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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

富士通 <日足> 「株探」多機能チャートより

■富士通 <6702>  695.6円 (+20.8円、+3.1%)

 富士通 <6702> が続伸。ICTサービスやサーバーなどコンピューター分野で国内トップ、同社が開発したスーパーコンピューター「京」は有名だが、その高度な技術力を駆使して人工知能(AI)分野での展開も加速している。ビッグデータの普及とともに、ディープラーニング(深層学習)がAIを進化させる中核技術として注目されている。ディープラーニングは、今年の3月にグーグルが開発した人工知能「アルファ碁」が囲碁の世界トップ棋士である韓国の李世ドル(イ・セドル)氏との対戦で圧勝したことで一躍、脚光を浴びた経緯がある。同社はディープラーニングの計算を高速で行う半導体開発に踏み込んでおり、市場の関心を高めている。また、経済産業省所管の独立行政法人である産総研はディープラーニングの演算能力で世界トップを狙うスーパーコンピューターの開発に動き出しており、今後同分野を巡る日本の技術力が試されることになる。

■インベスターズクラウド <1435>  3,900円 (+100円、+2.6%)

 インベスターズクラウド <1435> [東証M]が反発。11月30日、東証が同社を7日付で市場1部に市場変更すると発表したことが買い材料。TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。

■三菱UFJ <8306>  687.1円 (+17.3円、+2.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> が高い。11月30日の米国株市場では、金融規制緩和推進の意向を示すムニューチン氏が財務長官に選出され、氏の出身企業でもあるゴールドマン・サックスが3.6%高と急伸するなど金融株が買われた。この流れが、東京市場にも波及した。PBRの低さや配当利回りの高さなど株価指標面からの割安さに加え、テクニカル的にもここ中段でもみ合っていたメガバンク株は売り物がこなれており、海外マネーの流入期待が膨らんだ。

■ダイフク <6383>  2,266円 (+56円、+2.5%)

 ダイフク <6383> が続伸、年初来高値を更新した。11月30日付でみずほ証券が投資判断「買い」を継続し、目標株価を2250円から2600円へ引き上げた。eFAでは、大型液晶関連やOLED関連、3D-NAND関連、AFAでは大手自動車メーカーの大型車関連、FA&DAでは国内および海外大手eコマース関連、ATecでは北米や欧州での受注案件が増加していると指摘。17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の210億円(前期208億7800万円)に対して従来予想の212億円から216億円へ、18年3月期は230億円から235億円へ引き上げた。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,874円 (+162円、+2.4%)

 ソフトバンクグループ <9984> が続伸。円安進行や原油市況の急騰などを背景に、外国人投資家の日本株再攻勢の動きが再燃している。そのなか日経平均寄与度の高い同社株は全般リスクオン相場の象徴として買われた。傘下の米スプリント社は業績回復期待などを背景にここ急速に株価水準を切り上げており、これもソフトバンク株に追い風となった。11月中旬以降の国内証券会社の投資判断も総じて強気評価が継続されている状況だ。また、サウジアラビアの政府系ファンド「PIF」などと共同で最大1000億ドル規模のテクノロジー分野に投資する巨大投資ファンドを設立、人工知能(AI)IoT分野への投資に貪欲な姿勢をみせており、同社の一挙手一投足に改めて市場の注目が集まっている。

■日経レバ <1570>  13,580円 (+290円、+2.2%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が高い。全般相場が一気にリスクオンの流れに傾くなか、日経平均株価に連動しボラティリティの高さが特徴である同銘柄も物色人気が一気に高まった。11月30日前場の売買代金は1000億円を超え、東証1部上場企業のなかで断トツだった三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> をさらに53%上回った。今の東京市場は外国人投資家の買い参戦が観測されているが、日経レバの人気は短期値幅狙いの個人投資家資金の市場回帰も物語っている。

■新日鉄住金 <5401>  2,501.5円 (+48.5円、+2.0%)

