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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ホクシン <日足> 「株探」多機能チャートより

■ホクシン <7897>  221円 (+50円、+29.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ホクシン <7897> が続急騰し、連日で年初来高値を更新した。9月30日、17年3月期の経常利益(非連結)を従来予想の4.3億円→6.3億円に46.5%上方修正。増益率が28.4%増→88.1%増に拡大する見通しとなったことが引き続き買い材料視された。新設住宅着工戸数が増加する中、建材や床材向け製品の販売が想定より伸びる。燃料費の低減や円高による採算改善も利益を押し上げる。

■テクノマセマティカル <3787>  1,369円 (+300円、+28.1%) ストップ高

 テクノマセマティカル <3787> [東証2]が後場に入って動意付き、ストップ高まで買われた。同社は4日、独自のアルゴリズムを使用し、世界で初めて1台でiPad50台への同時データ送信を可能にした、Wi-Fi機能付き映像およびPCデータ配信伝送装置「WiFi Sync Viewer」(商標登録申請中)を10月初旬に発売すると発表。これが材料視されたようだ。主な用途としては、映像やPCデータを同時に受信しながら聴講するような分野や、高精細な映像を端末側で拡大縮小しながら説明を受ける分野、映像やPCデータを高精細に配信する分野などが想定されている。なお、この装置は11月16日から幕張メッセで開催される国際放送機器展に出展される。

■コスモ・バイオ <3386>  1,660円 (+300円、+22.1%) ストップ高

 コスモ・バイオ <3386> が7日ぶり急反騰、ストップ高に買われた。今週は下期相場入りとともに2016年のノーベル賞発表ウイークでもあり、市場の注目を集めている。その皮切りとなった3日の医学生理学賞で、東工大の大隅良典栄誉教授が「オートファジー」のメカニズム解明で受賞、マーケットにポジティブサプライズを与えた。そのなか、同社はオートファジーの動態を把握し観察する関連試薬などを手掛けており、関連有望株として投機資金の流入を誘った。また同様に、オートファジーをモニタリングするセンサーベクターを開発しているタカラバイオ <4974> や、オートファジーを長年にわたり共同研究している医学生物学研究所 <4557> [JQ]なども人気を集めた。

■安川情報システム <2354>  721円 (+100円、+16.1%) ストップ高

 安川情報システム <2354> [東証2]がストップ高。同社は4日、クラウドサービスの提供で伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) <4739> と協業すると発表。これが材料視されたようだ。基幹系システムの運用支援を目的とした安川情報の「グローバルサービスセンター」サービスと、CTCが提供する基幹系特化型クラウドサービス「CUVICmc2」を組み合わせて、インフラからSAPジャパンの次世代ERP「SAP S/4HANA」の運用サポートまでを提供。1年間で10社への提供を目指すとしている。

■ラクス <3923>  1,259円 (+114円、+10.0%)

 3日、ラクス <3923> [東証M]が三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 傘下のエム・ユー・ティ・ビジネスアウトソーシングと業務提携したと発表したことが買い材料視された。提携を通じ、同社は経費精算システム「楽楽精算」をベースに三菱UFJフィナンシャル・グループ専用のFinTechサービス「クラウド 経費精算サービス」の開発と運用を行う。7月に販売が始まったサービス「クラウド 帳票発行サービス」に続く協業となる。発表を受けて、受注実績が出ている「クラウド 帳票発行サービス」に続き、新サービスの収益貢献に期待する買いが向かった。

■本多通信工業 <6826>  980円 (+72円、+7.9%)

 東証1部の上昇率6位。本多通信工業 <6826> が急伸。同社は3日、9月度の月次単体受注(速報値)を公表。前月比では10%増、前年同月比では38%増と、いずれも前月(3%増、19%増)から伸び率が拡大していることが好感されたようだ。なお、7-9月期の累計では前期比で16%増、前年同期比で21%増となっている。

■日立国際電気 <6756>  1,913円 (+112円、+6.2%)

 日立国際電気 <6756> が急反発し年初来高値を更新。昨年6月につけた高値1975円を払拭すれば1997年以来19年ぶりの2000円大台替えが指呼の間だ。IoT時代の到来とともにデータセンターの大容量化・高速化投資が進展、つれて従来の平面型ではなく立体方向に積層化された3次元NAND型メモリー関連の投資意欲が強く刺激されている。同社は前工程で使用されるサーマルプロセス装置(熱処理成膜装置)で世界シェア40%前後と東京エレクトロン <8035> と双璧。韓国サムスン電子が来春にも増産体制に動くとの思惑が取り沙汰されるなか、実質青空圏突入を目前としている同社株への注目度が必然的に高まっている。

■アートSHD <3663>  2,164円 (+124円、+6.1%)

 ZMP関連株が高い。アートスパークホールディングス <3663> [東証2]やドリームインキュベータ <4310> 、アイサンテクノロジー <4667> [JQ]といった関連株が急伸した。ロボット開発ベンチャーのZMP(東京都文京区)に対して、化学工業日報は3日に「成長資金調達へ年内上場も」との記事を掲載した。同記事では、自動運転技術の開発に向け、「早ければ年内の新規株式公開(IPO)を見据え、調達した資金を次世代の車両や精度の高いシステムの開発に充てることを視野に入れる」という。

■日本金銭機械 <6418>  1,640円 (+81円、+5.2%)

 日本金銭機械 <6418> が連日の年初来高値。同社は欧米カジノ向けの貨幣処理機で強みを持ち、米国ではトップメーカーとしての実績を持つ。現在行われている秋の臨時国会でIR推進法案が審議中にあるが、法案成立を期待する声も強く、つれて同社の収益機会拡大への思惑も膨らんだ。一方、櫻島埠頭 <9353> [東証2]が急騰した。大阪誘致を目指している2025年の万国博覧会の主会場は大阪湾の人工島の夢洲に一本化された。この夢洲では万博に先立ってカジノ関連などIR施設の開業も計画されており、夢洲の近隣である此花区梅町に倉庫を保有していることから、資産価値上昇に対する期待が投機資金の食指を動かしたもよう。

■竹内製作所 <6432>  1,800円 (+81円、+4.7%)

 竹内製作所 <6432> が大幅高で6連騰。同社は欧米を中心に売上高の97%を海外で稼ぐ異色企業。為替の影響は大きいが、足もと1ドル=102円台前半、1ユーロ=114円台半ばと急速な円安が進行していることで、輸出採算悪化懸念が後退している。また、英国のEU離脱を巡る影響は限定的とみられ、見直し機運が優勢となった。16年3-8月期の営業利益は2ケタ減益予想が一転増益で着地したことも買い人気を支えた。さらに、欧州では移民の増加が仮設住宅需要の増勢につながり、同社が手掛けるミニショベル需要の拡大思惑も株高要因となっている。

■昭和電工 <4004>  1,339円 (+52円、+4.0%)

 昭和電工 <4004> が続伸。電気自動車(EV)市場の拡大を背景とするリチウムイオン電池関連として上昇気流に乗っている。直近は利益確定圧力も強まっているが、ここ一両日は買い物に厚みが加わり新値近辺で売り物を吸収した。ノーベル賞発表の皮切りとなった医学生理学賞を東工大の大隅良典栄誉教授が受賞したことで、関連銘柄ががぜん盛り上がりをみせている。4日は物理学賞の発表を控えており、その候補にカーボンナノチューブ(CNT)関連が挙がっている。同社はリチウムイオン電池向けに負極材向け多層CNTを手掛けていることから、関連有力株として先回り買いを呼び込んだもようだ。

■オリンパス <7733>  3,690円 (+140円、+3.9%)

 オリンパス <7733> が高い。同社は3日、アウトソーシング事業を行う子会社のNOC日本アウトソーシングを、投資事業を手掛けるロングリーチグループに譲渡することで合意したと発表。これが評価材料となったようだ。オリンパスは3月30日に公表した2016経営基本計画の重点戦略のひとつとして「必要経営資源の適時確保・最大活用」を掲げており、今回の譲渡はその一環。なお、17年3月期に譲渡に伴う特別利益の計上が見込まれるが、会社側では現時点での業績への影響は未確定だとしている。

■ディスコ <6146>  12,410円 (+460円、+3.9%)

 3日、ディスコ <6146> が個別売上高の速報値を発表。17年3月期第2四半期(7-9月期)の売上高は前年同期比1.8%増の284億円だったことが買い材料視された。第2四半期の過去最高売上高を更新した。アジアでメモリー向けの設備投資が活発化したことで、精密加工装置や消耗品の販売が伸びたことが寄与。なお、上期(4-9月期)売上高は計画比3.6%増の557億円となった。

■カワチ薬品 <2664>  2,545円 (+83円、+3.4%)

 3日、カワチ薬品 <2664> が月次売上高を発表。9月既存店売上高が前年同月比2.3%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが買い材料。例年に比べ台風が多く発生したものの、集客に注力したことや残暑が続き夏物商材の販売が好調だったことが売上増加につながった。

■ダブル・スコープ <6619>  2,120円 (+60円、+2.9%)

 ダブル・スコープ <6619> 、旭化成 <3407> 、昭和電工 <4004> 、ステラ ケミファ <4109> 、関東電化工業 <4047> 、住友化学 <4005> などリチウムイオン電池関連に位置づけられる銘柄に買いが集中した。世界的に環境保全に対する意識が高まるなか、自動車業界でも燃費や排ガス規制強化の流れが強まっており、車載用2次電池としてリチウムイオン電池の需要が急増傾向にある。既にダブル・スコープは電池材として不可欠である熱に強いコーティング型セパレーターの生産能力を大幅増強する動きをみせるなど、関連各社の動きが急だ。また、2016年のノーベル賞ウイークとなった今週、5日に化学賞の発表が予定されるなか、リチウムイオン電池・部材の実用化が候補テーマに挙がっており、関連銘柄としての人気化を見込んだ買いも呼び込んだ。

■フジ <8278>  2,077円 (+54円、+2.7%)

