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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

川上塗 <日足> 「株探」多機能チャートより

■川上塗料 <4616>  216円 (+50円、+30.1%) ストップ高

 川上塗料 <4616> [東証2]がストップ高。引き続き、日露天然ガスパイプライン関連銘柄として脚光を集めたようだ。自民、公明両党の有志議員でつくる日露天然ガスパイプライン推進議員連盟(河村建夫会長)では、サハリンから東京湾を結ぶ天然ガスのパイプライン建設を政府に要望しており、年末に日露首脳会談を控えて、これに対する思惑が膨らんだもよう。川上塗料は1991年からロシア・ガスプロム社に天然ガスパイプライン用塗料を納入した経緯があることから、物色人気が高まったようだ。

■メディア工房 <3815>  508円 (+80円、+18.7%) ストップ高

 メディア工房 <3815> [東証M]がストップ高。同社は19日の取引終了後、米国のDoubleMeとHolographic Virtual Reality(HVR)のコンテンツ配信で資本・業務提携を行うことを発表、これを好感した。DoubleMeはHVR技術を独自に開発しており、今年9月18日から22日にかけて開催されたロンドン・ファッション・ウィークではファッションデザイナーと提携のもと、マイクロソフト社製のヘッドセットを使用したイベントブースを出展しており、海外メディアのBBCやフォーブスなど複数のメディアに記事が取り上げられた実績がある。今回、DoubleMeの26万6000株(発行済み株式数の2%)を取得すると同時に、日本でのファッションイベントなどのライブイベントでDoubleMeのHVR技術に関する優先的な使用許諾権を受ける事となる。これにより、 VR市場参入の大きな契機を得ることになる。

■ガンホー <3765>  278円 (+40円、+16.8%)

 東証1部の上昇率2位。ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> が急騰。同社は20日、スマートフォン向けRPG「セブンス・リバース」を今秋にも配信することを決めたと発表。期待感が高まるかたちとなったようだ。このゲームは、時間を超えて他のプレイヤーと繋がるガンホーの新作オンラインRPG。なお、サービス開始に先駆け、20日から事前登録キャンペーンを開始した。

■ゲンキー <2772>  5,010円 (+700円、+16.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。19日、ゲンキー <2772> が決算を発表。17年6月期第1四半期(7-9月)の連結経常利益が前年同期比66.7%増の11.1億円に拡大して着地したことが買い材料視された。岐阜県を中心に中型店を12店舗出店した。消費者の節約志向の高まりを追い風に、食品を中心に低価格なPB商品の販売が好調だった。上期計画の13.3億円に対する進捗率は84.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■ジェイエイシ <2124>  1,305円 (+95円、+7.9%)

 東証1部の上昇率5位。19日、 人材紹介事業を展開するジェイエイシーリクルートメント <2124> が月次売上高を発表。9月の売上高は前年同月比31.2%増と、今期に入り9ヵ月連続で前年実績を上回ったことが買い材料視された。前年同月比の伸び率は6月に7.1%まで鈍化したが、7月から再び拡大傾向に戻した。旺盛な求人需要を背景に、専門性の高い人材紹介の成約が伸びている。

■三井不動産 <8801>  2,290円 (+106円、+4.9%)

 三井不動産 <8801> が6連騰したほか、三菱地所 <8802> 、東京建物 <8804> 、住友不動産 <8830> など不動産株が軒並み高、業種別値上がり率で断トツに買われた。消費者のデフレマインドが再燃する一方で、商業地の地価がマイナス圏を脱し、オフィス空室率も改善傾向を続けるなど外部環境の風向きがプラスに変わっていることが大きい。市場では「業種としては出遅れ感が強く、きっかけがあればリターンリバーサルの買いを呼び込みやすい。この時期、国内機関投資家は動きづらく、買い主体としては海外ファンド系資金などの買い思惑が出ている」(国内準大手証券ストラテジスト)と指摘されている。

■ディップ <2379>  2,750円 (+91円、+3.4%)

