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【注目】前日「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

クミアイ化の日足チャート 「株探」多機能チャートより

■クミアイ化 <4996>  1,035円 (-113円、-9.8%)

 東証1部の下落率2位。クミアイ化 <4996> が急落。同社は8日引け後、16年10月期第1四半期の連結決算を発表。売上高は前年同期比5.4%増の164億1000万円に、営業利益は同4.5%増の11億9000万円となったものの、当期純利益は同24.2%減の12億2400万円となった。会社側では、前年同期に計上した特別利益の影響により純利益が減益になったとしており、通期会社計画に対する営業利益進捗率は26.4%となっている。

■竹内製作所 <6432>  1,451円 (-111円、-7.1%)

 東証1部の下落率8位。竹内製作所 <6432> が急落。全体リスクオフ相場と連動するかたちで外国為替市場では再び円高が進行、足もとは1ドル=112円半ばの推移となっており、建機メーカーで売り上げの98%を海外で稼ぐ同社への収益採算悪化懸念が売りを誘っている。欧米景気の減速懸念も来期業績に警戒ムードを漂わせる。

■川崎汽船 <9107>  206円 (-13円、-5.9%)

 川崎汽 <9107> が6営業日ぶりに大幅反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、コンテナスポット運賃低迷が続いているため、4月から5月に行われる欧州向けや北米向けコンテナ運賃の長期契約更改で、現在の長期契約分の利益の大幅剥落は避けられないことや、為替前提を1ドル110円(従来120円)へ変更したことを要因に、17年3月期の業績予想を下方修正している。同証券は、目標株価を298円から260円へ引き下げ。ただ、バリュエーションが割安なだけではなく、業績の最悪期が16年4-6月期と今後半年以内になる可能性があると見て、レーティングは「オーバーウエイト」を継続している。

■横浜ゴム <5101>  1,732円 (-109円、-5.9%)

 浜ゴム <5101> が大幅に3日続落。8日、独コンチネンタルAG社との業務提携を解消すると発表しており、業績への影響を警戒した売りが出ているようだ。両社は2002年に提携。それぞれ手薄だった欧州と日本の市場で日本車向けタイヤを相互供給してきたが、両社とも独自の海外事業基盤が整ってきたため、発展的に提携を解消するという。なお、合弁会社ヨコハマコンチネンタルタイヤについても3月末までに清算する予定としている。

■日本郵船 <9101>  223円 (-13円、-5.5%)

 郵船 <9101> が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付でレーティング「オーバーウエート」継続ながら目標株価を416円から300円に引き下げた。総合物流展開による安定高収益を得るというエクイティストーリーに変更はないが、コンテナスポット運賃低迷が続いているため、4月から5月に行われる欧州向けや北米向けコンテナ運賃の長期契約更改で、現在の長期契約分の利益の大幅剥落が避けられないとし、今後の為替前提を1ドル110円(従来は120円)へ変更。これにより、今16年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の510億円(前期661億9200万円)に対して従来予想の677億円から567億円へ、来期予想を758億円から454億円へ引き下げている。

■大同特殊鋼 <5471>  412円 (-21円、-4.9%)

 大同特鋼 <5471> が大幅続落。UBS証券では、燃料安メリットで相対的に堅調なものの、勢いはないと指摘。マージンが低下基調の高炉や電炉各社よりも燃料費安のサポートがあるとしながらも、自動車、機械、電力インフラ向け製品の需要は力強さに欠けるため、穏やかな増益になると予想。レーティング「ニュートラル」を継続、目標株価を520円から470円に引き下げている。

■航空電子 <6807>  1,216円 (-57円、-4.5%)

 航空電子 <6807> は3日続落。岡三証券が8日付でレーティングを「強気」から「中立」へ、目標株価を2560円から1300円に引き下げた。携帯機器および産機向けでコネクタ事業が伸び悩んでいるほか、航機事業の厳しい状況が続くと指摘。今16年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の176億円(前期258億5100万円)に対して従来予想の265億円から179億円へ、来期予想を286億円から132億円へ引き下げている。

■ウシオ電機 <6925>  1,506円 (-57円、-3.7%)

 ウシオ電機<6925>が大幅続落。大和証券は、同社は従来製品より安価なシネマプロジェクタをローンチすることで中国での販売拡大を狙っていたが、この戦略が想定以上の成果をもたらしたとリポートで解説。当面はこうした販売モメンタムが持続することで、デジタルシネマプロジェクタの販売は好調に推移すると予想し、同証券による16年3月期の営業利益予想は前期比43%増の148億円(前回予想140億円)としている。ただ、17年3月期の営業利益予想は前期比8%減となる136億円(前回予想150億円)で、為替が10億円前後の減益要因となる見通し、としている。同証券は、今後も追加的な自社株買いが行われる可能性に注目したいとし、レーティングは「3」(中立)を継続。目標株価は1500円から1600円へ引き上げている。

■DOWA <5714>  679円 (-24円、-3.4%)

 DOWA <5714> が3日続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、株価は現状想定し得る最悪シナリオを織り込んでいる可能性が高いと指摘。現行中期経営計画において、ディフェンシブ・グロース性が再び見いだせる可能性は低いものの、次期中期経営計画に向け着実に準備を進めているとみて、各事業が大きく崩れる可能性も低く、セクター内での消去法での選別やバリュー銘柄として選好される可能性が高いと解説。長期投資を意識して、レーティング「オーバーウエート」を継続。目標株価は1095円から1000円に調整している。

