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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

アキュセラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■アキュセラ・インク <4589>  1,461円 (+300円、+25.8%) ストップ高

 アキュセラ <4589> [東証M]がストップ高。7日午後5時ごろに提出された大量保有報告書(変更報告書)で、SBIインベストメントなどSBIホールディングス <8473> グループの保有割合が21.07%から22.30%に上昇したことが明らかになっており、需給思惑が高まっているようだ。同社株は5月26日に、ドライ型加齢黄斑変性治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の臨床試験で有効性を示すことができなかったと発表し、株価は急落していたが、前日には10日ぶりに反発していた。今回のSBIグループの保有割合引き上げが、出直り本格化につながるとの期待が強まったようだ。

■丸和運輸機関 <9090>  2,992円 (+264円、+9.7%)

 東証1部の上昇率4位。丸和運輸機関 <9090> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付でレーティング「バイ」継続、目標株価を3240円から3700円へ引き上げた。低温物流センターの拡大や会員企業の拡大により事業規模を拡大し、新中計目標を超過達成すると指摘。17年3月期を通期連結営業利益で会社側計画の44億8300万円(前期38億7900万円)に対して従来予想の44億円から45億円へ、18年3月期を50億円から56億円へ引き上げている。

■アウトソーシング <2427>  5,050円 (+305円、+6.4%)

 アウトソーシング <2427> の上昇波鮮烈、5連騰で未踏の5000円大台乗せを果たし最高値街道をひた走る展開。製造業向け人材サービスを手掛けるが、メーカーの高水準の需要を取り込み16年12月期営業利益は前期比73%増の54億円予想と急成長が続く。期間工を受け入れ生産サイクルに合わせ機動的に派遣するPEOが好調で収益を押し上げている。6月6日付でJPモルガン・アセット・マネジメントなどが同社発行済み株式の5.6%を保有する大株主に浮上したことが判明、需給面の思惑が株価を一段と高みに押し上げる格好となった。

■リロ・ホールディング <8876>  17,110円 (+930円、+5.8%)

 リロ・ホールディング <8876> が上場来高値を更新。いちよし経済研究所では、17年3月期は全事業とも拡大基調に変化がなく、8期連続で最高益更新へ向かうと指摘。海外の成長戦略の前倒しを睨み、国内部門をさらに強化する方針として、事業部門間でのシナジーの追求など成長力の向上策は評価に値すると解説。レーティング「A」を継続、フェアバリューを1万6500円から2万円に引き上げている。

■スタンレー電気 <6923>  2,439円 (+131円、+5.7%)

 スタンレー電気 <6923> が反発。7日付で岡三証券がレーティングを新規「強気」、目標株価を2840円に設定した。一過性の生産性悪化の解消などから、連結営業利益率の改善が期待できる点や、株主還元に対する積極的な姿勢を評価。トップラインの成長力で劣るとみられるため、同業他社比較で高いバリュエーション評価は付与しづらいが、現状の株価水準は割安感があるとしている。

■リプロセル <4978>  540円 (+28円、+5.5%)

 リプロセル <4978> [JQG]が大幅続伸。7日の取引終了後、京都大学iPS細胞研究所とsrRNA(自己複製RNA)を用いた、ヒトiPS細胞から特定の種類の体細胞への分化誘導法の開発に関して共同研究契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。同研究は、srRNAを用いてヒトiPS細胞から特定の種類の体細胞を作製する方法の開発を目的としたもの。これまでヒトiPS細胞から特定の種類の体細胞を作製する際には、主にタンパク質や低分子化合物を添加する方法が用いられてきたが、細胞によっては、作製効率が低く、要する時間も長く、また十分な量を得るには多くの労力とコストが発生することが課題となっていた。同社が開発するsrRNAは、外来因子のゲノム挿入の恐れがない、安全な遺伝子発現を可能にするほか、複数の遺伝子を搭載させることも可能で、iPS細胞をはじめとした様々な細胞に対して、効率良くかつ持続的に目的の遺伝子を発現させることができるという。これを用いて、効率の良い分化誘導方法を開発することで、低コストで迅速に十分な量の特定の種類の体細胞を得られることが期待されている。

■住友林業 <1911>  1,543円 (+65円、+4.4%)

 SMBC日興証券が7日付で住友林業 <1911> の投資判断を「3(弱気)→2(中立)」に引き上げ、目標株価を1400円→1700円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、消費税増税の19年10月への延期やM&A効果による海外事業の拡大を踏まえ、18年3月期以降も増益基調が続くと報告。また、堅調な需要を背景に、住宅事業の総利益率や木材建材事業の収益想定を引き上げた。同証券では、17年3月期の営業利益を470億円→460億円に減額したが、18年3月期は390億円→470億円、19年3月期は420億円→490億円に上方修正した。

