が始動へ!」

●トランプ氏が抱く尋常ならざる危機感

 日経平均株価が下げそうで下げない。実にありがたい状況が訪れていて、2万円の大台がすぐ目の前となっている。やや楽観的に見るなら、年内の大台乗せ実現の確率が高くなっている。

 もちろん、そこが上限であってはならない。昨年6月につけた2万0952円の高値をクリアするのはもちろん、さらなる高値へと進んでもらわねばならない。

 この点、どうなのか。トランプノミクス次第になる。それが単なるアドバルーンに終わるなら、2万1000円とか2万3000円などへの上昇はあり得なくなる。

 しかし、トランプ次期大統領が狙っているのは、トランプ版の「ニューディール政策」だ。同政策は1933年、時の大統領フランクリン・ルーズヴェルト大統領が世界恐慌からの脱却をめざして行った経済政策である。

 ニューディール(New Deal)とは「新規巻き直し」という意味。米国経済の現状は良好なため、一般的な見方からは「新規巻き直し」が必要な状況ではない。だが、トランプ次期大統領が抱く自国インフラの疲弊、強大化する中国に対する危機感は尋常ではないことを考えると、トランプ版ニューディール政策の実施は十分あり得ると見てよい。

 それには当然、大型の財政出動が必要になるが、それができるだろうか。FRBのイエレン議長は、14日のFOMC後の記者会見で何を思ってか、「現時点では完全雇用を達成するために財政支出を拡大する必要はない」と見解を述べた。金融政策頼りでは経済の発展は困難であり、財政出動が必要との主張をしていたのは現オバマ政権だ。

 それに対してイエレン議長もこれまでは賛同の姿勢を示していた。ところが、今回は明らかに財政出動への懸念を表明したのだ。

●トランプ・ラリーはなお続く!

 これはトランプ政権が行きすぎかねないと懸念したものと解釈でき、実際、今後トランプ政権とFRBの対立要因になりかねない。

 しかし、トランプ氏はたとえイエレン議長が財政出動に反対の意志を表明したとしても、それを無視するだろう。新大統領が抱く米国の将来に対する尋常ならざる危機感からすれば、議長の懸念など微々たるものにしか思えないだろうからだ。

 このような状況を考えると、なおトランプ・ラリーは続く可能性が高く、2017年も投資資金を増やせると見てよく、引き続き上昇トレンド銘柄の浅押しを見逃さないようにしたい。

 そこで、注目はまずは日東電工 <6988> だ。液晶用光学フィルムに強いだけでなく、最近では核酸医薬の受託合成に展開、収益を伸ばし続けているのは魅力的だ。

 医薬品情報サイト「MR君」の運営が、国内だけでなく米国をはじめ、海外で拡大を続けているのに、株価の調整が続くエムスリー <2413> もそろそろ反発に転じてもよい。

 樹脂ポバールで世界首位のクラレ <3405> も、値動きは緩やかながらなお続伸力を維持し続ける可能性が高い銘柄の一つと見る。

 就業時間管理システムに強いアマノ <6436> も押し目はしっかり狙いたい。

 新興銘柄ではデータ分析やアプリ収益化支援、さらにはEC業者向けネット決済を主業務としているメタップス <6172> [東証M]が魅力的だ。

2016年12月16日 記

株探ニュース

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