 ディップ <2379> が続伸。人手不足を背景にアルバイトやパートなどの時給が上昇傾向にあり、民間調査で9月の全国平均時給が初の1000円大台を超えたことが伝わっている。アルバイト募集の「バイトル」や「はたらこねっと」などを展開するディップは収益環境にフォローの風が吹いており、改めて物色資金の流入を誘った。

■任天堂 <7974>  26,950円 (+870円、+3.3%)

 任天堂 <7974> が反発、同社は20日23時から全く新しいコンセプトのゲーム機「NX(開発コード名)」の映像をホームページで公開することを発表した。3分程度の短い映像としているが、これにより新型ゲーム機への期待が高まりそうだ。

■高島屋 <8233>  844円 (+25円、+3.1%)

 高島屋 <8233> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> が高い。観光庁が19日発表した7-9月期の訪日外国人消費動向調査によると、訪日客による旅行消費総額は前年同期比2.9%減の9717億円だった。前年同期に比べて減少するのは2011年10-12月期以来のことで、インバウンド特需の剥落が鮮明となった。高額商品を扱う百貨店株への逆風が浮き彫りとなった。ただ、円高の進行や中国の関税引き上げの影響が反映されたもので、株価面では事前に織り込みが進んでいた。高島屋、三越伊勢丹などいずれも大幅に売り長の状態にあり、買い戻しを誘発した。

■三菱自動車工業 <7211>  536円 (+14円、+2.7%)

 三菱自動車 <7211> が大幅続伸。19日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆9100億円から1兆8400億円(前期比18.9%減)へ、営業損益を250億円の黒字から280億円の赤字(前期1383億7700万円の黒字)へ、最終損益を1450億円の赤字から2400億円の赤字(同725億7500万円の黒字)へ下方修正したが、株価には織り込み済みとの見方が強く、アク抜け感台頭から買いが入ったようだ。新興市場(中東・中南米など)を中心とした市況回復の遅れに伴う台数・車種構成などの影響を考慮したほか、想定為替レートの見直しや市場措置費用の追加が損益悪化につながる。また、水島製作所の減損見直しなどで特別損失が膨らむことも最終損益の悪化幅を大きくするという。

■エーザイ <4523>  6,835円 (+161円、+2.4%)

 エーザイ <4523> が4連騰。SMBC日興証券が19日付で同社株の投資評価を3から2に引き上げており(目標株価は7000円継続)、これが株価上昇を後押しした。臨床試験中の次世代アルツハイマー病治療薬の製品価値を再評価し、今後の大きな買いの手掛かりとなる可能性を指摘している。

■フリークアウト <6094>  3,415円 (+75円、+2.3%)

 フリークアウト <6094> [東証M]が3日ぶりに急反発。同社は19日、日本交通グループのJapan Taxiとフリークアウトとの合弁会社「IRIS」が、新世代デジタルサイネージ「Tokyo Prime」端末を、年内をメドに日本交通グループの都内タクシー全車両約3500台に増設すると発表した。増設にあわせ「Tokyo Prime」広告配信サービスに、乗客の性別や走行エリア、時間帯・曜日に基づくターゲティング配信機能を新たに搭載。これにより「Tokyo Prime」を利用する広告主は、ターゲット層のみを対象に効果的なタイミングで動画広告を配信することが可能になる。

■LIXILグループ <5938>  2,387円 (+48円、+2.1%)

 19日、LIXILグループ <5938> が17年3月期の連結税引き前損益を従来予想の510億円の黒字→670億円の黒字(前期は70.8億円の赤字)に31.4%上方修正したことが買い材料視された。海外で水回り製品の販売が想定以上に好調なうえ、コスト削減や販管費の抑制が利益を押し上げる。円高による為替差益の発生なども上振れに貢献する。

■千代田化工建設 <6366>  922円 (+16円、+1.8%)

