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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「悪循環、時を待つ」

株式評論家 富田隆弥

◆2月9日、日経平均は一時978円(▲5.7%)も下げた。終値は918円安、そして翌10日も一時655円下げるなど、2月になっても一向に落ち着く気配は見られない。10日は安値1万5429円をつけ、1月安値1万6017円(1月21日)を下回り、チャートは下落基調継続を確認。昨年来の懸念が当てはまってしまった格好だ。

◆そして祭日の11日、為替(ドル円)は一時110.98円を付ける。イエレン議長の議会証言を機に大きく円高(ドル安)に振れた訳だが、最初は「110円台」とのニュースを耳にしてもピンとこなかった。だが、すぐに前日114円80銭から「4円」もの円高で、1月末の121円台からは「10円以上」の円高と、「尋常でない地合い」になっていることを認識する。ドル円のチャートも節目の116円処を割り込み、日足、週足とも「陰転」を明確にした。

NYダウ平均株価は1月安値1万5450ドルをまだ割り込んでいない(直近9日1万5881ドル)。昨年8月1万5370ドルも維持している。だが、ナスダック、S&P500ともすでに昨年8月安値を割り込み、週足は「陰転」を確定させており、NYダウだけが昨年来安値を維持していられるか疑問である。

◆そして、原油も商品も不安定な状態が続いている。つまり、グローバル(世界)市場がいま「尋常でない」ということだ。こうした状況下は「売るから下がる、下がるから売る」という需給が悪循環に陥っていることを認識せねばならず、経済論などで物事を測って語っても意味はない。需給の改善がいつになるか、相場の下値がどこになるか、それは相場に聞くしかなく、チャートが好転するまで「時」を待たねばならない。

◆それが「チャートに従え」であり、チャートの基本である「ダウ理論」が教えていることである。強いてメドを立てるなら、日足や週足のV波(戻りの倍返し)で1万4000円前後、あと既報の如く流れの似ている「2008年相場」を参考に「彼岸底」を想定しておくことだ。次のFRBと日銀会合は3月中旬である。

(2月11日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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