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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

日合成 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本合成化学工業 <4201>  855円 (+150円、+21.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。日本合成化学工業 <4201> が連日ストップ高。5日、同社に対して三菱ケミカルホールディングス <4188> 子会社の三菱化学と三菱化学ヨーロッパがTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すと発表したことが引き続き買い材料視された。TOB価格は1株910円で本日もこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は8日から9月20日まで。予定通りTOBが実施された場合、同社株は上場廃止となる見込み。

■ブラザー工業 <6448>  1,517円 (+245円、+19.3%)

 東証1部の上昇率3位。8日、ブラザー工業 <6448> が17年3月期の連結税引き前利益を従来予想の450億円→485億円に7.8%上方修正したことが買い材料視された。想定以上に円高が進み売上は計画を下回るものの、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業を中心に販促費の抑制やコスト削減を進めることで採算が大きく改善する。なお、通期の前提為替レートを1ドル=110円→105円に、1ユーロ=125円→115円に変更した。

■日機装 <6376>  826円 (+89円、+12.1%)

 東証1部の上昇率9位。8日、日機装 <6376> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.05%にあたる300万株(金額で25億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は8月9日から10月31日まで。また、9月30日付で、買い付け株数と同数の300万株を消却する。同時に決算を発表。16年12月期上期(1-6月)の連結経常損益が2.4億円の赤字となり、従来の30億円の黒字予想から一転赤字で着地したが売り材料視されなかった。

■HUG <3676>  3,400円 (+365円、+12.0%)

 東証1部の上昇率10位。8日、ハーツユナイテッドグループ <3676> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.2倍の5.2億円に急拡大して着地したことが買い材料。ソーシャルゲーム市場の拡大を背景に、主力のデバッグ事業でゲーム向け不具合検出の受注が拡大したことが寄与。マーケティング支援など付加価値の高いサービスの提供による採算改善も大幅増益に貢献した。同時に、9月末割当で1→2の株式分割を実施すると発表。流動性の向上や投資家層の拡大を好感する買いも向かった。

■日本製鋼所 <5631>  511円 (+49円、+10.6%)

 8日、日本製鋼所 <5631> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比4.1倍の36.3億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。高精細パネル製造装置やフィルム・シート装置の販売が好調だった産業機械事業が収益を牽引した。電力・原子力製品などの販売増加に加え、減価償却費が減少したことも利益拡大に貢献した。上期計画の50億円に対する進捗率は72.7%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■シノケングループ <8909>  2,216円 (+177円、+8.7%)

 8日、シノケングループ <8909> [JQ] が決算を発表。16年12月期上期(1-6月)の連結経常利益が前年同期比19.6%増の46.2億円に伸び、従来予想の39億円を上回って着地したことが買い材料視された。個人投資家向けに投資用マンションの販売が大きく伸びたことが寄与。建設工事請負や不動産賃貸管理の収益拡大も増益に貢献した。通期計画の71億円に対する進捗率は65.2%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■五洋建設 <1893>  580円 (+46円、+8.6%)

 8日、五洋建設 <1893> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比71.1%増の67.8億円に拡大して着地したことが買い材料視された。海外土木工事を中心に高水準な手持ち工事が順調に進み、11.8%の大幅増収を達成したことが寄与。受注単価の上昇による工事採算の改善なども大幅増益に貢献した。上期計画の93億円に対する進捗率は73.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■任天堂 <7974>  22,850円 (+1,570円、+7.4%)

 任天堂 <7974> が続急伸。一時2万3000円大台替え目前まで買われ、時価総額ベースで3兆2000億円台まで回復、前日と合わせ2日間で時価総額は約3000億円強増加した。株価は「ポケモンGO」の国内配信が行われる直前の7月19日に期待感から3万2700円まで買われたが、その後は急速な調整を余儀なくされていた。ポケモンGOの同社業績に与える影響が限定的であるとのリリース開示に加え、低調な第1四半期決算、周辺機器として収益寄与が期待された「ポケモンGOプラス」の発売延期など、ネガティブ材料が相次いだことが下げを助長したが、2万円台を割り込まずにソーサーボトムを形成、ここにきて売り一巡感が出ている。証券系調査機関の評価は概ね強気を維持している点も強みで、直近8月5日にはみずほ証券が投資判断「買い」継続でフォロー(目標株価3万1000円)するなど、上値の可能性が再び意識されている。また、任天堂の株価上昇を受けて、サノヤスホールディングス <7022> 、イマジカ・ロボット ホールディングス <6879> 、日本マクドナルドホールディングス <2702> 、Hamee <3134> 、エレコム <6750> 、ハピネット <7552> 、エスケイジャパン <7608> などポケモン関連株に位置づけられる銘柄群も軒並み再動意の展開をみせている。

