【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):トヨタ、信越化、石油資源
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
12日、ダイセキ <9793> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.30%にあたる100万株(金額で20億2600万円)を上限に、13日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は12日終値の2026円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
■トヨタ自動車 <7203> 5,969円 +12 円 (+0.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、富士重工業<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が軒並み高。米国の長期金利が上昇傾向を示すなか、日米金利差拡大の思惑から足もとの外国為替市場ではドル買い円売りの動きが加速、1ドル=104円40銭台の推移と円安が進んでいる。これを受けて、為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算改善に対する期待が株価にポジティブに作用している。
■信越化学工業 <4063> 7,383円 +7 円 (+0.1%) 本日終値
JPモルガン証券では、11日付で発表した電子材料セクターに関するリポートで、シリコンウエハ2社の業績をアップデートした。再生ウエハ市場は、競合他社の震災影響もさることながら、需要が旺盛なNANDを中心に強い引き合いが継続しているもようだと指摘。引き続き年末・年始にかけてのウエハ出荷の調整有無を見定めたいとしながらも、影響が軽微となればウエハ需給の逼迫確度も一段高まる形となるとしている。なかで、来期も塩ビ樹脂で増産を控える信越化学工業<4063>は、塩ビ・ウエハの両輪で持続的な評価が期待できるとしているほか、SUMCO<3436>は年内の在庫調整影響は限定的で、16年12月期の営業利益予想を90億円から105億円へ、17年12月期は同12億円から14億円へ収益見通しを引き上げた。
■しまむら <8227> 12,780円 +10 円 (+0.1%) 本日終値
しまむら<8227>は、20~50代の主婦層などをターゲットとした低価格の衣料品を全国の店舗で展開する、言わずと知れたデイリーファッションの代表格。主力の「しまむら」では、プライベートブランド商品を集約させて認知度向上を図り、ヤングカジュアルファッションの「アベイル」は、商品展開のスケジュールを変更、シーズン初めに在庫のボリュームを持つことで、ファッション感度の高い顧客のニーズをしっかり捉えている。また、省エネ対応型の改装を実施しており、売り場面積の利益率向上にも積極的に取り組んでいる。17年2月期上期営業利益は251億7600万円(前年同期比40.6%増)と期初計画226億円を大幅に上振れて着地。今夏は高温日が続いて、秋物衣料の初動は鈍かったものの、ラニーニャ現象による厳冬が予想されるため、冬物衣料の売れ行きに期待できそうだ。株価は、9月下旬に底値もみあい圏を抜けたあとも順調に下値を切り上げており、一段の上昇余地が期待できそうだ。(藍)
■石油資源開発 <1662> 2,437円 -90 円 (-3.6%) 本日終値
石油資源開発<1662>、国際石油開発帝石<1605>、JXホールディングス<5020>など石油関連株が続落。12日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近11月物は前日比0.61ドル安の1バレル50.18ドルに下落した。この日の時間外取引では、49.70ドル台へ下落している。石油輸出国機構(OPEC)の増産基調が続き需給悪化懸念が膨らんでいるほか、ロシアが減産合意に協調する見通しに不透明感が出ていることも先行きへの懸念を呼んでいる。
■タカラバイオ <4974> 1,466円 -44 円 (-2.9%) 本日終値
タカラバイオ<4974>が4日続落。野村証券が12日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を1720円から1600円へ引き下げたことが弱材料視されているようだ。同証券では、米国バイオ企業の資金調達環境悪化で、次世代シーケンサー(NGS)機器メーカー、イルミナ社の売り上げが減少し、同社のNGS試薬売り上げ成長が想定より鈍化すると判断。18年3月期以降のNGS関連試薬の欧米売り上げ想定を引き下げるとともに、18年3月期の営業利益予想を37億9000万円から37億4000万円へ、19年3月期を同45億6000万円から44億円へ引き下げている。
■ディップ <2379> 2,940円 -58 円 (-1.9%) 本日終値
ディップ<2379>は軟調な動き。同社は12日取引終了後、17年2月期第2四半期累計(3~8月)の単独決算を発表、売上高は159億3800万円(前年同期比28.8%増)、営業利益は43億100万円(同47.1%増)、最終利益は28億1200万円(同54.1%増)だった。完全失業率の改善や有効求人倍率の上昇など収益環境は追い風が強く、主力のメディア事業では「バイトル」、「はたらこねっと」などが、引き続き高水準の求人需要を背景に収益を牽引した。積極的な広告宣伝もユーザー層拡大に寄与している。ただ、通期に対する進捗率は営業利益段階で48.8%と50%に達しておらず、増額期待がやや後退したことから売りが優勢となった。
■HOYA <7741> 4,050円 -56 円 (-1.4%) 本日終値
HOYA<7741>が3日続落。12日の取引終了後、米メガネレンズ製造販売会社のパフォーマンス・オプティクス社とその子会社2社を、来年3月をメドに約476億円で買収すると発表したが、財務負担増を懸念した売りが出ているようだ。パフォーマンス社グループは、ポリカーボネート製レンズ、調光レンズ、偏光レンズ、および高屈折レンズに特化したメーカー。HOYAでは、ライフケア分野を将来の継続的な成長領域と位置づけ注力しているが、今回の買収で調光レンズや偏光レンズの技術、および高屈折率のレンズ成形技術を拡充し、メガネレンズ製造におけるグローバルな技術的リーダーとしての地位確立を狙うとしている。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。
■キリンホールディングス <2503> 1,684円 -0.5 円 (0.0%) 本日終値
キリンホールディングス<2503>は小動き。同社は12日、米国のブルックリン・ブルワリー社と資本業務提携を行うことを発表したが株価は反応薄。ブルックリン・ブルワリー社とは17年1月をメドに日本国内に合弁会社(出資比率はキリンビール60%、ブルックリン・ブルワリー社40%を予定)を設立し、ブルックリンブランド事業を展開。若い世代や海外でも人気の高いブルックリン・ブルワリーブランドを活用することでクラフトビール市場の拡大を図る。また、将来的には日本オリジナル商品の開発や飲食事業の展開などについても検討する。今回の資本業務提携により、ブルックリン・ブルワリー社が新たにキリンビールを引受人とする新株(普通株)を発行することにより、キリンビールはブルックリン・ブルワリー社の24.5%を所有する株主となる。
●ストップ高銘柄
スパンクリト <5277> 382円 +80 円 (+26.5%) ストップ高 本日終値
インターアクション <7725> 496円 +80 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値
日本色材工業研究所 <4920> 1,068円 +150 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
神島化学工業 <4026> 1,111円 +150 円 (+15.6%) ストップ高 本日終値
イナリサーチ <2176> 746円 +100 円 (+15.5%) ストップ高 本日終値
以上、5銘柄
●ストップ安銘柄
サハダイヤモンド <9898> 1円 -1 円 (-50.0%) ストップ安 本日終値
ストリーム <3071> 177円 -80 円 (-31.1%) ストップ安 本日終値
以上、2銘柄
株探ニュース