 千代田化工建設 <6366> や日揮 <1963> などプラント株が高い。19日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格が一時1バレル=51.93ドルと1年3ヵ月ぶりの水準に上昇した。原油価格の上昇は中東を含む産油国経済を上向かせ、結果としてプラント需要の増加につながる。また、米国の石油関連のプラント大手、ハリバートンが19日の決算発表で業績の好転を発表した。これを受け、ハリバートンの株価が急伸したことも、日本のプラント株への追い風に働いた様子だ。

■富士フイルム <4901>  4,042円 (+67円、+1.7%)

 ゴールドマン・サックス証券は18日付で、精密機器セクターについて「精密の未来は医療に、構造変化に成功する銘柄を選別」と題してリポートを発行した。それによると、精密セクター9銘柄の調査開始。2025年に向け最も有望な医療分野へ迅速に転換できる企業に注目。伝統的精密事業は低迷するとしている。医用画像の利用増加で、光学など精密技術が活躍する一方、事務機はハードの差別化困難で付加価値は、台数減少を伴うオフィス環境効率化業務へ移行する。カメラはスマートフォンシフトで衰退不可避で、製品絞り込みが必要。時計はスマートウオッチ市場拡大で、数量成長鈍化も単価の上昇でカバーの見通しという。個別銘柄では、医療事業の第一人者で、診断高度化に伴う医用画像の需要増加や、医薬品の成長も期待できる富士フイルムホールディングス <4901> と、クリニック向けIT関連画像装置に強く、地方病院・診療所の高度化に伴い成長が期待されるコニカミノルタ <4902> の2銘柄を投資判断「買い」としている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,665円 (+107円、+1.6%)

 ソフトバンクグループ <9984> が3日ぶりに反発。サウジアラビアとの10兆円規模の投資ファンドの設立などが期待材料視されたが、市場では米スプリントの業績改善観測も膨らんだ。スプリントが18日発表した第2四半期(7-9月)の暫定決算は営業利益が6億2200万ドルとなった模様であり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、同証券予想(3億9900万ドル)を上回ったとして、「ポジティブ」と評価している。スプリントの決算の正式発表は25日に予定されており、その詳細な内容などが注目されている。

■パルコ <8251>  961円 (+15円、+1.6%)

 パルコ <8251> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付でレーティング「ニュートラル」を継続ながら目標株価を890円から930円へ引き上げた。旗艦店の1つである渋谷パルコが建て替えに伴って閉店しており、トップラインは18年2月期上期までが踊り場。その一方で中期的な売場面積の拡大はスケジュール通りに進捗しており、18年2月期下期以降は成長ステージに戻る可能性が高いと指摘している。

■高松グループ <1762>  2,435円 (+29円、+1.2%)

 19日、高松コンストラクショングループ <1762> が17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の45億円→59億円に31.1%上方修正。増益率が10.2%増→44.5%増に拡大し、12期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。売上は計画を下回ったものの、選別受注の徹底や業務効率化などで工事採算が改善したことが寄与。

■ゆうちょ銀行 <7182>  1,201円 (+14円、+1.2%)

 ゆうちょ銀行 <7182> が反発。全般相場が上昇するなか、同社株の下値を拾う動きが出たが、市場には同社株へ評価に慎重な見方も出ている。クレディ・スイス証券は18日付のリポートで同社株を新規「アンダーパフォーム」でカバレッジを開始し目標株価は1070円としている。マイナス金利の影響による資金利益の減少見通しを考慮すれば、株価は割高と指摘。17年3月期の連結純利益は会社予想3000億円に対し、2735億円(前期比16%減)と減額修正を予想している。

■ゲオホールディングス <2681>  1,312円 (+15円、+1.2%)

 ゲオホールディングス <2681> が続伸。20日午前11時ごろ、10月27日から「iPhone」の修理事業を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。10月3日に総務省が実施する「登録修理業者制度」で、総務大臣の登録を受けて同事業を開始するもので、全国のゲオショップやゲオモバイル、流通センターなど計29拠点で事業を展開する予定。また、11月からは新規事業コンサルティングを行うプライマル(東京都港区)と連携して、「登録修理業者制度」登録を支援する事業を行うとしており、あわせて業績への貢献が期待されている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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