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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「SQ明け、25日線を注視」

株式評論家 富田隆弥

◆7日に日銀がETFを733億円購入した。9月になり最初の購入だが、先月までの1日707億円規模を増額させた。日銀は年間6兆円の購入を表明しており、市場には「ETF購入ピッチをさらに加速させる」との読みが広がっている。

◆この日銀の強烈な介入(PKO)により、日経平均株価の下値不安が大きく後退、売り方が影を潜めてきた。先物建て玉を見ると、売りの常連であった米国系やヘッジファンド系証券のショートカバーが急速に進み、それに伴い裁定買い残は大きく整理が進展、9月2日現在で6915億円とカラカラ同然の水準にある。

◆売りの減少はメジャーSQ(9月9日)に伴う一時的現象の可能性もあるので、12月限の始まる「9月9日現在の建て玉」(12日夕方発表)を確認したいところだが、いまのところ12月限の先物建て玉は「買い建て」が優勢になっている。また、SQ通過で相場が流れを変えることがあるので、12日以降の動向が1つの注目点となる。

◆日経平均は5日に1万7156円まで上げ、節目の1万6900円台や200日移動平均線を一気に抜いたが、そこで「三空」頭打ちとなり、その後はジリ安のスピード調整で8日終値は1万6958円。日足は1万6700円処の25日線や下値抵抗線の上にあり、上向きの流れが続いているが、先物12月限の値が1万6820円と現物より138円程下にある。9日のSQ後がどちらにサヤ寄せして始まるか目先のポイントだが、25日線を維持していれば上向きを継続、5月31日高値や4月25日高値の1万7250~1万7600円指向と言える。

◆ただし、為替(ドル円)は75日線に頭を叩かれ、まだ25日線の101円処でもたついている。日本国債は8月早々の急落あと151円台で踊り場を形成し、NYダウは最高値水準でもたつき、日足がダブルトップや三尊天井の高値を形成しかねない雰囲気だ。波乱が珍しくない「秋相場」で、21日の日銀決定会合、FOMCも近づいてくる。日銀PKO相場とはいえ、買いに片寄る相場はリスクも高まることから、日経平均が25日線をもし割るなら、一旦「慎重」に身構えることはシナリオに入れておきたい。

(9月8日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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