【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日立国際、竹内製作所、オリンパス
日立国際 <日足> 「株探」多機能チャートより
日立国際電気<6756>が急反発し年初来高値を更新。昨年6月につけた高値1975円を払拭すれば1997年以来19年ぶりの2000円大台替えが指呼の間だ。IoT時代の到来とともにデータセンターの大容量化・高速化投資が進展、つれて従来の平面型ではなく立体方向に積層化された3次元NAND型メモリー関連の投資意欲が強く刺激されている。同社は前工程で使用されるサーマルプロセス装置(熱処理成膜装置)で世界シェア40%前後と東京エレクトロン<8035>と双璧。韓国サムスン電子が来春にも増産体制に動くとの思惑が取り沙汰されるなか、実質青空圏突入を目前としている同社株への注目度が必然的に高まっている。
■日本金銭機械 <6418> 1,640円 +81 円 (+5.2%) 本日終値
日本金銭機械<6418>が連日の年初来高値。同社は欧米カジノ向けの貨幣処理機で強みを持ち、米国ではトップメーカーとしての実績を持つ。現在行われている秋の臨時国会でIR推進法案が審議中にあるが、法案成立を期待する声も強く、つれて同社の収益機会拡大への思惑も膨らんでいる。一方、桜島埠頭<9353>が急騰している。大阪誘致を目指している2025年の万国博覧会の主会場は大阪湾の人工島の夢洲に一本化された。この夢洲では万博に先立ってカジノ関連などIR施設の開業も計画されており、夢洲の近隣である此花区梅町に倉庫を保有していることから、資産価値上昇に対する期待が投機資金の食指を動かしているもよう。
■竹内製作所 <6432> 1,800円 +81 円 (+4.7%) 本日終値
竹内製作所<6432>が大幅高で6連騰。同社は欧米を中心に売上高の97%を海外で稼ぐ異色企業。為替の影響は大きいが、足もと1ドル=102円台前半、1ユーロ=114円台半ばと急速な円安が進行していることで、輸出採算悪化懸念が後退している。また、英国のEU離脱を巡る影響は限定的とみられ、見直し機運が優勢となった。16年3~8月期の営業利益は2ケタ減益予想が一転増益で着地したことも買い人気を支える。さらに、欧州では移民の増加が仮設住宅需要の増勢につながり、同社が手掛けるミニショベル需要の拡大思惑も株高要因となっている。
■昭和電工 <4004> 1,339円 +52 円 (+4.0%) 本日終値
昭和電工<4004>が続伸、電気自動車(EV)市場の拡大を背景とするリチウムイオン電池関連として上昇気流に乗っている。直近は利益確定圧力も強まっているが、ここ一両日は買い物に厚みが加わり新値近辺で売り物を吸収している。ノーベル賞発表の皮切りとなった医学生理学賞を東工大の大隅良典栄誉教授が受賞したことで、関連銘柄ががぜん盛り上がりをみせている。きょうは物理学賞の発表を控えており、その候補にカーボンナノチューブ(CNT)関連が挙がっている。同社はリチウムイオン電池向けに負極材向け多層CNTを手掛けていることから、関連有力株として先回り買いを呼び込んでいるもようだ。
■オリンパス <7733> 3,690円 +140 円 (+3.9%) 本日終値
オリンパス<7733>が高い。同社は3日、アウトソーシング事業を行う子会社のNOC日本アウトソーシングを、投資事業を手掛けるロングリーチグループに譲渡することで合意したと発表。これが評価材料となっているようだ。オリンパスは3月30日に公表した2016経営基本計画の重点戦略のひとつとして「必要経営資源の適時確保・最大活用」を掲げており、今回の譲渡はその一環。なお、17年3月期に譲渡に伴う特別利益の計上が見込まれるが、会社側では現時点での業績への影響は未確定だとしている。
■ディスコ <6146> 12,410円 +460 円 (+3.9%) 本日終値
3日、ディスコ <6146> が個別売上高の速報値を発表。17年3月期第2四半期(7-9月期)の売上高は前年同期比1.8%増の284億円だったことが買い材料視された。第2四半期の過去最高売上高を更新した。アジアでメモリー向けの設備投資が活発化したことで、精密加工装置や消耗品の販売が伸びたことが寄与。なお、上期(4-9月期)売上高は計画比3.6%増の557億円となった。
■カワチ薬品 <2664> 2,545円 +83 円 (+3.4%) 本日終値
3日、カワチ薬品 <2664> が月次売上高を発表。9月既存店売上高が前年同月比2.3%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが買い材料。例年に比べ台風が多く発生したものの、集客に注力したことや残暑が続き夏物商材の販売が好調だったことが売上増加につながった。
■ダブル・スコープ <6619> 2,120円 +60 円 (+2.9%) 本日終値
ダブル・スコープ<6619>、旭化成<3407>、昭和電工<4004>、ステラ ケミファ<4109>、関東電化工業<4047>、住友化学<4005>などリチウムイオン電池関連に位置づけられる銘柄に買いが集中した。世界的に環境保全に対する意識が高まるなか、自動車業界でも燃費や排ガス規制強化の流れが強まっており、車載用2次電池としてリチウムイオン電池の需要が急増傾向にある。既にダブル・スコープは電池材として不可欠である熱に強いコーティング型セパレーターの生産能力を大幅増強する動きをみせるなど、関連各社の動きが急だ。また、2016年のノーベル賞ウイークとなった今週、5日に化学賞の発表が予定されるなか、リチウムイオン電池・部材の実用化が候補テーマに挙がっており、関連銘柄としての人気化を見込んだ買いも呼び込んでいる。
■フジ <8278> 2,077円 +54 円 (+2.7%) 本日終値
3日、フジ <8278> が決算を発表。直近3ヵ月の実績である16年6-8月期(2Q)の連結経常利益が前年同期比30.9%増の16.7億円に拡大したことが買い材料視された。なお、上期(3-8月)の同利益は2.2%増の37.2億円となった。新規出店や店舗改装を進めたほか、生鮮食品やデリカ部門の強化を行い、増収を確保。水道光熱費を抑制したことも利益拡大に貢献した。4-6月期(1Q)は13.2%減益だっただけに、累計でプラスに転じたことを好感する買いが向かった。
株探ニュース