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【市況】今週の【早わかり株式市況】 株式底割れ・円急騰、世界経済不安が広がり大波乱続く

日経平均の日足チャート 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、前週に日銀の「マイナス金利導入」で進んだ円高が一服したことから買い戻しが入り、5日ぶりに反発して1万7000円台を回復してスタート。
 翌9日(火)は中国など新興国の経済減速が警戒される中、前日にドイツ銀行への経営懸念が突然浮上するなど欧州で信用不安が高まり、リスク回避の資金が安全資産とされる先進国の国債や円に殺到。日本の新発10年物国債が史上初のマイナス金利をつけたほか、為替市場では急速に円高が進んだ。これを受け、日経平均株価は前日比918円安の1万6085円に急落し、今年最大の下げ幅を記録。10日も世界経済への不安から世界同時株安が続く中、日経平均は1万6000円を大きく割り込み、約1年3ヵ月ぶりの安値まで売り込まれた。
 日本が休日の11日にはイエレン米FRB議長の議会証言で米利上げ観測が後退し、米景気への懸念も浮上したことで、安全資産への資金シフトが加速し、為替市場では円相場が一時1ドル=110円台まで急騰。欧米市場が大幅安となるなど世界株安も続いた。
 これを受けて、週末は朝方から売りが殺到し、日経平均は大幅に3日続落し、心理的な節目である1万5000円を割り込み、3日間で1000円の大台を2つ塗り替える底割れ状態となった。

 日経平均株価は、前週比1866円(11.1%)安の1万4952円と大幅に2週続落し、約1年4ヵ月ぶりの安値水準で取引を終えた。週間の振れ幅は2233円と前週の1277円から急拡大した。


 世界経済への不安が短期的に収束する可能性は低く、来週も波乱の相場が続きそうだ。ただ、昨日のNYダウなど欧米株式市場が大幅高となったうえ、円相場も円安基調に転じており、週初は買い優勢となりそうだ。重要イベントとしては、国内では15日朝に発表される10-12月期のGDP(速報)が注目される。海外では、春節明けの中国で相次いで発表される15日の1月貿易収支、18日の1月消費者物価などの経済指標に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(2月8日~12日)

【↑】 2月 8日(月)―― 5日ぶり反発、円安を支えに押し目買い
 日経平均 17004.30( +184.71)  売買高27億3803万株 売買代金 2兆5991億円

【↓】 2月 9日(火)―― 918円安、欧州銀行不安・円高・長期金利マイナスを警戒
 日経平均 16085.44( -918.86)  売買高31億7335万株 売買代金 3兆0556億円

【↓】 2月10日(水)―― リスクオフで1万6000円割れ、バズーカ第2弾後の上げ幅消
 日経平均 15713.39( -372.05)  売買高38億4903万株 売買代金 3兆5368億円

【-】 2月11日(木)―― 休場(建国記念の日)

【↓】 2月12日(金)―― リスク回避で1万5000円割れ、欧米株安・円高嫌気し760円
 日経平均 14952.61( -760.78)  売買高47億0416万株 売買代金 4兆1833億円

◆セクター・トレンド(2月8日~12日)

(1)全33業種が急落
(2)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株の下げがきつい
(3)トヨタ <7203> など自動車、ソニー <6758> など電機といった輸出株も大幅続落
(4)住友電 <5802> など非鉄、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった素材株も下げ続く
(5)武田 <4502> など医薬、東電 <9501> など電力といったディフェンシブ株も売られた
(6)買い戻されていたJX <5020> など石油関連株も下げに転じる

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