■サンデンHD <6444>  347円 (-12円、-3.3%)

 サンデンHD <6444> が反落。TIWでは、16年3月期会社計画の下方修正と株価大幅下落であく抜け感があると指摘。自動車機器は海外で生産体制強化が進むなか、欧米メーカー向けに受注が豊富で、流通システム事業は環境を軸にした積極的な商品展開や取引先の旺盛な店舗展開による成長が期待できることなどから、中期的な収益改善見通しに変化がないと解説。

■シマノ <7309>  17,460円 (-530円、-3.0%) 

 シマノ <7309> が4日続落。クレディ・スイス証券はリポートで、在庫補充の反動減と為替前提の変更に伴い、同社に対する業績予想を下方修正。16年12月期の営業利益を従来予想の850億円から780億円へ、17年3月期は910億円から840億円へ引き下げ、目標株価は1万7000円から1万5400円へ引き下げている。ただ、短期的には株価下振れを懸念するも、長期的には利益成長が続くという認識に変更はなく、レーティングは「ニュートラル」を継続している。

■国際石開帝石 <1605>  919.1円 (-24.6円、-2.6%)

 国際石開帝石 <1605> 、JX <5020> などが3日続落。前日にWTI原油先物価格が急反落、1ドル40セント安の1バレル=36ドル50セントと、再び37ドル台を割り込んでおり、これが嫌気されている。ここ原油市況は戻り歩調にあったが、両銘柄とも今週は上値が重く、軟調展開を強いられている。また、アジア指標であるドバイ原油に連動する原油ブル <2038> [東証ETN]も続落している。

■スタンレー電気 <6923>  2,511円 (-67円、-2.6%) 

 スタンレー <6923> が急落。ゴールドマン・サックス証券は8日付リポートで、同社株のレーティングを「中立」から「売り」に引き下げた。目標株価は2300円から2250円に見直した。LEDヘッドランプの搭載比率は自動車業界全体として上昇する見通しではあるが、競合他社の存在やヘッドランプ自体の単価の下落も同リポートでは推測しているため、過度な期待がかかっていると判断した。

■三菱地所 <8802>  2,133円 (-56.5円、-2.6%)

 菱地所 <8802> が反落。クレディ・スイス証券では、今後、株価が織り込む要因として、潜在的なオフィス需要の低下懸念、物件売却の継続性が不確かなことによる利益成長率の低下懸念、賃貸など不動産の含み益の増加率が他社を下回る懸念と指摘。これらは同社の株価が相対的に出遅れる要因になるとみて、レーティングを「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」に、目標株価を2800円から2200円に引き下げている。

■富士フイルム <4901>  4,215円 (-110円、-2.5%)

 富士フイルム <4901> が安い。東芝メディカル買収の件や、欧州系証券がレーティングを格下げしたことが売り手掛かり材料視されているようだ。ドイツ証券が富士フイルムのレーティングを「バイ」から「ホールド」へ格下げ、目標株価を5700円から4800円へ引き下げていることが確認されている。また、9日付の日本経済新聞朝刊で、東芝 <6502> の子会社である東芝メディカルの買収先についてキヤノン <7751> が富士フイルムを上回る入札条件だったと報じられたことも株価の刺激材料となったようだ。

■日信工業 <7230>  1,430円 (-37円、-2.5%)

 日信工業 <7230> が3日続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付でレーティング「ニュートラル」継続、目標株価を1850円から1500円へ引き下げた。円高に加え、足もとの二輪車市場の低調などを考慮すると当面の株価の上値は重いと指摘。今16年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の480億円(前期120億9000万円)に対して従来予想の493億円から475億円へ、来期予想を141億円から125億円へ引き下げている。

■ファーストリテイリング <9983>  33,690円 (-730円、-2.1%)

 ファストリ <9983> が続落。SMBC日興証券は8日、同社株の目標株価を4万円から3万6000円に引き下げた。投資評価は「2」を継続している。「国内ユニクロ事業の売り上げは善戦しているが、海外に依然リスクを感じる」と指摘。国内に関しては前年ハードルが依然高く、ファッショントレンドも向かい風とみている。また、海外事業で中国事業は消費基調の変化に伴い中国アパレル事業自体が在庫過剰に陥った場合は、他社の在庫処分の影響を受ける可能性がある点は懸念材料としている。同証券では、業績予想を見直しており16年8月期の連結営業利益は従来予想1848億円を1727億円(会社予想1800億円)に下方修正している。

■ヒロセ電 <6806>  12,480円 (-240円、-1.9%)

 ヒロセ電 <6806> は軟調。8日付で岡三証券がレーティング「中立」継続、今16年3月期を通期連結営業利益で従来予想の313億円から会社側計画と同様の290億円(前期325億8800万円)へ、来期予想を320億円から261億円へ引き下げた。スマートフォン向けを中心にコネクタの減収が見込まれるほか、減価償却費の増加(5億円程度)などの固定費増加により利益率の悪化が見込まれると指摘している。

※9日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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