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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

理経 <日足> 「株探」多機能チャートより

■理経 <8226>  247円 (+50円、+25.4%) ストップ高

 理経 <8226> [東証2]が急伸。8日の午前中、Jアラート(全国瞬時警報システム)用「新型受信機」の販売を開始したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。Jアラートは、総務省消防庁が国民保護情報(弾道ミサイル情報など)、津波警報、緊急地震速報などの緊急情報を、通信衛星を用いて国(内閣官房・気象庁から消防庁経由)から送信し、市区町村などの防災行政無線などを自動起動し、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム。03年に理経が総務省消防庁に提案し、現在に至っているが、今回、総務省消防庁によりハードウエアの仕様が更新され、それに合わせたソフトウエアがリリースされることを受けて、5年ぶりに「新型受信機」の発売となったという。なお、同社では初年度10台、次年度1000台の販売を見込んでいる。

■メディアス <3154>  2,833円 (+500円、+21.4%) ストップ高

 7日、メディアスホールディングス <3154> [東2]が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。同時に株式分割に加え、市場変更記念配当を10円実施する形で年間配当を従来計画の80円→50円に修正したことも買いに拍車を掛けた。年間配当は実質25%の増額となる。

■マネースクウェアHD <8728>  1,029円 (+150円、+17.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。7日、マネースクウェアHD <8728> に対して米投資ファンドのカーライル・グループ傘下のインフィニティがTOB(株式公開買い付け)を実施し、MBO(経営陣が参加する買収)で非上場化すると発表したことが買い材料視された。TOB価格が前日終値を42.2%上回る1株1250円とあって、8日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は9月8日から10月24日まで。非上場化で短期的な業績動向に左右されない状況を作るとともに、カーライル・グループのもとで事業基盤を強化する。

■サイバーコム <3852>  799円 (+100円、+14.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。サイバーコム <3852> やアルチザネットワークス <6778> [東証2]がストップ高まで買われたほか、ネクストジェン <3842> [JQG]も一時ストップ高まで上昇。構造計画研究所 <4748> [JQ]、パルテック <7587> [東証2]なども買われるなど、5G関連銘柄の上げが目立った。ソフトバンクグループ <9984> は8日、第5世代移動通信システム(5G)の導入に向けて、さまざまな最新技術をいち早く顧客に提供する「5G Project」を開始すると発表し、これが刺激となったもよう。5Gは高速通信サービス「LTE」に比べ最大100倍の通信速度が実現され、自動運転やあらゆる機器がネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)の実現に向け、欠かせない技術として関心が高い。

■アクセルマーク <3624>  1,600円 (+190円、+13.5%)

 アクセルマーク <3624> [東証M]が3日続伸。同社は7日、時を思考する対戦RPG「ワールドクロスサーガ ―時と少女と鏡の扉―」(略称:ワクサガ)が350万ダウンロードを突破したと発表した。6日には「ワクサガ」の大型アップデートを実施したことを明らかにしており、さらなるユーザー数の拡大などが期待されたようだ。

■任天堂 <7974>  27,955円 (+3,260円、+13.2%)

 東証1部の上昇率4位。任天堂 <7974> が急騰。米アップルが現地時間7日に開催したイベントで「iPhone7」などを発表、世界の耳目を集めたが、そこで任天堂は人気ゲーム「スーパーマリオ」の新作である「スーパーマリオラン」をiPhone向けに提供することを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。同社株は7日に東証1部断トツの売買代金をこなし、5%近い急伸をみせていたが、7月19日には「ポケモンGO」関連人気に乗り3万2700円まで上値を伸ばしたこともあって、戻り相場はまだ中盤とみたリバウンド期待の買いが勢いを増した。

■ディー・エヌ・エー <2432>  3,600円 (+345円、+10.6%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率5位。ディー・エヌ・エー <2432> が一時値幅制限上限まで上値を伸ばした。米アップルが現地時間7日に開催したイベントで任天堂は人気ゲーム「スーパーマリオ」の新作である「スーパーマリオラン」をiPhone向けに提供することを発表、これが任天堂の株価を一気に押し上げた。ディーエヌエーは同ゲームの開発や運営で任天堂 <7974> に協力しており、これを買いの根拠に投機資金が集結した。このほかでは、ポケモンGOが「アップル ウォッチ」に対応することも発表され、ポケモノミクス関連として人気化した経緯があるサノヤスホールディングス <7022> 、イマジカ・ロボットホールディングス <6879> なども人気再燃となり値を飛ばした。

■塩野義製薬 <4507>  5,104円 (+220円、+4.5%)

 塩野義製薬 <4507> が後場に入って一段高。同社は8日、米ラスベガスで開催されている米国最大の疼痛学会「PAINWeek2016」で、便秘症を対象とした拮抗薬「ナルデメジン」の第3相臨床試験で得られた長期安全性や有効性などの良好な結果を公表したことを明らかにした。なお、同社は16年3月に「ナルデメジン」の国内での製造販売承認申請ならびに米国で新薬承認申請をしている。米国処方薬ユーザーフィー法に基づくFDA(米国食品医薬品局)の審査終了目標日は17年3月23日が予定されている。