■日本新薬 <4516>  5,320円 (+350円、+7.0%)

 8日、日本新薬 <4516> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比4.7倍の41.3億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。前立腺肥大症治療薬や骨髄異形成症候群治療薬の販売が好調だったうえ、肺高血圧症治療薬「セレキシパグ」に係る一時金・ロイヤルティ収入も寄与し、23.3%の大幅増収を達成した。上期計画の33.5億円を既に23.5%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■DIC <4631>  2,577円 (+168円、+7.0%)

 DIC <4631> が後場急伸。9日午後2時30分ごろに、16年12月期の連結業績予想について、売上高を8000億円から7800億円(前期比4.9%減)へ下方修正した一方、最終利益を250億円から300億円(同19.8%減)へ上方修正したことが好感された。円高の進行で売上高は計画を下回るとみられるものの、高付加価値品の成長やコストダウン、借入利率の低下による支払利息の減少、さらに持分法による投資利益の増加などが見込まれることが要因としている。なお、営業利益は540億円(同5.7%増)の従来予想を据え置いている。同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算は、売上高3776億9500万円(前年同期比7.8%減)、営業利益260億7200万円(同15.5%増)、最終利益169億6900万円(同11.0%増)だった。国内インキの収益回復、高付加価値品の成長やコストダウンなどで、為替影響をカバーして2ケタ営業増益を確保した。

■SUMCO <3436>  853円 (+48円、+6.0%)

 SUMCO <3436> が4連騰。16年1-6月期は円高が直撃し最終利益段階で8割減益と低迷したが、半導体シリコンウエハーの在庫調整が一巡し需要回復期に入っていることで、株価は既に7月初旬を境に急速に戻り相場に移行した。東海東京調査センターが同社のレーティングを8日付で「アウトパフォーム」継続でフォロー、これが買い安心感を与えている。信用取り組みも直近29日申し込み現在で売り残が増加する一方で買い残が減少、信用倍率1.43倍と急改善していることも需給面で追い風となっている。

■LINE <3938>  4,310円 (+235円、+5.8%)

 LINE <3938> が4日続伸。同社は先月中旬に東証とニューヨーク市場に同時上場を果たしたが、ここへきて国内外の有力証券がレーティングを発表している。ドイツ証券は8日、同社株のレーティングを新規「バイ」とし目標株価を4800円に設定した。同証券では、LINEは「ソーシャルメディアとして急成長する間際にある」と指摘。特に、同社は広告メディアとして若い顧客層に強みを持つ点などを評価。LINEの国内デジタル広告の市場シェアは15年の3%が17年までに8%に拡大すると予想している。また、みずほ証券も8日、同社株の投資判断を「買い」でカバレッジを開始した。目標株価は5200円としている。「サービス多様化と広告成長余地の大きさ」を指摘。同社は世界同業比較でサービス多様化と収益化で先行しているとみているほか、世界的に有力メッセージング企業の評価が上昇するなか、同社のバリュエーションには割安感があるとみている。

■コナミホールディングス <9766>  3,895円 (+175円、+4.7%)

 コナミホールディングス <9766> が5日ぶりに反発。開催中のリオデジャネイロオリンピックにおいて、体操男子団体総合で日本男子が3大会ぶりに金メダルを獲得したことが好材料視された。体操男子団体総合には、傘下のコナミスポーツクラブに所属する内村航平選手や加藤凌平選手、田中佑典選手などが出場。体操熱の高まりとともに、子ども向け「運動塾」の会員増なども期待されている。


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