【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):旭硝子、野村総研、アドテスト
旭硝子 <日足> 「株探」多機能チャートより
旭硝子<5201>が反発。30日付で岡三証券がレーティング「強気」、目標株価760円継続、16年12月期を通期連結営業利益で従来予想の810億円から会社側計画と同様の840億円(前期711億7200万円)へ引き上げた。第2四半期に欧州を中心に本業であるガラス事業の改善が確認できたことをポジティブに評価。また、化学品事業も今後、東南アジアにおける成長が期待される状況であることを考慮すると、現在の株価は評価余地があると指摘している。
■野村総合研究所 <4307> 3,500円 +125 円 (+3.7%) 本日終値
野村総合研究所<4307>が後場一段高。同社グループのNRIデジタルはきょう、デジタル社会における革新的なサービスやビジネスモデルを探索する「オムニチャネル研究会」を発足すると発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。研究会では、次世代のオムニチャネル・マーケティングのモデルを構築することを目的に、産学連携での研究活動を推進。16年度はオムニチャネル先進企業の取り組みケースから、オムニチャネル・マーケティングで実現できること、成果を高めるポイントを整理し、モデル作りの基礎情報を抽出する予定だとしている。
■いちよし証券 <8624> 816円 +28 円 (+3.6%) 本日終値
30日、いちよし証券 <8624> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.2%にあたる50万株(金額で4億5000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月5日から10月31日まで。
■日本ゼオン <4205> 890円 +28 円 (+3.3%) 本日終値
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が30日付で日本ゼオン <4205> の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価を900円→1000円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、LiB(リチウムイオン電池)用バインダーを始めとする高機能材料部門が好調であると報告。LiB用バインダーは同社が世界最大手の水系のシェアが上昇しており、新たな成長製品になると指摘している。また、光学フィルムであるZEONORフィルムの有機ELテレビへの採用などが活発になれば、株価にポジティブな影響を与えるとした。
■大豊建設 <1822> 540円 +17 円 (+3.3%) 本日終値
大豊建設<1822>が高い。総工費9兆円以上におよぶ“世紀のビッグプロジェクト”といってよいリニア中央新幹線工事では、政府が経済対策の一環として、名古屋―大阪間の延伸工事を財政投融資の活用で最大8年の短縮を図る方針。大深度地下でシールド工法を手掛ける同社のビジネスチャンスが意識されている。東海東京調査センターが30日付で、同社株のレーティングを「アウトパフォーム」目標株価700円でカバレッジしており、これが株価にポジティブに働いている。同調査センターでは「17年3月期受注は、会社計画の1400億円を上回ると予想。土木の大型工事が 受注を押し上げると見ている。既に16年4~6月期に東京外環道ランプ工事を受注。今後もリニア中央新幹線のシールドトンネル関連工事の受注可能性があるほか、今年度の公共事業前倒しの恩恵を受けることも予想される」としている。
■IIJ <3774> 1,907円 +56 円 (+3.0%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が反発。同社は30日、国内初の「フルMVNO(仮想移動体通信事業者)」として17年度中の商用サービス開始を目指すと発表した。同社は携帯電話の加入者管理機能(HLR/HSS)をNTTドコモ<9437>から借りているが、これを自社運営に切り替える方針。これにより独自のSIMカードの調達・発行が可能になり、より自由なサービス設計ができるようになる。特に、今後発展が見込まれるIoT分野では、組み込み型SIMの提供や課金・開通管理などを自由にコントロールできるサービスの開発ができ、新しいMVNOビジネスモデルの創出が期待できる。
■日テレHD <9404> 1,671円 +47 円 (+2.9%) 本日終値
日本テレビホールディングス<9404>が3日続伸。同社はきょう、子会社でフィットネスクラブを運営するティップネスとともに、スマートメディカル(東京都千代田区)に出資したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。スマートメディカルは、多診療科クリニックの企画・開発および音声気分解析技術「Empath」の開発・提供を行っている企業。ティップネスは、スマートメディカルが経営支援する多診療科クリニックとの店舗間連携や「Empath」を活用した新たなビジネスモデルの構築を行う予定だとしている。
■明電舎 <6508> 326円 +9 円 (+2.8%) 本日終値
明電舎<6508>が3日続伸。30日の取引終了後、従来未定としていた17年3月期の配当について、中間配当を4円(前年同期4円)にすると発表しており、これを好感した買いが入っている。なお、期末配当は引き続き未定としている。
■アドバンテスト <6857> 1,549円 +40 円 (+2.7%) 本日終値
30日、アドバンテスト <6857> が配当方針を変更し、配当性向を30%に引き上げると発表したことが買い材料視された。現行の連結配当性向20%から、より業績連動に重点を置いた「半期連結配当性向30%」に変更する。中間配当と期末配当がある場合は、連結配当性向を中間期(4-9月期)30%、下期(10-3月期)30%とし、17年3月期の中間配当から実施する。発表を受けて、株主還元の強化を好感した買いが向かった。
■日本信号 <6741> 840円 +21 円 (+2.6%) 本日終値
日本信号<6741>が反発。30日取引終了後、JR西日本<9021>と資本業務提携契約を締結したと発表したことが好感された。JR西日本の子会社であるてつでん(大阪府豊中市)の発行済み株式総数の49.0%をJR西日本から取得する一方、JR西日本は日本信号の同3.0%を取得し、今後は3社で連携する。同提携により3社は、新たな信号システム装置の開発・設計・製造などに取り組む。なお、17年3月期業績に与える影響は軽微としているが、中長期的に業績の向上に資するとみている。
株探ニュース