■さくらインターネット <3778>  995円 (+42円、+4.4%)

 さくらインターネット <3778> が一時4ケタ大台を回復したのをはじめ、アイリッジ <3917> [東証M]、GMOペイメントゲートウェイ <3769> 、セレス <3696> [東証M]、マネーパートナーズグループ <8732> などフィンテック関連に位置づけられる銘柄が軒並み高となった。日本でも「ビットコイン」など仮想通貨に対する規制を盛り込んだ資金決済法改正および銀行法改正により、欧米に後れをとっているフィンテック分野での官民を挙げたキャッチアップが始まっている。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などをはじめとするメガバンクがフィンテック分野で、ITベンチャーとの協業に前向きな動きを示すほか、8月下旬に日銀が第1回Fintechフォーラムを主催するなど同業界へのアプローチを強めていることで、株式市場でも改めて注目を集め始めた。そうしたなか8日付の日本経済新聞が「金融と情報技術を組み合わせたフィンテック事業を手掛ける企業への投資が急増している。2016年は世界で240億ドル(2兆4000億円強)と過去最高を更新する見通しだ」と報じたことが、新たな刺激材料となった。「日本でも関連する金融商品が相次いで立ち上がり、三井住友アセットマネジメントが新たに設定する投資信託は当初の運用規模が700億円超と今年最大になる。個人も含めた投資マネーの流入で、金融業の技術革新が一段と加速する可能性が出てきた」と記事は伝えており、関連銘柄のビジネスチャンスを想起させる格好となっている。

■京都銀行 <8369>  764円 (+21円、+2.8%)

 京都銀行 <8369> が大幅高。8日は地銀株が総じて強い動きをみせるなか、ひと際目立った上げ足をみせた。任天堂 <7974> がiPhone向けに人気ゲーム「スーパーマリオ」の新作を配信することを発表し、これが任天堂の株価を大きく押し上げたが、京都銀行は4%強保有する大株主として、含み益拡大などの恩恵を享受する。9月20~21日の日銀金融政策決定会合でマイナス金利の深掘りに対する警戒ムードは残るものの、貸出金も順調に伸びている状況でPBR0.5倍未満の時価は割安感も強い。

■日本郵船 <9101>  200円 (+5円、+2.6%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が買われ、業種別騰落率で値上がり上位にランクされた。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の戻りが加速しており、6日時点で前日比21ポイント高の745と急伸、7月19日以来の水準を回復している。またコンテナ船では韓国の海運大手が8月末に経営破綻したことが、コンテナ貨物船運賃の大幅上昇につながっており、海運セクターの収益環境に追い風局面となった。

■ホシザキ <6465>  8,710円 (+160円、+1.9%)

 ホシザキ <6465> が3日続伸。岩井コスモ証券が7日付のリポートで、投資判断「A」、目標株価9700円でカバレッジを開始したことが好感された。同社はホテルやファミレスなどで使用する業務用厨房機器を手掛けている。16年12月期上期は円高の影響を吸収し営業利益は期初計画を超過達成したことに加え、下期はのれん代の償却終了で会社計画342億円を上回る360億円を予想している。また、20年12月期に売上高4000億円を目標とする会社計画に向けて、海外ビジネスの強化を図っており、中長期的な業績拡大が見込まれる。

■ダイセキ <9793>  1,868円 (+33円、+1.8%)

 ダイセキ <9793> が堅調。7日付でみずほ証券が投資判断「買い」、目標株価2650円を継続。17年2月期は通期連結営業利益で会社側計画の76億9000万円(前期78億4900万円)に対して従来予想の81億2000万円から85億円へ引き上げた。足元では原油市況の回復と安定化により、同社単独の業績にプラス効果が現れ始めていると指摘している。

■クレディセゾン <8253>  1,802円 (+31円、+1.8%)

 クレディセゾン <8253> が反発。同社は8日、10月から国内でサービスを開始するApple Payに対応することを明らかにした。同社が発行するセゾンカードおよびUCカードの会員、約2500万人を対象にiPhone7、iPhone7Plus、Apple Watch Series2でApple Payが利用できるようになる。

■カネカ <4118>  832円 (+10円、+1.2%)

 カネカ <4118> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は7日、目標株価を750円から810円に引き上げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。同証券は、17年3月通期の連結営業利益を350億円から390億円(会社予想は420億円)に上方修正した。円高が進行するなかで4-6月期の営業利益は88億円(前年同期比2%増)と堅調だった。ただ、為替の1ドル=100円水準が続けばマイナス要因となるとも指摘している。今後の注目点は、7月から稼働を開始した合成繊維カネカロンのマレーシア新工場の稼働率上昇の時期とみている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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