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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:イエレンFRB証言、トヨタ決算反応、春節


■株式相場見通し

予想レンジ:上限17000-下限16000円

来週は、まずは米雇用統計の結果を受けた市場反応が注目される。雇用統計については就業者数の伸びは市場の予想を下回る15万1000人とやや勢いに欠けたが、失業率は4.9%に下がり、ほぼ8年ぶりに4%台まで改善した。この結果を受けた5日の米国市場では、追加の利上げ観測が再燃しており、これが嫌気される格好からNYダウは211ドル安となっている。

米国ではこのところ予想を下回る経済指標の発表が相次ぎ、3月の利上げ観測が後退しており、これがドル売りを強める要因につながっている。米雇用統計が弱い結果となれば、3月利上げは厳しいとのコンセンサスとなり、これを織り込む流れからドル売りが強まりやすく、且つ株式市場への波乱につながる可能性があった。

しかし、強弱入り混じる結果となり、利上げ観測が強まったものの、円相場は1ドル116円台での推移となり、シカゴ日経225先物清算値は16560円をつけている。日経平均は1月21日安値を目先底として意識している状況であるが、これに接近する局面となる中、センチメントはより悪化することが警戒される。

10日にイエレンFRB議長による米下院金融サービス委員会での証言が予定されている。米利上げペースが鈍るとの思惑は強まりそうだ。12日には1月の米小売売上高が発表されるため、米国の金融政策への思惑に振らされやすい相場展開になりそうだ。その他、中国が旧正月(春節)となり、インバウンドや民泊といった関連銘柄に関心が向かいやすい。また、同時期には北朝鮮のミサイル発射も警戒されるところ。

なお、トヨタ<7203>が5日大引け後に第3四半期決算を発表。いずれも4-12月期としては過去最高だった。通期計画については純利益のみ上方修正しているが、売上高・各利益ともにコンセンサスを下回っている。ただ、あわせて自社株取得を発表している。5日の米国預託証券(ADR)では6450円近辺まで押しており、週明けは1月21日安値(6392円)を窺う可能性はある。しかし、同社が売り一巡後にアク抜けとなれば、センチメントを明るくさせよう。



■為替市場見通し

来週のドル・円は、米利上げペース鈍化観測が台頭しており、10日と11日に開かれるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言における発言内容や質疑応答を点検し、今年4回の利上げ実施の可否を見極める展開となりそうだ。

イエレンFRB議長は利上げを決定した昨年12月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後に行われた記者会見で、経済活動見通しや労働市場に対するリスクは安定しているとの見方を示した。また、低水準のインフレ率は一時要因によるものであり、この要因がなくなることでインフレ圧力は高まっていくと指摘している。

今回の議会証言では、インフレ見通しのほかに、世界経済の見通しや米労働市場の現状についての見解が表明されるものとみられる。世界経済の先行きについて慎重な見方が伝えられる可能性はあるが、インフレ上昇の見通しを改めて表明すれば、3月を含めて今年4回の利上げ実施の可能性が高まり、主要通貨に対するドル買いが強まる見込み。




■来週の注目スケジュール

2月 8日(月):国際収支、景気ウォッチャー、米労働市場情勢指数など
2月 9日(火):工作機械受注、独貿易収支、米卸売在庫など
2月10日(水):オフィス空室状況、英鉱工業生産指数、イエレンFRB議長証言など
2月11日(木):米新規失業保険申請件数、ユーロ圏財務相会合など
2月12日(金):独10-12月GDP速報値、米小売売上高、欧財務相理事会など

《TM》

 提供:フィスコ

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