■トヨタ紡織 <3116>  2,321円 (+97円、+4.4%)

 トヨタ紡織 <3116> が高い。ドイツ証券は8日付のリポートで、投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を2800円から2900円へ引き上げたことが好感された。同証券では、米国の赤字、ヨーロッパやアフリカへの抜本的な対策に加え、オーストラリアとアジアの改善が奏功し、営業利益率が向上していることを評価。自動車需要や為替動向などを踏まえて17年3月期営業利益を592億円から649億円(会社計画525億円)へ、18年3月期を同625億円から718億円へ予想を引き上げた。

■リンテック <7966>  2,216円 (+82円、+3.8%)

 SMBC日興証券が7日付でリンテック <7966> の投資判断「2(中立)」を継続し、目標株価を2250円→2350円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、17年3月期は半導体関連粘着テープ・積層セラミックコンデンサー関連テープの販売拡大に加え、北米子会社MADICOの合理化効果が円高によるデメリットを吸収すると報告。さらに、減価償却方法の変更による影響も約30億円の利益押し上げ要因になると指摘している。同証券では、17年3月期の連結営業利益を170億円→205億円(会社計画は200億円)、18年3月期を180億円→215億円にそれぞれ上方修正した。

■パナソニック <6752>  990.1円 (+35.1円、+3.7%)

 パナソニック <6752> が大幅高。ここ有機EL関連が投資テーマとして改めて意識されており、「同社株にもその流れの中で思惑が錯綜している」(国内準大手証券)という。米アップルが来年秋ごろ発売予定の「iPhone7s」で有機ELディスプレーを採用する方針が伝わっており、来週13日から開催されるアップルの世界開発者会議(WWDC)では「新型MacBookが話題の中心だが、iPhone絡みでも材料が出る可能性が意識されているようだ」(同)という。「実際は今年発売のiPhone7の買い控えにつながる可能性もあるだけに有機ELパネル採用に絡む情報を積極的に出すとは思えない」(同)とも指摘されるが、iPhoneは現在、スマートフォンの世界販売の20%近くを占めているだけに、有機EL関連でも設備投資需要が先に立つ製造装置業界は色めき立っている。一方、韓国LG電子が、今年の有機ELテレビの販売台数を昨年比3倍の90万台強に大増産する計画が伝わっていることも期待感を膨らませている。パナソニックもこうした世界の潮流に乗り遅れないように、次世代パネルの有機ELを採用したテレビの世界展開を検討している。同社は既にテレビ用液晶パネルの生産を9月末で停止することを発表しており、「本格的な有機EL時代到来の予兆」(同)という。また、8日はテスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOが「電気自動車(EV)に搭載する電池でパナソニックのみと取り組んでいることを明確にしたい」とツイッターで述べた、と報じられたことが後場一段高の材料に取り上げられた。

■エムティーアイ <9438>  694円 (+22円、+3.3%)

 エムティーアイ <9438> が続伸。同社は7日取引終了後に、メディパルホールディングス <7459> と医療のIT化などで資本業務提携したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。両社の提携は、医療業界でアプリ(医療ソフト)での保険請求が実現するなど医療のIT化が進んでいることが背景。エムティーアイの開発力とメディパルの物流力や販売網といった経営資源を有効活用することで、新たな付加価値サービスの提供を目指す。なお、今回の提携により、エムティーアイの株式を第三者割当による自己株式処分の方法でメディパルに115万株(議決権割合2.07%)を譲渡する。

■日本工営 <1954>  384円 (+12円、+3.2%)

 日本工営 <1954> が後場上げ幅を拡大。8日午後2時30分ごろ、バングラデッシュのダッカ新空港建設にかかる調査業務を受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同国の民間航空局から約16億円で受注し、将来の旅客需要に応じた新空港建設にかかる事業性の精査、適地選定および整備計画を作成するという。また、洪水・軟弱地盤等の災害対策や環境評価など日本で培った技術を織り込み、既存空港と新空港を同時に運用するデュアル・ハブ・オペレーションの整備検討も進めていく予定としている。

■信越化学工業 <4063>  6,367円 (+169円、+2.7%)

 信越化学工業 <4063> が3日続伸。7日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエイト」継続、目標株価を6950円から7100円へ引き上げた。円高やシリコンウエハーの価格下落など外部環境は厳しいものの、今回の環境悪化局面でも強い抵抗力が発揮されると指摘。17年3月期を通期連結営業利益で従来予想の2150億円(前期実績2085億2500万円)から2170億円へ引き上げている。


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