 3日、フジ <8278> が決算を発表。直近3ヵ月の実績である16年6-8月期(2Q)の連結経常利益が前年同期比30.9%増の16.7億円に拡大したことが買い材料視された。なお、上期(3-8月)の同利益は2.2%増の37.2億円となった。新規出店や店舗改装を進めたほか、生鮮食品やデリカ部門の強化を行い、増収を確保。水道光熱費を抑制したことも利益拡大に貢献した。4-6月期(1Q)は13.2%減益だっただけに、累計でプラスに転じたことを好感する買いが向かった。

■松屋 <8237>  744円 (+17円、+2.3%)

 松屋 <8237> が続伸。3日取引終了後、9月の売上高速報を発表し、銀座店と浅草店を合計した銀座本店が前年同月比13.1%減と7ヵ月連続で前年実績を下回ったが、足もとの売り上げ減少は株価に織り込み済みとの見方が強い。なお、銀座店が13.5%減、浅草店は7.3%減だった。銀座店では、3階婦人服ゾーンの大幅な改装により客単価はプラスだったが、前年のラグジュアリーブランド・宝飾・時計の免税店売上高の反動が大きかったほか、高温・秋雨前線停滞の影響もあり売上高は前年に届かなかった。浅草店では、婦人雑貨は好調も、食品・衣料部門の苦戦が響いた。

■ナガワ <9663>  3,790円 (+75円、+2.0%)

 3日、ナガワ <9663> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.5%にあたる20万株(金額で7億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■トヨタ自動車 <7203>  5,899円 (+108円、+1.9%)

 トヨタ自動車 <7203> 、日産自動車 <7201> 、富士重工業 <7270> 、ホンダ <7267> など自動車株に買いが集まった。米国経済は直近発表された9月のISM製造業景況指数が前月から持ち直し、年内利上げの可能性が意識されており、外国為替市場ではドル買い円売りの動きに反映されている。足もとは1ドル=102円台まで円安が進行、為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算悪化懸念の後退を背景に買いを引き寄せた。

■三菱UFJ <8306>  516.6円 (+9.4円、+1.9%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが揃って堅調なほか、地銀株が軒並み高に買われた。日銀は9月21日の金融政策決定会合で新たな金融緩和の枠組みである「イールドカーブ・コントロール」を導入し、銀行など金融機関が長短金利差で利ザヤをとりやすくする政策を打ち出した。これまでは日銀の目指す長期金利のゼロ%誘導が狙い通りに進まないのではないかとの思惑が銀行株にネガティブに働いていたが、ここにきて10年物国債金利は上昇(マイナス金利幅縮小)傾向にあり、銀行を取り巻く収益環境の風向き変化が株価に反映された。

■スクリン <7735>  6,700円 (+110円、+1.7%)

 SCREENホールディングス <7735> や東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> 、東京精密 <7729> など半導体関連株が軒並み高。米国でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は一時、840.80と2000年10月以来、16年ぶりの水準に上昇。「3D NAND」型フラッシュメモリーは、ハードディスクドライブ(HDD)などの置き換えを進めることが予想され、急成長が見込まれているほか、回路線幅が10ナノメートル台後半のメモリー半導体の投資需要も高まっている。米国では、半導体大手のマイクロンテクノロジーの決算が4日夜に発表されるほか、18日にはインテルが決算発表を予定しており、その内容も注目されている。

■三越伊勢丹 <3099>  1,033円 (+16円、+1.6%)

 三越伊勢丹ホールディングス <3099> が続伸。3日の取引終了後に発表した9月度の国内百貨店事業売上速報で、三越伊勢丹合計の売上高(法人外商を除く)は前年同月比4.4%減と7ヵ月連続で前年実績を下回ったが、前月(同10.6%減)に比べ下げ幅が縮小したことが好感されたようだ。台風の増加や高めに推移する気温の影響などもあり、衣料品、宝飾時計の苦戦は続いているが、独自のイベントや催事により買い上げ客数は好調だった。また、インバウンドは引き続き苦戦しているが、客数は再び前年を上回り、単価はマイナス幅を縮小している。

■国際石油開発帝石 <1605>  913円 (+13.8円、+1.5%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> が堅調。3日の原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近11月物が前週末比0.57ドル高の1バレル=48.81ドルと上昇。一時49.02ドルと約3ヵ月ぶり高値をつけた。先月末の石油輸出国機構(OPEC)の臨時総会で減産が合意されたことから、原油価格への先高期待が高まっている。来月末のOPEC定例総会に向けて、原油市況は強含み基調が続くとの見方も出ている。

■凸版印刷 <7911>  930円 (+10円、+1.1%)

 凸版印刷 <7911> が続伸。同社は4日、圧電素子を使用して生体信号を取得できるシート型非接触振動センサー事業に参入することを発表した。この事業は、「心拍」、「呼吸」、「体動」、「発声」など生体から発する微細な振動を非接触で取得し、その信号を抽出できる振動センサーを活用することで、おもにヘルスケアやモビリティ分野において、新たな価値を提供するもの。今後、介護・看護業界や自動車業界など、生体センサーをビジネスに活用したいさまざまな企業と協業し、シート型非接触振動センサーを用いた新事業の創造に積極的に取り組んでいく。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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