【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):トヨタ、環境管理、メンバーズ
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
トヨタ自動車<7203>は売り買い交錯も売り物に押された。前日の米国株市場では8月の小売売上高が市場コンセンサスを下回ったことで9月利上げ思惑が後退、NYダウが急反発となったことで主力株にはリスクをとる動きが優勢だ。しかし、日米金利差拡大の思惑から外国為替市場では1ドル=102円台を割り込む円高に振れており、輸出採算悪化に対する懸念が同社株など自動車セクターの上値を押さえる要因となっている。一方、同社は15日、ロボティクス自動運転の研究で、米NPOと提携することを発表したと日本経済新聞などが報じており、これは株価の下支え要因となる。
■環境管理センター <4657> 442円 +80 円 (+22.1%) ストップ高 本日終値
環境管理センター<4657>がストップ高。東京・豊洲新市場で地下に土壌対策の盛り土をしていなかった問題に関連して、土壌や地下水汚染調査などで官公庁からの調査受注実績の多い同社に思惑が働いているようだ。また同社のほか、土壌汚染調査から処理までを行うダイセキ環境ソリューション<1712>や、地盤調査の地盤ネットホールディングス<6072>、土壌汚染対策事業を展開するエンバイオ・ホールディングス<6092>などにも物色人気が波及している。
■メンバーズ <2130> 642円 +100 円 (+18.5%) ストップ高 本日終値
15日、メンバーズ <2130> [東証2] が17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の9000万円→1億7500万円に94.4%上方修正。従来の47.7%減益予想から一転して1.7%増益を見込み、2期連続で上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。Webビジネスの拡大を背景に、主力のWeb運用支援サービスの受注が想定以上に伸びることが寄与。事業拡大に向けた人件費の増加で減益を見込んでいたが、売上拡大でこれを吸収する。
■ヤーマン <6630> 3,680円 +420 円 (+12.9%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
ヤーマン <6630> が4連騰し上場来高値を更新した。13日に発表した17年4月期第1四半期(5-7月)の連結経常利益が前年同期比2.5倍の11.1億円に急拡大して着地したことが引き続き材料視された。5-7月期は通販や量販店向けに美顔器を中心とする美容健康機器の販売が大きく伸び、23.9%の大幅増収を達成。原価低減に加え、円高による採算改善も利益拡大に貢献した。上期計画の14.6億円に対する進捗率は76.1%に達しており、8月に上方修正した業績のさらなる上振れを期待する買いが続いている。
■アクセル <6730> 718円 +54 円 (+8.1%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率10位
15日、アクセル <6730> が17年3月期上期(4-9月)の経常損益(非連結)を従来予想の4億5000万円の赤字→2000万円の黒字(前年同期は7億5000万円の黒字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなったことが買い材料。伊勢志摩サミット開催の影響を受けた第1四半期から一転して、パチンコ機の入れ替え需要が急回復したことで、主力のグラフィックスLSIの販売が想定以上に伸びることが寄与。研究開発費の一部が下期にずれ込むことも黒字浮上の要因となる。
■SHIFT <3697> 1,328円 +67 円 (+5.3%) 本日終値
SHIFT<3697>が後場一段高。前引け後にオルトプラス<3672>との合弁企業であるSHIFT PLUSが、高知県進出企業とカスタマーサポート(CS)業務へのAI(人工知能テクノロジー)システム導入に向けた資本業務提携契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが同社とオルトプラスに入っている。今回、SHIFT PLUSと資本業務提携を結んだのは、AIを用いた対話システムの開発を手掛けるNextremer(東京都板橋区)と、その100%子会社で人工知能技術開発のための学習データを提供するdataremer(高知県南国市)。今回の提携により、Nextremerの対話エンジン開発技術、dataremerのもつ学習データ、およびSHIFT PLUSが培ってきたCSに関する知見を事業の柱として、「AIと人の新しいコミュニケーション」による付加価値の高い事業の創造、発信を目指し、CS業務における対話システムの開発およびサービス化に着手するとしている。
■ジーンテクノサイエンス <4584> 2,894円 +114 円 (+4.1%) 本日終値
ジーンテクノサイエンス<4584>が反発。この日の朝方、三和化学研究所(名古屋市東区)と共同開発を行っている腎性貧血治療薬ダルベポエチンアルファのバイオシミラーについて、国内第3相臨床試験を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同製品は、持続型赤血球造血刺激因子製剤。先行品は保存期慢性腎臓病から透析期までの腎性貧血患者に対して、腎性貧血の症状を改善する目的で広く使用されており、前年の年間売上高は575億円とされている。同社では、14年1月21日付で三和化学研究所と共同開発契約を締結し開発を進めていたが、今後も製造販売承認取得を目指して共同開発を推進するという。なお、同件に伴う17年3月期業績への影響は軽微としている。
■いい生活 <3796> 330円 +10 円 (+3.1%) 本日終値
いい生活<3796>が続伸。15日の取引終了後に発表した8月度の月次概況(速報)で、クラウドソリューション事業の売上高が1億7700万円で前年同月比10.6%増となり、16カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。受託開発売り上げの計上があったことなどが寄与。また、1法人当たりの平均月額単価は前年同月比2800円増の約12万5000円となった。
■PSS <7707> 364円 +11 円 (+3.1%) 本日終値
プレシジョン・システム・サイエンス<7707>が高い。15日の取引終了後、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」事業において、研究開発項目「高生産性微生物創製に資する情報解析システムの開発」の委託先として、プロジェクトに参画すると発表しており、これを好感した買いが入っている。同プロジェクトは、植物や微生物の細胞が持つ物質生産能力を最大限に引き出した「スマートセル」を作り出し、従来の合成法では生産が難しい有用物質の創製、生産プロセスの低コスト化や省エネ化の実現を目指すというもの。同社はこれに用いられる「DNA精製技術の開発」のうち「磁性ビーズを用いた配列特異的DNA断片除去法の開発」で、DNA精製試薬の開発を目指すとしている。なお、同社はこれまでにもDNA自動抽出装置や全自動遺伝子診断装置など自動化装置の提供で国家的なプロジェクトに参画してきたが、今回は新たに試薬の開発を担当することになる。
●ストップ高銘柄
オルトプラス <3672> 385円 +80 円 (+26.2%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
エディア <3935> 2,378円 -500 円 (-17.4%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース