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2016年06月20日19時00分

【特集】佐藤正和氏【迫る英離脱投票、“その後”のシナリオ】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 週明け20日の東京株式市場は、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の情勢で、残留派が盛り返していると伝えられているのを手掛かりに買い戻しが優勢となり、日経平均株価終値は、前週末比365円64銭高の1万5965円30銭と大幅続伸した。しかし、情勢は残留と離脱の支持が極めて拮抗しており、文字通りフタを開けるまで分からない状況が続きそうだ。英国の国民投票に関連しての今後の株価、円相場の見通しを第一線の市場関係者に聞いた。

●「英EU離脱なら1ドル=100円割れの円高も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 英国のEU離脱の是非を巡る国民投票の行方は、依然、不透明感が強い。英労働党の女性議員殺害でEU残留派が世論調査で優勢となったとも伝えられているが、23日の投票までには再度、状況は変わる可能性もある。EU離脱派と残留派の勢力は拮抗しており、投票結果をみるまではどちらの側が勝つかは分からない。国民投票の結果が出るまで、積極的なポジションは取りづらく、英国の世論調査などに一喜一憂する状況が続きそうだ。

 合理的にみれば、EU残留派に分がありそうだが、急増する移民が自分達の職場を奪っているとの反感や旧大英帝国への郷愁など複数の要因が絡み合っており、そう簡単に問題は収まりそうにない。

 英国がEU離脱を決定した場合、英ポンドやユーロが売られ、米ドル、円などは買われそうだが一番強いのは円だろう。このため、英国がEU離脱となれば、円は対ドルで1ドル=100円割れへ急激な円高が進む可能性がある。100円近辺に円が急上昇した場合、政府・日銀が為替介入に踏み切るか、どうかもポイントになるだろう。

 英国離脱が決定した場合の影響は簡単には収まらず、尾を引くと思う。スペインのカタルーニャ州や、カナダのケベック州など独立志向の強い地域を抱える国に飛び火する可能性もある。また、リスクオフが続き米国の7月利上げは見送られる可能性も出てくる。

 一方、英国がEUに残留した場合、1ドル=108~109円前後に円安が進む可能性がある。ただ、市場のセンチメントは円高に触れており、いったん円安が進んでも上値は限定的となりそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。


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