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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後の銀行の戻り鈍く、様子見姿勢に

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・売り一巡後の銀行の戻り鈍く、様子見姿勢に
・ドル・円は113円57銭付近、ドル・円は伸び悩み、根強い警戒感で
・大林組、清水建設など3社のレーティング格下げ


■売り一巡後の銀行の戻り鈍く、様子見姿勢に


日経平均は続落。117.01円安の18309.07円(出来高概算10億5000万株)で前場の取引を終えている。イタリアの国民投票は、大差で否決が確実となった。政治不安への警戒から利食い優勢の展開となり、日経平均はその後18300円を下回る場面を見せている。ただし、出口調査で「否決優勢」と伝えられたのが日本時間の午前7時であり、為替市場では大きくユーロが売られる場面もみられたが、その後状況が伝えられる中で、市場は落ち着きをみせていた。株式市場も売りが先行したが、その後は18300円を挟んでのこう着が続いている。

セクターでは銀行、空運、不動産、建設、サービス、鉱業、その他金融が軟調。一方で水産農林、海運、石油石炭、卸売が小じっかり。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が全体の7割近くを占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数はいずれも下げているが、相対的に大型株指数の底堅さが意識される。

日経平均は5日線を下回って始まったが、底堅さが意識されている。イタリアの国民投票
の結果を受けて売り仕掛けの動きが意識されていたが、取引開始までに詳細が判明していたこともあり、ショック的な動きにはならなかった。ただし、週明けの欧米市場の反応を見極めたいとする模様眺めムードが強く、引き続きこう着感の強い相場展開が続きそうである。中小型株に強い値動きがみられるが、短期筋の値幅取り資金などが集中しやすく、やや割り切り姿勢になろう。

午後は日銀のETF買い入れが意識されるが、それなりに戻り待ちの売り圧力も意識される。銀行の売り一巡後の戻りが鈍く、様子見姿勢に。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は113円57銭付近、ドル・円は伸び悩み、根強い警戒感で


5日午前の東京外為市場では、ドル・円は伸び悩み。イタリア国民投票の結果を受けた円買いは一服したが、日本株の軟調地合い継続で上昇は鈍い。4日に行われた憲法改正の是非を問うイタリア国民投票は否決され、レンツィ首相が退陣を表明しリスク回避的な動きでドル・円は一時112円88銭まで値を下げた。一方、ニュージーランドのキー首相による突然の辞任表明も、円買いを支援したようだ。

ただ、イタリアの国民投票の否決はある程度織り込み済みだったことで、影響は限定的となり朝方の円買いを巻き戻す動きに。ドル・円は113円80銭台まで切り返した。その後、114円付近では売り圧力が観測され、上昇は抑えられているようだ。

ランチタイムの日経平均先物は下げ幅を縮小しており、午後の株価反転を期待したドル買い・円売りで114円回復を目指す値動きとなりそうだ。

ここまでのドル・円の取引レンジは112円88銭から113円86銭、ユーロ・円は118円73銭から120円76銭、ユーロ・ドルは1.0506ドルから1.0666ドルで推移。

12時15分時点のドル・円は113円57銭、ユーロ・円は119円85銭、ポンド・円は144円08銭、豪ドル・円は84円48銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・大林組<1802>、清水建設<1803>など3社のレーティング格下げ

・ソケッツ<3634>、黒田精<7726>、アジア投資<8518>など6社がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・アクシアル<8255>、ランチタイムに11月の月次業績を発表

・マネックスG<8698>、ランチタイムに11月の月次業績を発表

・菅官房長官
「(イタリア国民投票の市場への影響)G7中心に連携して対応」

・浅川財務官
「日銀だけでは長期的デフレは克服できない」
「市場は相対的に安定しているが、政治経済面で不確実性もある」

・中国人民銀当局者
「人民元の安定化に外貨準備活用を」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・特になし

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 提供:フィスコ

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