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【市況】今週の【早わかり株式市況】 マイナス金利の急伸を打ち消す、米利上げ後退で円高進行

日経平均の日足チャート 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、前週末の日銀によるマイナス金利政策決定で世界株高となった流れに加え、円安基調も追い風となり、大幅に続伸してスタート。
 翌2日(火)は原油価格が再び下げに転じたことで売りが優勢となり反落。その後も欧米株安に加え、ニューヨーク連銀総裁の発言などにより米利上げ観測が後退したことで為替相場が一転して円高方向に大きく振れ、下げ幅を拡大。輸出関連株や金融株を中心に売りが膨らみ、日経平均株価は3日続落となり、マイナス金利の導入で急伸する前の水準まで押し戻された。
 週末には為替相場が1月21日以来となる1ドル=116円台半ばまで円安が加速し、日経平均は4日続落となった。終値ベースで1月26日以来、約2週間ぶりに1万7000円台を割り込んだ。

 日経平均株価は、前週比698円(3.99%)安の1万6819円と2週ぶりに大幅に反落して取引を終えた。週間の振れ幅は1277円と前週の986円から再び拡大した。

 なお、今週は台湾・鴻海によるシャープ <6753> の買収が大筋合意したことや、東芝 <6502> の今期赤字見通しがさらに拡大するなど、日本の電機業界の国際競争力が低下していることが改めて明らかになった。今後は家電分野を中心に業界再編が急速に進むことになりそうだ。

 来週も為替相場の動向に揺れる相場が続き、底値を探る展開が想定される。米雇用統計を受け、昨日のNYダウが下落したことも重しとなりそうだ。重要イベントとしては、国内は8日朝に発表される12月の国際収支が注目される。海外では11日のイエレンFRB議長の議会証言に注視したい。なお、中国は春節で1週間休日となる。

◆マーケット・トレンド(2月1日~5日)

【↑】 2月 1日(月)―― マイナス金利を引き続き好感、1万7800円回復
 日経平均 17865.23( +346.93)  売買高35億0248万株 売買代金 3兆8519億円

【↓】 2月 2日(火)―― 原油安・円高で3日ぶりに反落
 日経平均 17750.68( -114.55)  売買高27億7148万株 売買代金 2兆9464億円

【↓】 2月 3日(水)―― 559円安、原油安・円高を嫌気し大幅続落
 日経平均 17191.25( -559.43)  売買高31億0382万株 売買代金 3兆1396億円

【↓】 2月 4日(木)―― 円高・企業業績懸念で3日続落、一時1万7000円割れ
 日経平均 17044.99( -146.26)  売買高31億2841万株 売買代金 2兆8587億円

【↓】 2月 5日(金)―― 4日続落し1万7000円割れ、円高・長期金利低下を警戒
 日経平均 16819.59( -225.40)  売買高33億8965万株 売買代金 2兆8946億円

◆セクター・トレンド(2月1日~5日)

(1)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命 <8750> など保険といった金融株が売られた
(2)トヨタ <7203> など自動車、クボタ <6326> など機械といった輸出株も急落
(3)JFE <5411> など鉄鋼、花王 <4452> など化学といった素材株もさえない
(4)前週末に急騰した菱地所 <8802> 、三井不 <8801> など不動産は反落
(5)NTTドコモ <9437> など通信、エーザイ <4523> など医薬といったディフェンシブ株は値を保つ
(6)JX <5020> 、出光興産 <5019> など石油関連株は買い戻しが続く

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