 新日鉄住金 <5401> が反発。原料炭の急騰をきっかけに薄鋼板などの値上げを進めており、今後の業績回復期待が出ている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は11月30日、同社株の「オーバーウエイト」を継続するとともに目標株価を2770円から2810円に引き上げた。同証券では、主原料価格の上昇は同社にとり逆風だが、「国内は需給ひっ迫局面で値上げが比較的通りやすい」と指摘。また、「海外グループの収益寄与」や「コスト削減余地拡大」により18年3月期以降の増益を予想している。同証券では、17年3月期の連結営業利益を従来予想700億円に対し900億円(前期比46%減)に見直しているほか、18年3月期は同1800億円への大幅増益を見込んでいる。

■日本郵船 <9101>  216円 (+4円、+1.9%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など海運株が軒並み高。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数はここにきて戻り足を強めている。11月30日時点で3日続伸となり再び1200台を固める動き。原油市況の急騰など商品市況の上昇もポジティブに作用している。足もと為替が急速に円安に振れていることもドル建て決済の海運セクターにとって追い風だ。

■ルネサス <6723>  871円 (+15円、+1.8%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> が続伸で新値街道を走る展開。半導体関連の一角として投機資金を呼び込んでいるが、足もとの業績実態も改善色が強い。自動車のエレクトロニクス化進展は車載向けICを主力に手掛ける同社にとって収益環境は追い風だ。四半期決算ベースで16年10-12月期は7-9月期と比較して最終利益段階で約9割増と急回復する見通しにあり、買い安心感が働いた。株式需給面では信用売り残が買い残を上回っており、信用倍率は0.8倍、日証金では逆日歩がつく株不足の状態にある。空売り筋による踏み上げ(損失覚悟の買い戻し)の動きを促していることも上げ足を強くしている。

■大同特殊鋼 <5471>  477円 (+8円、+1.7%)

 大同特殊鋼 <5471> が反発。11月30日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の0.46%にあたる200万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月1日から17年1月20日まで。

■GCA <2174>  933円 (+14円、+1.5%)

 GCA <2174> が3日ぶりに反発。1日朝方、子会社GCA FASが、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場TOKYO PRO Marketに関してJ-Adviser資格取得の認証を得たと発表しており、これを好材料視した買いが入った。J-Adviserは、取引所から自主規制業務(上場審査など)の委託を受け、取引所に代わって審査を実施するほか、上場後も担当会社の開示体制についてサポートするための資格。これを取得したことで、同市場を大企業のカーブアウトIPOや中堅中小企業の事業承継の受け皿として捉えることにより、クライアントに新たな資本政策の選択肢を提供することができるようになったとしている。また、これを機に同社では、事業承継マーケットに本格参入すると発表しており、これも好材料視されたようだ。事業承継を視野に入れている非上場企業に対して、同市場の活用を通じた経営体制の改善サポートを提供することで、円滑な承継を図るとしている。

■ASB機械 <6284>  2,409円 (+35円、+1.5%)

 日精エー・エス・ビー機械 <6284> が反発。ペットボトル成形機を手掛けるがインド向け需要が好調で業績成長が続いている。「10月にドイツで開催された業界最大級の展示会『K2016』で欧米向け中心に大口の引き合いを得たほか、静岡工場の増設などで稼働能力も増強。新型機の商談も進捗している」(市場関係者)状況にあり収益への貢献が期待されている。16年9月期は営業利益段階で前の期比18.4%増の伸びをみせたが、17年9月期も10.5%増の50億円予想と2ケタ増益を継続する見込み。

■夢真ホールディングス <2362>  756円 (+9円、+1.2%)

 夢真ホールディングス <2362> [JQ]が続伸。同社は30日、ビッグデータやクラウドシステムに強みを持つKeepdataの議決権比率53.7%の株式を取得(取得額は約3億円)して子会社化すると発表、これが好感されるかたちで買われた。夢真HDはフィンテック人工知能(AI)VR、AR、IoTなどの分野に本格参入の意向にあり、その経営戦略が株価を刺激した。

■ココカラファイン <3098>  4,230円 (+40円、+1.0%)

 ココカラファイン <3098> が続伸。同社は11月30日の取引終了後、11店舗の調剤薬局事業を展開する東邦調剤(東京都国分寺市)を子会社化することを発表した。今回の子会社化により、エリアにおけるドミナントを深耕し、地域におけるヘルスケアネットワークの構築を推進していく。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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