【特集】2番底通過後に備える「売り長&内需&好業績」株リスト <株探トップ特集>
GMO-PGの日足チャート 「株探」多機能チャートより
―信用買い残ピークアウト、底打ち反騰意識へ―
4日の東京株式市場は急激な円高進行が警戒感を呼び3日続落。一時、日経平均株価は1万7000円を割り込んだ。日銀による「マイナス金利政策」発表後の上昇分の多くが消えた格好だが、市場には「1月安値に続く2番底を確認する動き」とみる声も少なくない。こうしたなか、信用面では需給改善が見え、上昇相場への灯りがともりつつある。この波乱相場には好需給銘柄に注目してみたい。
●需給面では明るさ兆す!
依然、不安定な相場展開が続く東京株式市場だが、裁定残や信用残など需給面に視点を移せば明るさが出ている。例えば、裁定残買い残は14億2400万株(1月29日時点)と15年9月ボトムの13億6100万株に接近している。また、信用買い残のピークは昨年8月21日の3兆5870億円だが、直近の1月29日時点では2兆9115億円に減っている。
昨年の裁定買い残のボトムは中国ショックなどに揺れた9月につけており、足もとでは、この水準に接近している。信用買い残は、先行きポジション解消に向け、売りの反対売買が予想されるため、その金額が減ることは需給面でのプラス要因となる。
加えて、東証上場銘柄の空売り比率もピークアウトしつつある。先月19日に42.6%だった空売り比率は、今月3日には40.5%まで低下している。空売り比率は、下げ相場の弱気が最も高まった頃にピークを打つ傾向がある。昨年も9月末に空売り比率は43%台をつけた後、その比率は低下していった。需給面では、全体相場は徐々に底打ち反騰を意識する局面にある。
●内需系に妙味、踏み上げに期待
先行き予想される反騰相場で活躍余地が膨らんでいるのが、「好信用需給銘柄」だ。相場が上昇局面に入れば、踏み上げも期待できる。別表は、信用倍率が0.6倍から1倍台前半の好取組銘柄。円高やスマートフォン販売の減速が懸念視される電機関連など輸出株を除いた内需関連株を集めてみた。
シスメックス <6869> の信用倍率は0.82倍と売り長状態。16年3月期の連結営業利益は前期比17%増の予想。医療用検査機器や試薬が好調で最高益基調にある。野村総研 <4307> の信用倍率は0.87倍だ。証券会社や保険会社など金融機関向けシステム開発需要が拡大。16年3月期の営業利益は同13%増の見込み。東宝 <9602> は映画のヒットが収益を押し上げ、16年2月期の営業利益は前期比18%増で最高益基調。信用倍率は0.95倍の水準にある。
GMO-PG <3769> は、フィンテック関連としても注目。今期営業利益は26%増益予想で、信用倍率は0.96倍。日通 <9062> の信用倍率は1.08倍。燃料安で業績は拡大しており、16年3月期の連結営業利益は6%増の予想。
Jフロント <3086> の信用倍率は1.1倍。傘下の大丸など百貨店はインバウンド需要で好調。今2月期の連結営業利益は12%増の予想。百貨店は、H2Oリテイ <8242> や高島屋 <8233> など好業績・好需給銘柄が多い。
関西ペ <4613> の信用倍率は1.46倍。インドで建築用などの塗料が好調なほか、原料のナフサ価格下落が収益を拡大。16年3月期の連結営業利益は前期比2割増益が予想されている。
◆本格反騰期待の好業績・好信用需給銘柄◆
銘柄名 信用倍率(倍) 営業増益率
東 武 <9001> 1.47 10.2
関西ペ <4613> 1.46 21.9
H2Oリテイル <8242> 1.30 15.2
沢井製薬 <4555> 1.29 6.3
コーセー <4922> 1.20 54.5
トレンド <4704> 1.19 1.6
大ガス <9532> 1.18 38.5
高島屋 <8233> 1.11 6.2
Jフロント <3086> 1.10 11.7
日 通 <9062> 1.08 6.3
三井化学 <4183> 1.03 66.5
日産化 <4021> 1.01 10.5
青山商 <8219> 0.99 10.4
SCSK <9719> 0.98 12.5
明治HD <2269> 0.97 29.0
GMO-PG <3769> 0.96 25.7
東 宝 <9602> 0.95 18.1
NRI <4307> 0.87 12.7
シスメックス <6869> 0.82 17.1
阪急阪神 <9042> 0.67 17.0
キッコーマン <2801> 0.66 23.0
住友林 <1911> 0.65 17.7
ワコールHD <3591> 0.65 97.7
サンドラッグ <9989> 0.65 21.9
時価総額2000億円以上、1月29日時点、%
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