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2016年02月12日21時00分

【特集】“パニック売り”東京株式市場、負の連鎖いつまで? (3) <株探トップ特集>

西川雅博氏(光世証券 執行役員)

―バリュエーション異常ゾーン突入、待たれる対策―

 12日の東京株式市場は売りが加速、日経平均は800円を超える急落で一昨年10月以来、1年4カ月ぶりに1万5000円の大台を割り込んだ。世界的なリスク回避の流れがここにきて一気に加速している。前日の欧米株市場は軒並み大きく値を崩し、外国為替市場では一時1ドル=110円台に入る急激な円高が進行、東京市場も企業実態を度外視したパニック的な売りにさらされている。

 この負の連鎖による下げはどこまで続くのか。また、東京市場が立ち直るための条件は果たして何か。悲観ムード一色に染まる相場の今後ついて市場の第一線で活躍する証券関係者3人に意見を求めた。

●「広範囲な国際協調が必要、本来的な株式価値に注目」

西川雅博氏(光世証券 執行役員)

 アベノミクス導入以降、強気の株価見通しをサポートしてきた二つの前提条件が崩壊している。一つは、日銀の金融緩和策発動による株高と円安誘導効果の期待。もう一つは、適正株価を説明する拠り所であった好調な企業業績である。

 アベノミクスの3本の矢のうち最も威力を発揮してきた金融緩和策は、マイナス金利発表後の極端なネガティブ反応によって根本的な見直しを迫られている。従来の大幅下落局面では、金融面からの市場安定化策が効力を発揮してきたが、今回はいかにも厳しそうだ。日銀単独では金融面からの市場対策は期待薄で、広範囲な国際協調が打ち出せるかどうかにかかっている。

 とりわけ、金融政策に余地がある米国FRBの動向に注目している。今月26・27日に開催されるG20を待たず、世界的になんらかの政策協調が株価浮上の条件として必要となる。

 企業業績は、急激な円高と世界的なリスクオフの流れから下方修正が必至の情勢だが、3割近い株価下落で相当な水準まで織り込んだと見ている。また、株安の背景の一つである原油相場は、昨年来他市場に先駆けて急落したため、反発の局面に入り易い水準の日柄にあるとも言えよう。投機的な動きとなったドル円相場と共に、株式市場の先行指標として注目したい。

 いずれにせよ、ここは冷静な投資スタンスを維持して、PBRや配当利回りなど本来的な株式価値を見出すべき時と考える。


<プロフィール>(にしかわ・まさひろ)
 1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当


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