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2016年11月14日08時05分

【経済】日本が最も「トランポリン相場」になったのは何故か

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の世界の金融市場は、米大統領選が大方の予想に反してクリントン候補が負け、トランプ大統領が実現したことにより大荒れとなった。
 クリントン氏勝利を織り込んでいた市場は、トランプ氏勝利が確定したことで、トランプ・ショックに見舞われた。トランプ氏が勝つことは「トランプ・リスク」と喧伝されていたためだ。
 ただ、その後実際にトランプ大統領が実現することにより行われるであろう経済政策に関心が集まり、大規模な公共投資や金融規制緩和によって経済成長が加速するのではないかという見方も強まった(なお、米ダウ指数は「史上最高値」を更新した)。
 この一連の動きによって、金融市場は極端なリスク回避姿勢から、米国の経済成長を期待するリスクオンの姿勢に一気に傾くという、さながら「トランポリン相場」の様相となった。
 この中で最も「トランポリン相場」となったのは日本の株式市場だ。日経平均株価は米大統領選の結果が判明しだすと大暴落となり、9日の日中の下落幅は一時前日比1000円を超えたが、 9日の欧米市場が上記の要因で上昇に転じたことを受けて、翌10日には日経平均株価は1000円超の大幅上昇となった。
 確かに米大統領選の大勢が判明するタイミングと取引時間が重なった点はあるにせよ、9日の下落は世界の主要市場では突出した大暴落となった。他のアジア市場も取引時間が重なるという点では同じだがここまでは暴落していない。
 ブレグジットの時も同じような流れで、世界で最も暴落したのは日本だったが、その時の学習効果もなく日本の株式市場がここまで酷い値動きになるのは何故か。
 ひとつは、もちろんアジアの市場で最も流動性が大きく、リスク回避・ヘッジの受け皿になりやすいということが挙げられる。
 ただ、ここまで極端な動きになるのはアルゴリズム取引や高速取引の影響が大きいのではないだろうか。アルゴリズム取引はコンピュータプログラムによって自動的に取引を行うもので、一つのトリガーにより一斉に次々とトリガーが引かれ、一方向に偏った動きを生み出しやすい。また、高速取引は東証がさらに推し進めており、機関投資家に対する優遇(コロケーション)も行われている。日本の株式市場の売買代金の約6割を外国人投資家が占めているということも、より偏りに拍車をかける要因であろう。
 世界的にはコンピュータによる高速取引は規制をかける方向にむかっているが、日本は全く規制がなく、言わばやりたい放題の状態にある。
 日本の金融庁は最近になって、規制の強化(業者の登録制)を検討しているとのことであるが、早期に適正な規制を実施すべきであろう。登録制だけでは十分とはいえない可能性が高い。

《YU》

 提供:フィスコ

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