【特集】日経平均に“抵抗力”、「好業績・低PER」銘柄に照準 <株探トップ特集>
紙パル商 <日足> 「株探」多機能チャートより
―日経平均「高値引け」、じわり増す円高抵抗力―
8日の東京株式市場は、相変わらず売買代金の少なさが継続しているものの、日経平均株価は終値で、前日比155円47銭高の1万6830円92銭と高値引けの続伸で、1万6800円台を回復した。外国為替市場の円相場は、1ドル=107円を挟んでの推移となったものの、株価は円高傾向にある程度の抵抗力を示した印象があった。今回は、好業績で信用取引の取組が比較的良好ながらもPERで割安水準にある銘柄に照準を絞った。
●トーモクは最新鋭工場の相次ぐ稼働が寄与
トーモク <3946> は、17年3月期連結業績見通しについて売上高1580億円(前期比4.4%増)、営業利益66億円(同29.7%増)と大幅増益を見込む。段ボール事業では、最新鋭設備の神戸工場と館林工場の本格稼働に加え、長野工場の今年3月からの稼働開始に伴って、高品質製品の供給体制が整った。住宅事業では、政策に伴う住宅ローン金利の低下や、省エネ住宅に対する支援策により新築需要が高まるものと予想される。そのなかで、同社の手掛けるスウェーデンハウスの強みである省エネ性能に力点を置き「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」対応の新商品「ヒュースエコゼロ」を本格的に販売するとともに施工品質のさらなる向上を目指す。
●日本紙パルプ商事は板紙の需要堅調
日本紙パルプ商事 <8032> は、17年3月期の連結業績予想を、売上高5200億円(前期比2.6%増)、営業利益85億円(同33.2%増)と見込む。板紙は段ボールを中心に軽量化が進むものの、加工食品・飲料向け需要が底堅いのに加え、通信販売向け需要は引き続き増加が期待される。在外卸売事業、製紙および加工などの事業における利益回復や、不動産賃貸事業における賃貸料収入の増加を見込む。
●タカラレーベンはマンション分譲で攻勢
タカラレーベン <8897> の17年3月期の連結業績予想は、売上高1050億円(前期比37.7%増)、営業利益150億円(同98.3%増)、純利益90億円(同2.1倍)と大幅な増収増益を見込む。地方の中心市街地を主力に新築マンション事業で、前期の1448戸を上回る1600戸の引き渡しを予定するほか、戸建分譲事業では288戸(前期194戸)の引き渡しを計画しており、これらにより業績拡大が見込まれる。
●大同メタルは自動車用軸受けが海外で拡大
大同メタル工業 <7245> の17年3月期の連結業績予想は、売上高815億円(前期比0.1%増)、営業利益77億円(同8.2%増)、純利益50億円(同27.6%増)を見込む。今期は主力事業の自動車用軸受けが海外で順調に拡大することに加え、一般産業分野については、発電設備などで使用される特殊軸受の需要増や、電気二重層キャパシタ用電極シートの売上増加が見込まれる。
●阪和興業は鋼材需要の増加見込む
阪和興業 <8078> の17年3月期の連結業績予想は、売上高1兆6000億円(前期比5.8%増)、営業利益210億円(同15.5%増)を見込んでいる。前期の商品市況の低迷などによる一過性の損失影響がなくなることや、建設分野向けを始めとした鋼材などの需要の増加、さらに商品市況も若干持ち直すことを見込んでいる。また、3カ年の中期経営計画を公表し、最終年度の19年3月期には売上高2兆円、経常利益200億円を達成する計画だ。
◆主な低PER・好業績・好取組銘柄◆
営業 信用
銘柄 増益率 倍率 株価 PER
九電工 <1959> 15.1 1.17 3180 9.9
ツカダGHD <2418> 15.0 0.40 732 8.7
トーモク <3946> 29.7 1.36 305 7.0
トクヤマ <4043> 38.7 0.71 267 5.5
三洋化成 <4471> 10.5 0.30 922 10.5
三井造 <7003> 86.2 2.01 156 6.0
市光工 <7244> 15.3 0.79 310 9.6
大同メタル <7245> 8.2 1.38 1009 8.0
ケーヒン <7251> 52.1 0.76 1794 9.0
TASAKI <7968> 17.5 0.76 1651 8.3
紙パルプ商事 <8032> 33.2 0.32 339 9.4
阪和興 <8078> 15.5 0.72 599 9.5
上新電 <8173> 23.8 1.00 927 9.2
タカラレーベン <8897> 98.3 0.82 752 9.1
イチネンHD <9619> 8.8 0.34 1006 7.1
※東証信用倍率は6月3日申し込み現在
※株価は6月8日終値(単位:%、倍、円)
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