【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):塩水糖、パラベッド、バンナムHD
塩水糖 <日足> 「株探」多機能チャートより
塩水港精糖<2112>が急騰、増額期待やインフルエンザ関連として投機資金集結。低位材料株として人気が高く、折に触れ個人投資家を中心とした短期資金を呼び込む銘柄。市場では、「11月4日に予定される17年3月期上期の決算発表で、会社側計画が上方修正される可能性があることで、それを拠り所とする資金が入っている」(国内投資顧問)という指摘。同社の第1四半期は営業利益段階で3億2900万円(前年同期比64.3%増)の実績で、中間期計画の4億2000万円(同6.3%減)に対する進捗率は78%に達している。また、秋が深まりインフルエンザの季節が意識されるなかで、同社が販売する「オリゴのおかげ」の主成分ラクトスクロースに抗インフルエンザ作用があることで、「シーズンストック的な要素もある」(同)という。
■パラベッド <7817> 4,105円 +340 円 (+9.0%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
パラマウントベッドホールディングス<7817>が急騰。高齢化社会が深刻化するとともに介護問題が安倍政権下でも重要な課題として掲げられるなか、「介護離職ゼロ」を実現させるための政策フォローが折に触れ関連銘柄の株価を刺激している。そのなか、同社株は関連有望株として頭角を現してきた。同社はメディカルケア分野で培った技術力を活用し、一般家庭向けに開発した電動ベッド「INTIME1000シリーズ」を13日から発売、これが買い手掛かりとなっているもよう。医療用ベッドで使われている背や腹部に負担の少ないリクライニング機構や好みのポジションを再現できるメモリー設定など、快適性・利便性を高める機能を搭載、介護が必要になった際には、介護用ベッドに「変身」するというもので、時流に乗る商品として収益への貢献が期待される。
■薬王堂 <3385> 6,940円 +370 円 (+5.6%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
薬王堂 <3385> が3連騰し、連日で上場来高値を更新した。好業績・株式分割・優待新設を材料視した買いが続いている。11日、同社は17年2月期上期(3-8月)の決算を発表。経常利益(非連結)は前年同期比31.1%増の18.5億円に拡大して着地した。食品や日用品の品揃え強化が奏功し、既存店売上高が前年同期を上回ったことが寄与。東北を中心に積極出店を進め、15店舗を新規出店したことも収益を押し上げた。同時に、11月30日割当で1→3の株式分割を実施すると発表。これに伴い、期末一括配当を従来計画の50円→17円(前期は45円)に修正した。年間配当は実質2.0%の増額となる。併せて、株主優待制度を新設すると発表。毎年2月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて2000円分~5000円分の薬王堂店舗で使える買い物券を贈呈する。
■ベル24HD <6183> 908円 +44 円 (+5.1%) 本日終値
12日、ベルシステム24ホールディングス <6183> が17年2月期上期(3-8月)決算を発表。これを受けて、SMBC日興証券が同日付のリポートで、新規案件の獲得増加に伴い費用が先行し営業減益となったものの、業績の底打ちが見えてきたと報告している。ソフトバンクグループ向け業務が下げ止まりつつあるほか、伊藤忠との協業や既存顧客からの受託が増加していると評価。今後もアウトソーシング需要は強いうえ、伊藤忠グループ関連業務の拡大で、業績回復への期待が徐々に高まると指摘している。これを踏まえ、投資判断「1(強気)」と目標株価1600円を継続した。
■竹内製作所 <6432> 1,990円 +95 円 (+5.0%) 本日終値
竹内製作所<6432>が大幅高。同社株は9月下旬に底値圏を離脱し一気に水準訂正に動き出したが、その背景にあるのは、外国為替市場での円安進行だ。同社は欧米を中心に売上高の97%を海外で稼ぐ建機メーカーで、為替の動向は輸出採算面に大きな影響を与える。9月下旬以降の同社株の上昇はドル円相場のトレンドと見事に合致している。上期業績も好調を維持、17年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結営業利益は円高デメリットをこなして97億6500万円(同3.6%増)と増益を確保している。
■コスモス薬品 <3349> 22,870円 +1,030 円 (+4.7%) 本日終値
12日、コスモス薬品 <3349> が決算を発表。17年5月期第1四半期(6-8月)の連結経常利益が前年同期比32.3%増の72.8億円に拡大して着地したことが買い材料視された。四半期ベースの過去最高益(57.5億円)を大幅に更新した。既存店売上高が前年同期を上回ったうえ、九州を中心に12店舗を新規出店し、14.7%の大幅増収を達成。食品をはじめ低価格品や夏物商品の販売が好調だった。店舗運営コストの抑制も増益に貢献した。上期計画の105億円に対する進捗率は69.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■FRONTEO <2158> 890円 +27 円 (+3.1%) 本日終値
12日、FRONTEO <2158> [東証M]が国内で人工知能関連技術の特許を2件取得したと発表したことが買い材料視された。特許を取得したのは、文脈に応じた意味の類似性を人工知能が発見する技術と、人工知能が作業の進捗を自動的に管理する技術に関するもの。同社の人工知能エンジン「KIBIT」(キビット)に搭載されている技術で、データ解析の精度向上や作業効率の改善につながるという。発表を受けて、知的財産権の強化による業績への寄与に期待する買いが向かった。
■バンナムHD <7832> 3,150円 +90 円 (+2.9%) 本日終値
バンダイナムコホールディングス<7832>など仮想現実(VR)関連株が高い。ソニー<6758>の子会社であるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のゲーム端末「プレイステーション(PS)VR」がきょう発売された。事前予約は即日完売で、この日も一部量販店などで早朝から行列ができるなど高い関心を呼んでおり、VR市場拡大への期待が膨らんでいる。バンナムHDは「サマーレッスン」を手掛け、VRコンテンツ関連として注目されているほか、カヤックは「VR部」を作り広告的なVRコンテンツの企画・制作を推進している。また、ハードとアプリの間で機能する「ミドルウエア」では、CRI・ミドルウェア<3698>やシリコンスタジオ<3907>などもVR関連株として注目されており、この日は値を上げた。
■スズキ <7269> 3,509円 +77 円 (+2.2%) 本日終値
スズキ<7269>が反発。12日の取引終了後、トヨタ自動車<7203>と業務提携向けた検討を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。環境や安全技術、ITなどの分野で連携を強化するのが狙い。先進・将来技術の開発に課題を抱えていたスズキと、提携先を増やして標準化を主導したいトヨタの思惑が合致したようで、トヨタも反発した。
株探ニュース