【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):スズキ、いちごHD、鹿島、大日印
スズキ <日足> 「株探」多機能チャートより
スズキ<7269>が大幅反発。18日の取引終了後に記者会見を行い、現在国内で販売している16車種の排出ガス・燃費試験で、国の規定と異なる方法で燃費データを測定していたと発表したが、「燃費性能を偽る不正行為はなかった」としていることから、燃費データを改ざんしていた三菱自動車<7211>とは問題が異なるとの見方が強いもよう。会社側では「改めて検証した結果、申請した走行抵抗値及びそれにより測定した燃費値については修正の必要はない。また、排出ガス性能についても、保安基準に適合しており、問題はないと考えている」としており、業績に与える影響も現時点ではないとしている。
■いちごHD <2337> 469円 +13 円 (+2.9%) 本日終値
いちごグループホールディングス<2337>が反発。SMBC日興証券は、J‐REITの成長サポートのため不動産売却をこれまで以上に進めるスタンスと思われること、17年2月期ガイダンスは保守的で上振れ着地を見込むことを理由に、業績予想を見直したとのリポートをリリース。同証券では、不動産売却金額の増加を織り込んだことに伴い業績予想を引き上げたものの、17年2月期の予想PERは5月17日時点で14.2倍と業績拡大のポテンシャルを織り込んだ株価水準であるとみて、投資評価は「B」(中立)を継続している。
■イリソ電子工業 <6908> 6,180円 +130 円 (+2.2%) 本日終値
イリソ電子工業<6908>は小幅反発。日証金が18日付からイリソ電子株を貸株利用など貸借取引で注意喚起銘柄に指定すると発表した。信用取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、きょうは買いが優勢となっている。
■鹿島 <1812> 735円 +15 円 (+2.1%) 本日終値
鹿島<1812>は3日続伸。18日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエート」継続、目標株価を920円から940円へ引き上げた。同証券では建築・土木部門ともに受注高および完工高予想を増額し、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の850億円(前期1110億7900万円)に対して従来予想の1055億円から1100億円へ、18年3月期を1100億円から1140億円へ引き上げている。
■パイロット <7846> 4,860円 +70 円 (+1.5%) 本日終値
パイロットコーポレーション<7846>が反発。消せるインク「フリクション」が好調、前12月期は35%営業増益を達成した。今期はその反動で2ケタ減益を見込むが、今後は「フリクションライト」や「フリクションボールノック」など品揃え拡充が寄与する見通し。17年12月期は再び増益基調に転じる可能性が高いとみられている。直近、5月15日付で筆頭株主に異動があったことが分かった。主要株主である「DAIWA CM SINGAPORE LTD - NOMINEE KO HONG MYONG」を名義人とする株主高洪明氏が同日に逝去したことによるもの。
■大日本印刷 <7912> 1,119円 +16 円 (+1.5%) 本日終値
大日本印刷<7912>は小幅ながら9日続伸。同社はこの日、有機ELディスプレーの製造に使用する蒸着マスク(メタルマスク)の生産ラインを広島県三原工場に増設し、生産能力を3倍に引き上げることを発表した。2020年までに60億円の設備投資を継続的に実施し、生産能力の拡大に加えて高精細化にも対応することで、スマートフォン向けの同製品で圧倒的な世界シェアを持つ強みをさらに拡大、これにより、2020年に300億円の売り上げを目指す。
■H2Oリテイ <8242> 1,583円 +18 円 (+1.2%) 本日終値
エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>が小反発。大和証券はリポートで、同社が24年度(25年3月期)のROE8%達成に向け、純資産を適正規模にコントロールすると表明した点に注目。短期業績の減速感は否めないが、中長期の成長戦略に対する評価は変わらないと指摘したうえで、株主還元の強化が期待できる点も加味すれば、株価は売られ過ぎの水準にあり、上昇余地が大きいと解説。投資判断は「1」(買い)を継続。目標株価は2800円から2500円へ引き下げている。
株探ニュース