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【市況】今週の【早わかり株式市況】 1万6000円割れ、急速な円高に歯止めがかからず

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は、急速な円高に歯止めがかからず、約2ヵ月ぶりに1万6000円割れ

 週初の4日は前週末に発表された日銀短観で大企業の景況感が悪化したうえ、為替市場で円高が進んだことで、企業業績への先行き懸念が強まり、日経平均株価は5日続落となった。

 その後も円高がさらに加速したうえ、原油先物価格の下げが続き、5日に日経平均は1万6000円台を割り込み、6日には年初来安値を付けた2月12日以来の安値水準まで下げ、3年5ヵ月ぶりに7日続落となった。為替も安倍首相が円売り介入への慎重姿勢を示す発言をしたことが伝わり、円買いに勢いが増し、ドル円相場は一時1ドル=110円を割り込み、約1年5ヵ月ぶりの高値まで急伸した。7日は原油価格が持ち直したことに加え、前日までの7日間で日経平均の下げ幅が1400円を超えていたことから、売り買いが交錯しながらも買い戻しがやや優勢となり、小幅に反発した。

 週末は前日に海外でドル円相場が一時1ドル=107円台後半まで円高が進んだことを受け、朝方は売りが先行し、日経平均は大幅安で始まった。ただ、麻生財務相など政府高官の円高を牽制する発言が伝わり円安に振れたことをきっかけに、一転して買い戻しが優勢となり、続伸した。日中の振れ幅は555円と乱高下した。

 日経平均株価は、前週比342円(2.12%)安の1万5821円と週間終値ベースで2月19日以来およそ2ヵ月ぶりに1万6000円台を割り込み、2週続落して取引を終えた。週間の振れ幅は766円と、前週の1054円から縮小した。


 「米利上げ観測の後退」「原油価格の下値不安」「G20を控えた円売り介入の制約」といった円高に振れやすい状況が続いており、来週の株式市場も底値を探る展開となりそうだ。重要イベントとしては、14日-15日に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議が最も注目されるほか、13日発表の米国3月小売売上高や15日発表の中国1-3月期GDPも要注目だ。国内では11日朝に発表される2月の機械受注を注視したい。

◆マーケット・トレンド(4月4日~8日)

【↓】 4月 4日(月)―― 円高嫌気し5日続落、TOPIXは反発
 日経平均 16123.27( -40.89)  売買高20億6849万株 売買代金 2兆0896億円

【↓】 4月 5日(火)―― 円高で1万6000円割れ、6日続落し2ヵ月ぶり安値
 日経平均 15732.82( -390.45)  売買高22億3387万株 売買代金 2兆2797億円

【↓】 4月 6日(水)―― 3年5ヵ月ぶりに7日続落、円高・世界経済減速を懸念
 日経平均 15715.36( -17.46)  売買高21億4727万株 売買代金 2兆1149億円

【↑】 4月 7日(木)―― 8日ぶり小幅反発、米株高・原油上昇を支えに
 日経平均 15749.84( +34.48)  売買高21億1241万株 売買代金 2兆0898億円

【↑】 4月 8日(金)―― 続伸し一時1万6000円台、円高一服で買い戻し
 日経平均 15821.52( +71.68)  売買高25億0458万株 売買代金 2兆5798億円

◆セクター・トレンド(4月4日~8日)

(1)トヨタ <7203> など自動車、ブリヂストン <5108> などゴム株が大きく売られた
(2)三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険といった金融株は下げ止まらず
(3)内需株は三菱倉 <9301> など倉庫、三井不 <8801> など不動産株の下げが続くも
  ディフェンシブ色が強い武田 <4502> など医薬、JT <2914> など食品株は反発
(4)素材株は住友電 <5802> など非鉄、富士フイルム <4901> など化学株が軟調も
  JFE <5411> 、神戸鋼 <5406> など鉄鋼株は買い戻された


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